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待ち合わせ。

あれからまもるとは余り話をせず、冬休み前の課題などをこなしていた。


話す事など何もないし……。かえって一緒にいる方がいやだ。



「冬休み、 ツリー見に行く?」


たかちゃんがふいに話しかけてきた。


「ツリー? あのイルミネーションやってる所の?」


「そう。 巨大ツリーが点灯されててキレイだよ」


「うーん。 行かないかなぁ。 ごめんね」


「分かった。 あんまり無理するなよ?」



毎年クリスマスシーズンになると、大きなツリーがキレイに点灯される。


街はイルミネーションでキラキラ輝き、とても幻想的になる。

でも今はそんな気分じゃない……。まもるは多分彼女と行くんだろうな。毎年そうみたいだし。


チクンと胸の奥が痛いのは、気のせいにして、冬休みは勉強を頑張らなきゃ。

司書になる為には遊んでなどいられない。



講義終了後、まもるが私の所にやって来て 「なぁ瑠花。 クリスマスツリー見に行かない? 予定ないだろ?」


いきなり言われ驚いた。


「はあ? 何を言ってるの? あんた彼女と行くんでしょ?」


「いや……。 行かないよ」


「私は遠慮するよ」


「行こう。 一緒に」



何を考えるの? いきなり何なの?


訳も分からないまま、ツリーを見に行く約束をしてしまった。友達として。うん。友達として行けば大丈夫……。


けれど少しだけ嬉しいと思ってしまう自分がいた。



冬休みに入り、街はクリスマス一色になってきて、休みの間に色んな課題など片付けたりしていた頃、まもるから連絡がきた。


すっかり忘れていたがツリーを見に行くんだっけ……。私達は行く日をメールで約束した。



約束の日の夜。私は少しだけお洒落をし、待ち合わせの場所に向かう。


心臓がどくんとなる。やはり嬉しいと思ってしまう。

友達としてだけど、まもるとツリーを見に行けるなんて、毎年思ってもいなかったし。



待ち合わせ場所に到着し、まもるを待った。ちょっと早かったかな?


空には星が瞬き始め、冷たい風が頬をかすめる。

クリーム色のコートのポケットに手を入れ、寒さをしのいだ。


すれ違うカップルを横目で見やり、私はまもるを待った。



「遅いなぁ……」


スマホをカバンから取り出し時間を見る。


「約束の時間過ぎてるじゃない」


とっくに約束の時間は過ぎていたが、まもるは来ない。メールをしたが返事も来ず、けれど私はまもるを待った。


キラキラ光るイルミネーションが、何故だか揺らいで見えるのは気のせいだろう……。


「できない約束しないでよ……」


寒空の中、一人呟いた。


「帰ろ」


振り返り、その場を後にした。


霞む街並みの中、ひたすら歩き家に向かう。何で来ないのか。メール一つもできない程の何かがあったのか。

グルグル考えても仕方がないと分かっていても、約束をしてしまった自分にも腹が立つし、やり切れなさが募る。


星がキレイに瞬いて、虚しさがより一層増してきて、家に帰っても落ちつかなかった。


スマホを見てもメールさえなく、自分からメールもしない。変な意地を張ってもって思うけれど、やっぱり何か悔しい。


鳴らないスマホを握りしめる愚かな自分が許せないまま眠れぬ夜を過ごした。

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