6 作戦決行(シフォン視点)
……どうするべきかなあ、と考えながらボーっと過ごして、気付いたら作戦決行の日。
リリアンヌ曰く、理由は教えて貰えなかったけど本番は『絶対に今日じゃないと駄目』らしくて、しょうがないなあ、と秘密基地を出てゆっくり歩いていた。
城下町の路地裏に転移して、しばらく歩けばもう王城の中、もうすぐで王妃様のもとへ着く。
……あ、そう。
魔力は帰る時のために残しておけって言われたの、リリアンヌに。
注意事項として、『物は壊しても良いけど人を殺すのは駄目』とか、『王妃様を殺すのは駄目』とか、『無理だと思ったらすぐに帰る』とか、あの日に色々言われたけど……。
なんというか、塩梅がいまいちよく分からないのだ。
殺しちゃだめだけど傷つけるっていう要求が、実を言うと私にはかなり難しい。
いつかの私が馬鹿にした、『殺すのより生かす方が難しい』っていうせんせいの言葉が正しかったことを、私はつい最近になって知ったのだった。
でもまあ、迷う時間が勿体ないしなあ。
……とりあえず……、
「……王妃様、ごめんねえ」
ぼそっと呟いたその瞬間、ガンッ、という大きな甲高い音がそこに響いた。
同時に、双剣を握る両手に大きな衝撃を感じて、自分から攻撃しに行っておいてなんだけど驚く。
王妃様って強かったんだなって思って、目の前にいたはずの王妃様に目をやった時である。
「――今時いるんだなあ、王妃様を直接狙う暗殺者とか、さあ?」
「…………!?!?」
脳がその状況を理解するのに数秒かかった。
私が王妃様に剣を振りかざした後で、王妃様の姿がブレて別の人になったのだと。
私の剣を止めたその人によって、私が後ろに跳ね飛ばされたのだと。
……私の剣を受け止めたのは、せんせいだったのだと。
多分、王妃様と私の間に、素早くせんせいは入ったのだ。
けれど私の目ではその動作が追えなくて、その結果が今だったのだ。
……あ、終わったなって、私は人生で二回目の、人生で一度体験するかしないかであるはずの気分になった。
だって、リリアンヌの情報によるとベリーちゃんにとって王妃様は守るべき大切な人で。
だって、ベリーちゃんが今までに見たことのない冷たい目をしていたから。
「……ねえ、君、私の下に来ない?」
だから、その言葉は絶対に私にかけられるべき言葉ではなくて。
だから、私は武器を一丁前に構えながら、内心意味が分からなくて、何もできないのだった。
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