#5
目の前には、小規模なかつ可愛さを醸し出している屋敷。
初めて訪れる私だけの家。
周囲は鬱蒼とした森があるため、静かに生活出来そうである。採取の仕事も。
家の中を確認するため、入ろうとするも鍵がない。面倒ごとから逃げる事しか頭になかったので、預かってと言うか貰って来るのを忘れてた。
仕方がないので、皆が来るまで2時間。嵩張る荷物は玄関に置き、ポーチと中剣のみ携えて散策・周囲探索にいくことにした。
境界線を何となく感じる世界の愛し子に確認しながら移動する。
世界の愛し子とは、まあ言うなれば精霊みたいな物である。大地の息吹があり場所には必ずいる。高位クラスになると人間中で生活出来るらしいが、見たことないのでなんとも言えない。
境界線状に目印・防災のための術式を刻み込んでいる法石を。これで招かざるお客様は、入って来れない。入ってきたら来たで、実行犯・首謀者・些細なものでも協力したもの全てに相応の報復がプレゼントされる。
安全って大切。と思いながら約2km間隔で設置しておく。
そんなことをしながら薬草の採取をしていると「誰か来るよ」と教えてくれると同時に法術発動の淡い光。
「お嬢様」と声が、それを聞き中剣に伸ばした手を下ろす。
皆が着いたようで、マリアが迎えに来たようだ。
屋敷に戻ると、引越しの最中。最低限の設備が用意されていたらしく掃除と物品のチェックをしている。
それを見ながら邪魔にならないところで、地図に設備した場所を記入しているとロバートとザークが気付き近寄ってくる。マリアは既に掃除の指示にいっている。
「お嬢様、必要物品リストです。」
と渡された書類に目を通す。食料・日用品など足りない物がある。購入する際は、まとめ買いするかと思っていると
「物品に応じて、各国に分散させた方がよろしいかと。要らぬ疑いを回避できますので」
「分かった」と分散するよう指示。
ザークは防犯装置についてと既に設置している場所を説明。話の途中で「えげつない」とか聞こえたような気がしたが、目線で黙らしておく。
今日は、屋敷のみ簡易防犯装置を設置するよう指示をだす。
ザーク・ロバート共に部下に指示を出すため下がっていく。
まだ掃除には時間がかかりそうなため採取し薬草の整理。法石に術式を刻む作業を行う
「お部屋の準備が整いました」と声をかけられるまで、集中していたらしく結構な時間が過ぎていた。
部屋は寝室と続き間の執務室というか作業室に案内される
「もうすぐ食事の準備が整いますので」と言われるため、お茶を飲みながら一休み
連れてきた者たちは、皆が母に嫌われていた。冷遇されるよりはと着いてきてくれたので、基本仕事が終わったら好きなことをしてもらう予定だ。
それも説明するため、食事は全員参加するよう指示を出す。
夕食時、食堂には全員が集まっているか確認する。
全員が集まっているようなので「全員いますね。では、連絡したいことがあるので聞いてほしい。まず、着いてきて有難う。静かに生活していきたいので、協力をお願いする。仕事に関して、楽になると思うが余った時間は趣味に使ってほしい。商品などができた場合は、本人管理で売買可能だから仕事に差し支えがない範囲で活動してほしい」
と説明をすると、驚かれた。
「だめか?」と問いかけると、全員が首を横に降るため
「皆、不満がないな?では、食事にしよう」と全員で食事を取る。