意固地な私。
『昨日はごめん……』
翌日まもるからメールがきた。私は返信する気なく、朝食を食べる。
何よ、今更。言い訳でもするのか。いや、それさえ多分聞きたくない。
どうせ彼女と会っていたんだろう。それは仕方ないにしても、一言のメールくらい夕べのうちに欲しかった……。
私は課題をしながらぼんやり考えたが、モヤモヤした気持ちは無くならない。
課題を片付け、買い物に出掛ける事にし、支度を始めた。こういう時は買い物に限る。
街はクリスマス一色で、行き交うカップルがやけに目について。
気にしないでおこうと思っても虚しくなるだけだ。
「新しいコート買おうかなぁ」 自分へのプレゼントだ。
ショップに入りコートを選んでいると、ガラス越しにカップルが手を繋いで歩いている姿が目に入った。
私の身体が一瞬固まる。仲良さげに歩くカップルは紛れも無くまもると彼女。やっぱりな……。そう思ったが私には何も言う事などできない。夕べから一緒にいたのだろう。
関係ない。自分に言い聞かせる様に頭を振り、コートを買い足早に店を出た。
世界が歪んで見える。自分の手足が震えて、何も考えたくなくない。
急いで家に帰りベッドへダイブした。
流す涙などない。彼女とまもるが二人でいる事は当たり前ではないか。だったら私を誘わないで欲しかった……。
流す涙などない。ない……。けれど何故か頬をつたうものが後から押し寄せて、胸が苦しくなって。
「買い物なんかいくんじゃなかった」
買い物袋を引き寄せ、思い切り放り投げた。八つ当たりなのは分かっているけれど、溢れる感情をどうしても抑え切れない。
『まもるのバーカ』
おもむろにスマホをカバンから取り出し、子供じみたメールを送信した。
暫くしてスマホが鳴った。発信者はまもる。誰が出るか。意地以外何物でもないけれど無視する事にしよう。
柔らかな西日が部屋に差し込む。もうすぐ夕方だ。何をする訳でもなく、ベッドに寝転び着信履歴を見つめていた。
着信が数件。全てまもるから。メールも数件入っている。全てまもる……。誰が読むかと思うけれど、気になるのは気になる。いつから変な意地を張るようになった?私はただの友達でしょ?
そう思うけど、やっぱりまもるを好きだと思う自分がいて、昨日の約束をすっぽかされたショックと、彼女とまもるの姿を見てしまった現実が、私を意固地にさせた。
「あーあ。 休み明けどうするよ」 呟く言葉は余計に虚しくさせた。
「できない約束しないでよね。 バカまもる……」
夕焼け空は冬の空で、時折吹く風が窓を揺らした。
「今日はもう寝よう……」
まだ寝るには早過ぎるが、何にもしたくない。さっさとパジャマに着替え、ベッドに潜った。スマホは電源を切りカバンにしまってある。何処まで意固地なんだろ、私……。
けれど今は誰とも関わりたくない。
そんな事を思い、目をつむった。




