プロローグ
文字書き初めてなので手探りです。
ご了承くださいませ。
白鳴 恵、16歳高校2年生。
父が会長を務め、多くの企業に影響力を持つ白鳴財閥の一人娘。
生まれに恥じないよう心掛け、成績も常に上位。
運動も出来て友達も大勢いる、そんな順風満帆な日々を送る私にある悩みは、度々雷に打たれる事くらいで、争いとは無縁の平和な毎日を過ごしていた。
授業終了を告げる鐘が鳴る
「恵、帰りましょう」
近くの席に座る少女に声をかけられ、うん、と頷き二人で教室を出る。
彼女名前は黒姫 美月。
長い黒髪と整った目鼻立ちに眼鏡をかけたTHE・委員長と言える面立ちと、女性にしては高身長かつスレンダーな外見を持ち、口数は少ない。
そのいかにも文武両道です!という雰囲気から繰り出される天才的な頭脳で多くの生徒に勉強を教えたりする反面、壊滅的に酷い運動能力を披露した事で、身体を動かす授業は何かと気を使われている。
校内でも多くの生徒から慕われる人気者だ。
そんな彼女は、私と同じく親が財閥会長を努めており、親同士の仲が良かったのもあって幼少の頃からの親友だ。
二人で校門までの通路を歩いて居ると、クラスメイトに声をかけられる、要件は多岐にわたり、勉強会や遊びのお誘い、果てには助っ人の依頼など本当に様々だ、それらの返答を済ませ、また明日と挨拶を交わしていると、もう一人声をかけてくる。
「恵先輩、美月先輩…!」
声をかけてきたのは私達よりも一つ下の後輩。天童寺 彩華。
一糸乱れぬハーフアップの黒髪に、切れ長でどこか優しい黒い瞳と色白の肌、同じ制服を着ているはずなのに和を感じるほどの立ち姿は、同性の私でも美しさを感じる。
彼女は伝統を重んじる宗家の娘で、家同士の付き合いもあったため、美月と同じく幼少の頃から仲が良い。
「どうしたの?彩華さん」
「その…次の休みご予定がなければ…一緒に遊びに行きませんか…?」
人数分の遊園地のチケットで顔を隠しながら、チラッとこちらを見つつ確認をとってくる彩華。
「行きましょう、美月はどう?」
「うん、私もいきます」
「ありがとうございます!今週の土曜日よろしくお願いします!恵先輩、美月先輩!」
満面の笑みを浮かべその場を後にする彩華を見送り、再び歩き始めた。
そこからは特に何事もなく校門へ着き、既に到着した送迎車の前で待っていた、長年私達2人の送り迎えを担当する筆頭執事の柏樹 桂月さんと軽い挨拶を交わし、車へと乗り込んだ。
「お嬢様方、本日はどちらへ?」
送迎車に乗ってすぐ、運転を担当する桂月さんからの問いに、少し悩んでいると。
「恵、今日は何処へ行きますか?」
「う〜ん、美月が以前気になると言っていた映画を見に行きますか?」
美月はコクコクと頷いた。
「では、映画館までお願い出来ますか?」
「かしこまりました。ではそのように」
桂月さんがそう口にして、車は走り出した。
平和な車内、美月との談笑、平和な時間は過ぎ去っていく。
走り出してから10数分が経過し、まだ到着しない事と、周囲の景色で違和感を感じる。
森…?映画館へ行く道に森なんてなかったはず…。
それに、もう着いていてもおかしくないはず…。
この二つの疑問を晴らすため、恵は桂月さんに問いかける事にした。
「どうして森へ?」
そう聞くと、ゾッとする様な声色で。
「えぇ、こちらが近道なんですよ」
「そう、ですか…、ですがもう到着していてもいい時間のはずですが…?」
「ええ、先程まで渋滞に巻き込まれていましたので」
話しかけてみるも疑問は解消されず、それどころか桂月さんの声色で妙な恐怖心だけが募り、これ以上の会話は恐怖心を増長させるだけだと判断し、緊張を解すためにも会話を中断し、心を落ち着かせる事にした。
深呼吸を挟み呼吸を整え、温かいお茶を飲んで身体を温める。
そうして落ち着きを取り戻した恵は、桂月さんを認識から外すために美月へと話しかけた。
「ねぇ、美月」
話しかけても反応がなく、不思議に思い隣を見ると寝息を立て眠っていた。
「美月が眠るなんて珍しい…疲れていたのかな…」
そんな事を思いつつ眠った美月を見てると、急激な睡魔に襲われ、そのまま意識を手放した。
首に痛みを感じて目を開くと、真っ白な部屋だった。何かの影響か凄まじい不快感を覚えながらも、痛む頭とぼやける視界で辺りを見渡す。
「ここはどこ…?確か映画館にいく途中で…」
そこまで口にし、誘拐という二文字が脳裏を過ると同時に、車内での出来事を思い出した私は、猛烈に嫌な気配を感じ取り、すぐさま隣りの椅子に拘束されている、美月に声をかける。
「美月!起きて!今すぐここから逃げるよ!」
「んぅ…め…ぐみ?」
美月を起こし、どう脱出するか考えていると、部屋の奥から誰かの歩く音がした、少しずつ歩み寄ってくる足音に恐怖心を煽られながらも拘束を解こうとする二人。しかし無情にも靴音の主は二人の前に姿を現した。
「お嬢様方、お迎えに上がりました。」
聞き馴染みのある声にみつきはホッとしている様だった。でも私はその声を聞いて震えていた。
「恵お嬢様、どうされましたか?」
椅子からの拘束が解かれていく。
「いえ…なに、も」
そう言い返すと、愉しむかの様な声色で。
「なにも無いのに震えているのですか?」
「ええ…この状況ですので…。」
「私に怯えているようにとれますが?」
核心を付くような、そんな言葉に私は顔をあげ、桂月さんを見る。
「あ…なたは誰…?」
すると声の主人の手は止まり、表情が歪んだ。
「あら〜バレちゃった♡」
人の不安を煽るかのようなその笑顔に、私と美月は凍りつき、悲鳴を上げる。
その悲鳴を聞き更に笑う桂月さん、いや桂月桂月のようなナニかは、ニタニタと笑いながら首元に手を掛け、私たちのよく知るその顔を、勢いよく剥取った。
「ばぁ〜〜♡」
その下から現れる、夥しい血液に塗り固められた赤黒い顔と、刃物のように白く鋭利な眼差しは私達を芯から震えあがらせるのには十分だった。
「自己紹介がまだだったねぇ♡」
と得物を研ぎ始めるナニか。
「貴方の目的はなんですか!」
「ふくくくく…!」
「何がおかしいのですか!」
「いやはや失敬、目的、ですか…そうですねぇ…。新しい"私"に成ると言ったところでしょうか…。これまでの私は貴女達お二人の送り迎えなどを担当する執事という肩書きでした。がこれからはこうです、白鳴財閥のご令嬢白鳴 恵、もしくは黒姫財閥のご令嬢黒姫 美月、それがこれからの私の肩書きです。」
「どう言う…」
「何、簡単な事です、まずは貴女達二人が写った映像を両家に送り、身代金を用意させ準備の遅かった家の方を殺害します。そして、殺害した映像を両家に送り、その後でもう一人も殺し、後に殺した方の顔を剥ぎ、私がその者として成り替わり救出されるのです。そうすれば、私は"財閥令嬢"として新たに人生を歩めるのです、いずれは資産なども私の物になるでしょう?どうですか?完璧な計画でしょう?」
ツラツラと並び立てられる遂行できるはずもない計画、だけど一つだけわかる事は私の命もみつきの命もここまでだと言う事。
横を見やれば震えて泣く美月、私だって泣きたいけど、親友の命だけは助けたい。
犯人は私達の財産が目当てだと言うのなら交渉次第では美月は助かるかも…と淡い期待を込め、命乞いをしてみる事に。
「お金はいくらでも出します、私を殺したっていいです、だから…美月だけは…解放してください…」
今できる精一杯の懇願だったが、そんな命乞いを一蹴し、嗤う事をやめナニかは淡々と口を開く。
「ああ、お金は別にいりません、ただ人を殺せれば良いので。それに、彼女を解放すれば、私の正体がバレてしまうではありませんか、やれやれ…頭がいいと言っても所詮は学生か。」
「ですが!」と恵は尚も食い下がろうとする
「騒がしい口ですねぇ?車の中ではあんなにも大人しかったのに、少し計画とは狂ってしまいますが、貴女が守ろうとする、そちらで泣くだけの女から殺すとしましょう。貴女の様な気の強い女性は嫌いではない、今からその皮を剥ぐのが楽しみです。ふふ、どんな声を、顔を見せてくれるかな?♡」
何を言っても変わらない窮地、それどころか状況を悪化させてしまった。
「ほら君達の両家に写真を送るからねぇ〜♡
ほら怖かって〜、はい、チーズ!」
「じゃあ、美月ちゃ〜ん拷問の時間だよぉ?♡」
「やだ…やめて…来ないで!!!!」
これからの自分を予想した美月が恐怖に顔を歪ませ泣き叫ぶ、何も出来ない恵はただ天に祈る事しか出来なかった。
(どうか…美月だけは助けてください…)
とその時だった。
突如として地面が発光し、幾重にも重なった円環が浮かび上がる。
「何をした!」と叫ぶ、ナニかを他所に、眩い光に包まれた恵は、美月に手を伸ばしそのまま光に飲み込まれていった。
後に残ったのは、真っ白な部屋と椅子だけだった。
お読みいただきありがとうございます。
変なところいっぱいあると思いますので、そのうち手直しとかしたいと思います。




