4 殺しはしない
最初は第三者な感じです。
「本当に良かったの?」
『……ああ、リリアンヌのこと?』
「うん、そう」
真っ白の髪の毛を自身の手で三つ編みに編みながら、魔石の中で少女は思い出したようにそう言った。
『そうだなあ……良かったのかなあ……?』
「分からないんだ?」
そう問うたのは少女の浮かぶ魔石の横で机に向かい、書類仕事をする一つの神。
『分からないというより、うーん、私からすると最善なんだけど……』
「あの子がどう思うかは分からないってことかな?」
『そうだねえ……』
少女は暇そうに三つ編みをしながら魔石の壁を蹴り、何回か魔石の中で回転する。
その様子を目にした隣の神は呆れたように頬杖をついた。
「相変わらず無駄に器用だね……」
『……え、無駄にって言った?泣くよ?良いの?』
「ごめんごめん、泣かないで?」
『――あはっ、すっごい似合ってない……!』
少女が『似合ってない』と評した、頬杖をついたままの上目づかいをした彼は、不服そうに目を細めた。
『……でもきっと、リリアンヌなら何とかできるでしょ』
「本当にあの子が可哀想になってきたよ……」
少女は髪を持っていた黒のリボンで結んだ。
綺麗な三つ編みの完成である。
『まあでも、リリアならやってくれるよ。……それに、いつかはあの子も決めなきゃいけない時が来る』
「……うん、そうだね」
神は憂鬱そうに呟いた。
これ、どういうことなんだろうなあ、と、歩きながら私はぼーっと考えていた。
話題は勿論、目の前にいるはずの敵である。
……私に悪夢を見せたり幻影を見せたりする精神干渉系の魔法は効かないはずだった。
魔力の多さもそうだけど、私はそもそも魔法防御力すら99999なのだ。
攻撃魔法をぶっ放されても、それが直撃しても無傷である少女の魔法防御力に、精神干渉なんてものが効くのか、否、効くわけがない……というのが、私の意見なのだけど。
(そんなに有能ならうちに欲しかったなあ……)
最初に断言しておくと、私はこいつが王妃様に攻撃した時点で殺す。
……ああ、違うよ?
キルするんじゃなくて、その、うん。
だって、王妃様に攻撃が届くはずないから。私、防ぐから。
何が言いたいのかというと、攻撃する素振りを見せたら速攻で無力化する……つまりイコール、殺すってことである。
……いや、なんか絶妙どころか結構意味違う気がしてきたけど、気のせいかな、うん。
まあね、殺しはしないさ。
勧誘して、対価を差し出して、仲間にするだけ。
必要とあらば少々の暴力も手だけど、基本のスタンスとしては説得、対話である。
……理解してくれたかな?うん?
読んでくれてありがとう!
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