表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/41

40話~空side~

最近、輝くんの具合が悪いらしい…

体温は34度台とかなり低いし、脈も遅い…


今日は輝くんの所に行く日だ。

「輝くん、久しぶり。調子はどう?」

「なんかきついみたいでさ、目を開けてくれないんだよ…今日も体温低いし…」

「何度?」

「34.3…」かなり低いな…

頭も痛いだろう…

「輝くん、無理そうだったらいいけど、目を開けてくれるかな?」俺がそう言うと、輝くんはゆっくり目を開けてくれた。

その目は潤んでいて、少し充血していた。

「ありがとう。体温も低いからさ、体暖めような」そう言って輝くんの頭をなでた。

そのまま灯が輝くんを抱いて、ベッドに寝かせた。


灯は寝てしまった輝くんを心配そうに見つめていた。


「ひか…」

「灯、毛布は?」

「えっあっ毛布…」そう言いながら灯は部屋を出ようとした。


その足取りはふらふらしていて、顔は青ざめていた。


「灯!?大丈夫か?」そう言いながら俺が灯を支えると、

「ん…毛布」そう言いながら床に座り込んだ。

「俺が取りに行くから…どうした?具合悪かったの?」

「はぁはぁ…」

「立てるか?」そう言いながら灯に手を差し伸べると、灯は僕の手を取って立ち上がった。

ふらふらしていたから支えてあげて、リビングのソファーに寝かせた。


「ちょっと待って…輝くんに毛布持って行くから」そう言って僕は毛布を持って輝くんの部屋に行き、輝くんに毛布をかけた。

「輝くん、まだ寒いよね…暖まろうな」輝くんはすやすや眠っていて、可愛かった。


灯が輝くんにぞっこんなのも分かるな…


「灯、いつから具合悪かったの?」

「一昨日…でも僕よりひかのほうが辛そうだから、僕が見てあげないと…」

「灯…今日はもう寝な?輝くんは俺が見とくから…」

「嫌。ひかの部屋行く…」そう言いながら灯は体を起こした。

しかし、すぐにふらついて俺に倒れ込んできた。

「灯、無理するなって…」


その時、灯から本音がこぼれ落ちた…


「空…もう疲れたよ」

「灯…?」

「何で輝なんだ。何で神様は僕らばっかり苦しめるんだよ」

「……」俺は何にも言ってあげられなかった…

「もう嫌。もう疲れた…」

灯は、輝くんの具合が悪くなってから、あんまり寝ていないらしい。

寝ていないのに、仕事ではそんな素振りを見せなかった。


家ではずっと輝くんの面倒を見て…


「灯…そんなに頑張らないで。俺に頼って…」そう言って灯の頭をなでた。

「僕が頑張らないと。輝に笑顔を届けないと…でももう疲れちゃったんだ。僕は最低だな」

「灯は最低なんかじゃない。輝くんの最高の兄ちゃんだって…」

「空…嘘だ。だって僕は輝と居るの疲れたって言ったんだよ?最低だよ…」


灯は『看護疲れ』っていうのかな…

自分のことを責めて責めて…


辛そうだった…


「俺じゃない。輝くんが一番思ってるよ。灯のこと大好きなんだから…」

灯はしばらく輝くんの部屋を見つめていた。そして、

「ひかごめんな。最低な兄ちゃんでごめんな。でも…大好きだよ」灯はそう言いながら笑った。


「灯、今日はさ、ゆっくり休みな」

「うん。おやすみ」そう言って灯は夢の世界に入っていった。


それから、俺は暇さえあれば輝くんに会いに行った。

灯に合い鍵を貰ったからいつでも行けるし…


輝くんの体調はだんだん良くなっていった。

体温も35度台になったし…


俺らは安心した。


なのに安心してられない事態がおこった…

輝くんの容態が急変したのだ。

体温も一気に33度台まで下がった。

「輝くん、聞こえる?俺らいるからな。辛いだろうけど頑張って」俺はそう言いながら必死で輝くんを暖め続けた。

灯は呆然と立ち尽くしていた…


数日は危険な状態が続いた。

今は安定していて、俺も灯もほっとした。



あの時携帯を忘れなければ…

あの時道が混んでいなければ…


そう思ったらきりがない。

とにかく…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ