27話
夜、輝が寝た後も、僕は30分おきに輝の体を動かしてあげていた。
だからあまり深くは眠れずに、いつも寝不足気味だった…
「ひーか、今日雨なんだよ。ほら…」僕はそう言って窓のカーテンを開けた。
「音で分かるよ。僕もう眠いから寝るね」
「はーい…おやすみ」輝の反応は冷たかった。
あーやばい…眠っ!!
僕は起きようと思ったけど、睡魔には勝てず、目を閉じて壁に寄りかかった。
「ハァハァ…ゲホゲホ」
「ん?輝!?」輝は過呼吸をおこしているようだった。
「ひーか、大丈夫だからな…落ち着いて…」僕はそう言いながら輝の背中をさすった。
しばらくして、輝の息はだいぶ穏やかになってきたが、辛そうだった。
「灯?輝くんまた過呼吸おこしたの?」
「うん…何でだろうな」
「ストレスの原因があるんじゃない?輝くんにとっての…」
ストレスの原因か…
「ねぇひか~なんか嫌なことある?」
「別に…」輝が別にって言うときは、決まってなんかあるときだ。
「輝、言ってごらん?」
「ないって言ってるだろ?」輝の目は涙目で、これ以上聞くことは出来なかった。
でも想像してなかった。
輝のストレスの原因が、あの人のせいだなんて…




