表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/9

意固地な私。

『昨日はごめん……』


翌日まもるからメールがきた。私は返信する気なく、朝食を食べる。


何よ、今更。言い訳でもするのか。いや、それさえ多分聞きたくない。

どうせ彼女と会っていたんだろう。それは仕方ないにしても、一言のメールくらい夕べのうちに欲しかった……。


私は課題をしながらぼんやり考えたが、モヤモヤした気持ちは無くならない。

課題を片付け、買い物に出掛ける事にし、支度を始めた。こういう時は買い物に限る。



街はクリスマス一色で、行き交うカップルがやけに目について。

気にしないでおこうと思っても虚しくなるだけだ。


「新しいコート買おうかなぁ」 自分へのプレゼントだ。


ショップに入りコートを選んでいると、ガラス越しにカップルが手を繋いで歩いている姿が目に入った。


私の身体が一瞬固まる。仲良さげに歩くカップルは紛れも無くまもると彼女。やっぱりな……。そう思ったが私には何も言う事などできない。夕べから一緒にいたのだろう。



関係ない。自分に言い聞かせる様に頭を振り、コートを買い足早に店を出た。

世界が歪んで見える。自分の手足が震えて、何も考えたくなくない。

急いで家に帰りベッドへダイブした。


流す涙などない。彼女とまもるが二人でいる事は当たり前ではないか。だったら私を誘わないで欲しかった……。


流す涙などない。ない……。けれど何故か頬をつたうものが後から押し寄せて、胸が苦しくなって。


「買い物なんかいくんじゃなかった」


買い物袋を引き寄せ、思い切り放り投げた。八つ当たりなのは分かっているけれど、溢れる感情をどうしても抑え切れない。



『まもるのバーカ』


おもむろにスマホをカバンから取り出し、子供じみたメールを送信した。




暫くしてスマホが鳴った。発信者はまもる。誰が出るか。意地以外何物でもないけれど無視する事にしよう。


柔らかな西日が部屋に差し込む。もうすぐ夕方だ。何をする訳でもなく、ベッドに寝転び着信履歴を見つめていた。


着信が数件。全てまもるから。メールも数件入っている。全てまもる……。誰が読むかと思うけれど、気になるのは気になる。いつから変な意地を張るようになった?私はただの友達でしょ?


そう思うけど、やっぱりまもるを好きだと思う自分がいて、昨日の約束をすっぽかされたショックと、彼女とまもるの姿を見てしまった現実が、私を意固地にさせた。


「あーあ。 休み明けどうするよ」 呟く言葉は余計に虚しくさせた。


「できない約束しないでよね。 バカまもる……」


夕焼け空は冬の空で、時折吹く風が窓を揺らした。


「今日はもう寝よう……」


まだ寝るには早過ぎるが、何にもしたくない。さっさとパジャマに着替え、ベッドに潜った。スマホは電源を切りカバンにしまってある。何処まで意固地なんだろ、私……。


けれど今は誰とも関わりたくない。


そんな事を思い、目をつむった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ