61話
「蓮」
「なに」
「名前呼んで」
「………尚」
「もっと」
「…可愛すぎ」
名前を呼ばれるだけで心臓が苦しい。
「もっと蓮が欲しい」
蓮をもっと感じたい。
ガチャ……バタン…タタタタタタタタ…
………へ?誰か入ってきた?
曇りガラスに数人の人影が見えた。
「蓮、誰か入ってくる」
蓮が隣に移動する。
なんて星が綺麗なんだ!月も綺麗だし!流れ星でも流れないかな!露天風呂は最高だな!
必死で関係ない事を考えて下半身を収める。
「綺麗だな星」
蓮も同じ事を考えてるのか?
って事は蓮も勃ってたって事?
そうだったら嬉しいな。
「あの星なんか1番の輝きっ」
ガラガラガラ…ペチャペチャペチャペチャ…
誰かが小走りで入ってきた。
「ごめんねえ〜2人きりのお風呂邪魔しちゃってぇ〜」
拓哉か!クソが!タイミング考えろよ!
ペチャ…ペチャ…ペチャ…ペチャ…
「拓哉にやめろって言ったんだけどごめん」
塁………お前もか!!
「誰かと思ったら拓哉と塁か」
何でそんな普通に会話できるんすか蓮さん!
「あれ?いい感じかと思ったけど普通だな」
拓哉くん顔面1発殴らせろ。
「見てわかるだろ普通だよ!!」
「尚ブチ切れじゃん!」
「切れてねぇから!!」
「ん?ん?なんか尚顔赤くない?」
「風呂入ってんだから当たり前だろ!!」
拓哉が俺の顔をジッと観察する。
「あらぁ〜お邪魔だったかしらぁ〜」
「そうだな!うっせぇ奴が来たからゆっくり露天風呂を満喫する事もできねぇよ!」
「ごめんね尚」
「塁は許す」
「俺は?」
「お前は1発殴らせろ」
「何で俺だけ!?」
「ってゆうかさっき風呂入ったばっかだよね」
………………シーン……
蓮の発言を聞いて全員が黙った。
「汗かいたから」
塁が気まずそうに答えた。
「汗?筋トレでもした?」
蓮って時々KYな発言するよな。
たぶん筋トレじゃない気がするんだけど。
「筋トレみたいなもんだな!愛ある筋トレ!」
拓哉が嬉しそうに塁を見ながら言った。
ほら、ってか愛ある筋トレってなんだよ。
「もしかして隼人さんの筋トレ?」
蓮はアホや。
「違う違う!もっと愛ある筋トレ!」
「違う筋トレ?それも筋肉に直接効くやつ?」
なぜわからん!俺でもわかるぞ!
「俺も筋トレ始めようかな」
「えーー筋トレしてたんじゃないのー」
「全然、柔道やっ」
「違う違う風呂で」
「風呂で?」
「愛ある筋トレ」
全てを悟ったような顔をした蓮。




