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21話

母さんと父さんが事故にあった後、僕らはすぐに病院に向かったんだ。

でも…


母さんも父さんも死んでた。

即死だったみたい…

苦しまずに逝ったのだから、それは良かったけど…


「おーい母さん。父さん」僕は突然の別れに、気持ちが付いていかなかった。

それは輝も一緒で、僕の後ろでずっとぼーっとしているだけだった。


それから30分位たった頃、輝が急に泣き出した。

僕の背中に顔をうずめて、時折嗚咽を漏らしながら、ずっとずっと泣いていた。

僕は輝のせいで、輝のおかげで、両親の死を実感する事となった。

「母さん…父さん…何で僕らを残して逝ったんだよ。これから僕たちどうすればいいんだよ」僕はそう言いながら泣いた。

でも、僕には守るべき大切なものがあった。

それは…


僕の背中で泣いている、小さな弟。


僕は輝を守るために、強くならないといけない。

母さんたちの死を受け止めなければいけない。


「母さん…僕、輝を守るよ。何があっても、絶対に守るから」僕は、母さんに語りかけた。

すると、決して動くことのないはずの母さんが、笑ったような気がした。

僕の目からは、涙が溢れていた。

「母さんも父さんも安心して。僕が絶対輝を守り抜くから」僕はそう言って、僕の頬を伝っていた涙を強く強く拭った。

「ひ~か、おいで」そう言って僕は輝を抱きかかえた。

輝は泣きながら、

「お兄ちゃんが僕のこと守ってくれるの?」そう言った。

「そうだよ。母さんたちの代わりにね、僕が輝を守るから」僕はそう言って輝の涙を拭ってあげた。


僕は輝を守るためなら、何でもする。何でもしたい…

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