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微ヤンデレ後輩ちゃんは愛されたい!!  作者: 正軒


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ご飯が食べたい後輩ちゃん

「ところで先輩。もう遅い時間なわけじゃないですか」

「そうだな。送ってくよ」


 窓の外を見れば暗く……はないが太陽が沈み始めた時間帯。

 冬はここからが早いので帰っている間に夜空になっていても不思議ではない。


 なので暗くなってしまう前に奈恵を送っていこうかと思ったのだが


「先輩、私お腹が空きました」


 これみよがしに腹に手を添えて主張してくる奈恵に苦笑しながら財布を確認する。

残金はまあ、高い店じゃなければ二人で食べても奢るには足りるだろう。


「どこかで食べて帰るか。沙織さんには伝えておけよ?」

「わかってますよ〜」


 2人揃ってスマホをいくらか操作した後に奈恵の鞄を手に持って部室を出る。


 外に出ると一瞬夕陽に目を焼かれたが部室の日当たりが良すぎるのですぐに慣れ、手を繋いで歩き出す。


 ご飯といってもどこで食べるかなどは全く決めていないのでどこか適当にファミレスにでも入ろうかなどと考えながら帰り道とは違う方、繁華街を目指して歩く。


「食べたいのあるか?」

「お腹すいたとは言いましたけど考えてないですねぇ」


 なら近くのファミレスでいいかとあたりを見回して中へ入る。


 まだ夕食には少し早い時間帯だからか人は多いわけではなくすぐに席へと通された。


「おぉ……こういうのって悩みますよね」

「別に遅くなってもいいからゆっくり決めな」


 メニューを前に唸る奈恵を横目にドリンクバーだけ二人分頼んで飲み物を取りに立つ。


「飲み物取りに行くけど何飲む?」

「お茶で」

「わかった」


 ドリンクバーまで向かい、適当にコップを取って緑茶と烏龍茶を注ぐ。


 どっちがどっちの分とは決めてないので奈恵が取らなかった方を貰えばいいだろう。

お茶って複数あると何持ってけばいいか分からないし。


 席に戻るとなぜか僕の上着を羽織りながらメニュー相手に唸る奈恵がいた。


「取ってきたけど……なんで僕の上着羽織ってるんだよ」

「ナンパ除けです」


 まじかファミレスにもいるのかナンパ。


 美人は大変だなと思いながら奈恵が取らなかった緑茶を飲む。

……今向こうの席の集団が嫌そうな顔して目逸らしたな。ホントにいるんだなナンパ。


「うう……決まらない」


 本人は全く反応せずに食べたいものを決めようと唸っているのだからまあ、うん。

ジロジロ見てても視線に気づかない美人は狙われるか……


「先輩、パスタとハンバーグどっちにしましょう」


 なんとか2つまでに絞ったのか奈恵が苦虫を噛み潰したような顔でこちらに視線を向ける。


「僕が片方頼むから半分ずつ分けようか」

「やった……!」


 さっきとは別人と言えるほどに顔を輝かせる奈恵を横目に席のタブレットに注文を入れる。


 奈恵を外食に連れて行くのは楽しい。

なんせ迷いに迷って二つまで絞ってから選べず悩んでる姿がかわいい。


 まあ結局いつも両方頼むことになるから完全に悩んでる奈恵を楽しんでるだけだが。


 あとはもうドリンクバーで炭酸飲料を取ってきた奈恵が一口飲んで顔を顰めたり、メニューと一緒に置いてある間違い探しを二人で最後の一つが見つけられないと文句を言いながら料理を待つ。


「美味しい……先輩。そっちのもください」

「ん」


 奈恵の小さな口に切ったハンバーグを食べさせる。

小動物に餌やりしてるみたいでちょっと楽しい。


「んむ……おいしいです」


 そういえば間接キスだななどと思いながら自分の分を食べ進める。


 ふと最後に家族で外食したのはいつだったかと思い返し、加苅が部活の大会で遠く行った時が最後だからだいたい一年くらい前か。

 次は二人も呼んで四人でどこか食べに行こうかと考えながらまた料理に手を付け始めた。

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