20話
「ただいま戻りました」僕はそう言いながらリビングに入った。
「おかえり、灯ちゃん。今日は早いだろ?もう行かないと…」おじさんは、満面の笑みを浮かべながら、僕にそう言った。
「あの…もうあんなバイトしたくないです。お願いします」僕は深々と頭を下げて、お願いした。
「どういうこと?」
「他のバイト頑張るので、止めさせてください!!」僕は必死だった。
「ふーん、いいんだ…輝ちゃんも可愛い顔してるよね」おじさんはそう言って笑った。
悪魔だった。
あんなおじさんに、少しでも期待した僕が間違いだったんだ…
僕が呆気にとられていると、僕のお腹に、おじさんの足が飛んできた。
「ゴホゴホ…おじさん?」
「お前は俺の玩具なんだよ。大人しくしろって」
(玩具…そうだよな)
僕は納得したと同時に笑いが込み上げてきた。
「灯?何がおかしいんだ?」おじさんは困惑していた。
僕はおじさんの蹴りが止まった隙に立ち上がると、
「もうどうでもいい」大きな声でそう言って、両手を広げた。
何でもしていいよ。って言ってるみたいに…
「灯?壊れたか?」
(はいはい。もう壊れてます)
おじさんはためらいもなく、僕を蹴った。
僕は立ち上がると、
「あっ僕に色々する代わり、輝には一切手を出さないように…」そう言った。
僕にはもう、輝を守る事しか出来なかった。
だって、あの日母さんと、『何があっても輝を守る』って約束したから…




