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舞が大人になります。

 色々あった修学旅行も終わり、私は家に戻ってきた。

 お父さんは「舞がいなくて寂しかったよ〜」と言って抱きしめてきた。私はお父さんの腕から何とか抜け出して、お土産を渡す。そしてお父さんが喜んでいるすきに、自分の部屋へ向かった。感じが悪く反抗期と思われるかもしれないが、今はそれどころじゃないのだ。



 アダムくんを好きだと自覚してからは、それはもう平常心ではいられなかった。修学旅行中に何度も彼と一緒に行動する事があったが、彼の一挙一動にドキドキして仕方がない。羽山先輩の時には無かった性欲が度々顔を出すので、沈めるのが大変だった。

 例えば食事の時間、私達の班の向かい側に由美やアダムくんの班が座った時に、向かい側に座るアダムくんの食べ物を口に入れる瞬間が、なんともエロく見えてしまったのだ。

 こんな不純な気持ちになった事が無かったので戸惑っているのだ。アダムくんに対してこんな気持ちを持つのはダメだ。そう思うのに中々消せない。




 その日の夜、夢を見た。夢の中にはスカートを履いたアダムくんが出てきた。六年生の彼がスカートを履いているのだ。そんな事はあり得ないので、ここで夢だと気づく。しかしまだ目覚めたくは無かった。私は意外とスカート姿のアダムくんが好きだったようだ。

「水谷……」

 アダムくんはそう言うと、こちらに近づいてきた。彼の服はどんどん消えていく。夢だとしても心臓が破裂しそうだった。

「アダムくん? 」

 私がそう聞くと、アダムくんはキスをしてきた。夢の中だと分かっていても、戸惑う。

 このまま、もっと凄いことをするのだろうか? まぁ、夢の中だからいいか。そう思った瞬間、アダムくんは泣き出した。震えている。そして、彼はこう言った。

「水谷、ごめんな」




 目が覚めた。私は何ていう夢を見たんだ。アダムくんは性的なトラウマがあるのに、私は彼を汚そうとしてしまった。きっと、彼は私がこんな夢を見たと知ったら離れていくだろう。せっかく昔のように仲良くなり始めたのに。

 落ち込んでいると、下着がヌルついてる事に気付いた。何だろうと思い、布団を上げる。


「くぁwせdrftgyふじこlp⁈ 」


 私は声にならない悲鳴をあげた。




「舞ー!何で鍵かけて洗面所に入り浸ってるんだー? 」

 さっきからお父さんはドンドンと洗面所のドアを叩き続けている。大人なら察してくれよお父さん。現在私は汚れた下着を洗っている。



 私は大人になった。これで察してください。


お読み頂きありがとうございました。

父「舞が反抗期になった〜」


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