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63話

「じゃあさっさと体洗って上がるぞ」



バシャーーーン…


拓哉が勢いよく立ち上がった。



「おい!散るって!」



俺が拓哉に視線を向けようとした瞬間、塁に顔をホールドされて視界は塁だけになった。



「ん?塁?どうした?」

「なんでもない」

「……へ?」

「だから……なんでもない」



意味がわからない。



「拓哉、前くらい隠せ」



蓮の言葉を聞いて理解した。


塁……可愛い。



「でも何で俺だけ?蓮はOKなん?」

「蓮は…まぁ男だし」

「俺も男なんだけど」

「尚は俺と一緒かなって」

「塁と一緒?」



同じ男でも違いがあるのか?



「愛されるってゆうか受け止めるってゆうか」

「…ん?全然意味わかんないんだけど」

「DVD拓哉から借りたんじゃないの?観てない?」

「観てないけどっ」

「あっ拓哉、尚に変なの貸すなよ」



蓮が拓哉を睨む。



「尚が勉強したいってゆうから」

「は?尚が?」

「違う違う!塁が勉強しろって!」

「俺!?俺…か?」

「でも普通のやつだったし観てもあんまり参考になんなかったかもな!しかもバレるとかっ」

「仕方ないだろ急に来たし」

「急に来られたら困る物持ってる方が悪い」



蓮に睨まれた。


睨んだ顔までカッコよく見える俺は重症です。



「ってかお前ら距離近すぎ、塁こっち」

「はいはい、俺もう上がる」



塁は立ち上がり脱衣所に向かった。



「俺も行くから待って」



拓哉が急いで体を洗い脱衣所に向かう。



「なんだかんだ仲良いよね」

「そうだな」



蓮に視線を移すとバッチリ目が合った。


2人きりだった時の事を思い出す。


思い出すだけで全身の血が沸く感じがした。


…続き………あるかな……………


期待してしまう。



「蓮っ」

「俺らものぼせたらダメだから上がるか」

「えっあっうん」



蓮は続きしたいとか思わないんだ。


もしかしてあの場の雰囲気に流された的な?


そもそも好きとか言い合ったわけじゃないけど嫉妬したって事は多少なりと俺の事好きだよね?



「蓮」

「ん?」



立ち上がろうとする蓮を呼び止める。



「んーーーー」



目を閉じてキスを待つ俺。



「のぼせて立てないって?」

「えっ違っ」



蓮にお姫様抱っこをされた俺。



「違う違う!重いだろ降ろせって!」

「全然軽いから大丈夫」



なぜかそのまま脱衣所まで連れて行かれて塁と拓哉から冷やかな目で見られた。

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