七日前
まずこの作品に目を止めてもらい、読んでいただきありがとうございます!!
下手くそで拙い文章ですが、皆様が楽しんで読んで頂けるよう日々成長して書いていくので、是非よろしくお願いします!!
優実は机へ突っ伏したまま、死んだ魚みたいな目をしていた。
「終わった...」
「何が?」
隣の席でスマホをいじっていた智香が笑いながら聞き返す。
「数学」
「それは元から終わってるじゃん」
「ひど〜」
優実が顔を上げると、智香は短めの髪を揺らしながら、楽しそうに笑っている。
智香は昔から人懐っこくて、よく笑って、遠慮なくズバズバ言う、そんな感じの子だった。
でも、そんな智香が一緒にいると不思議と優実は居心地が良かった。
「まさみん絶対補習じゃん」
「ともちゃんも道連れになろうよ」
「私はちゃんとやったし〜」
「裏切り者め」
そんなくだらないやり取りをしながら、優実は鞄へ教科書を突っ込む。
その時だった。
「そういえばさ」
智香がスマホを見たまま、ふと思い出したように口を開く。
「“貞美様”って知ってる?」
「え…何それ?」
優実はその名前だけでも、妙に背筋が冷え、顔をしかめる。
智香はニヤニヤしながらスマホ画面を向けてくると、そこには、黒い背景の不気味なアプリ画面が映っている。
《貞美様》
白い文字だけが、じっとこちらを見ているみたいだった。
「最近流行りだしてる呪いのアプリでさ、入れたら七日後に死ぬんだって」
「はいはい都市伝説ね」
優実は呆れたように返すが、智香は楽しそうに笑ったまま続けた。
「ちなみに私、もう三日前に入れてる」
「は?」
「だからあと四日〜」
その瞬間、ピコンと突然通知音が鳴り、智香が「あ、来た」と笑いながら画面を見る。
「ほらほら!」
智香はスマホを優実へ見せると、画面には
《あと四日》
そう表示されていた。
「うわ、普通に気持ち悪」
優実は思わず顔をしかめるが、智香は楽しそうに肩を揺らした。
「まさみん怖がりすぎ〜」
「いやいや、怖いでしょ普通」
「でも今んとこ本当何もないよ?」
智香が笑いながら画面を閉じようとしたその時、一瞬だけ智香の表情が止まった。
「あれ?」
「ん?」
「いや、なんか今変なノイズ鳴った気がした」
「やめてよそういうの」
優実が嫌そうに返すと、智香はすぐ笑って
「冗談冗談」
とふざけて返すが、その時だけだった。
智香の目が少しだけ、不安そうに揺れたのは。
◇◇◇
夜になると、優実はベッドへ寝転がりながらスマホを眺めていた。
部屋の電気は消えていて、薄暗い空間の中、スマホの明かりだけが顔を照らしている。
画面には、“貞美様”についての投稿が大量に流れていた。
『七日後に死ぬ』
『夢に出る』
『消したら逆に来る』
『見つかる』
どれも胡散臭いものばかりなのに、見れば見るほど、妙に不安になる。
「何見てんだろ私」
優実はため息を吐きながら画面を閉じた、その直後だった。
広告も出ていない画面に、突然黒いアプリが表示される。
《貞美様》
「え?」
見覚えのある画面に、気づけば指が止まっていた。
ただの都市伝説、そう思っているのに、画面から目が離せない。
優実は小さく息を吐くと、
「どうせ何も起きないし」
そう呟いて、インストールボタンを押した。
次の瞬間、画面が真っ黒に染まり、ピシッ――とノイズが走ると、ゆっくり文字が浮かび上がる。
《インストール完了》
その文字を見た瞬間、背筋に嫌な寒気が走る。
だが、それだけで、何も起きない。
「え?」
優実は数秒待った後、力が抜けたように笑う。
「なにこれ、びっくりしたぁ」
そのままスマホを置き、ベッドへ倒れ込む。
“きっとただの悪趣味なアプリだ“
そう思いながら、優実はゆっくり目を閉じた。
◇◇◇
それから数日後、優実は教室でスマホを見ながら首を傾げていた。
「ともちゃん今日休みかぁ」
送ったメッセージに既読がつかず、通話も出ない。
最初はただのサボりかと思っていたが、一切連絡がないのに違和感を覚える。
「風邪かな」
そう呟いた瞬間にスマホが震え、表示された名前に、優実は少し驚いた。
『智香ママ』
「え?」
嫌な予感がする中、優実はゆっくり通話へ出る。
「もしもし?」
『優実ちゃん!?』
焦ったような声だった。
『智香、そっち行ってない!?』
「え?」
『昨日から帰ってないの!電話も繋がらなくて!』
脳裏に浮かんだ。
《貞美様》
あのアプリの通知と、あの笑顔がやけに鮮明で、優実の喉が小さく鳴った。
「ともちゃん?」
返事はないまま、通話が終わり、その後も優実はしばらく動けなかった。
嫌な汗が背中を伝っていくのがわかる。
そんなわけない、あれはただのアプリだ。
そう思いたいのに、心臓だけが嫌なほど速く脈打っていた。
◇◇◇
その日の夜の事。
優実は眠れないまま、暗い部屋でスマホを握って、智香へ何度も何度も連絡をするが、返事はない。
SNSの更新も止まったままで、最後の投稿だけが、画面に残っていた。
『どうしよう』
一言書かれたその投稿を見つめているだけなのに、妙に怖かった。
その時、突然スマホ画面へノイズが走り、優実が身体を震わせた次の瞬間。
パシャッ。
耳元で携帯のシャッター音が鳴った。
誰も撮っていないのに通知バーには、
《画像を保存しました》
そう表示されているのを見て、嫌な汗がどんどん流れてくる。
震える指で、優実はフォルダを開くと、そこに保存されていたのは、一枚の写真。
暗闇の中にぽつりと存在する古びた井戸がぼやけて写っていて、井戸の奥だけが異様に黒かった。
その直後、再びシャッター音と共に通知音が鳴り、保存された二枚目の写真。
今度は、薄暗い部屋に、壁一面に、子供が描いたみたいな絵が並んでいる。
赤黒い色に、歪な顔、ぐちゃぐちゃに塗り潰された何かがまるで、指で直接描き殴ったみたいな絵だった。
その時よく写真を見ると、写真の端に、長い黒髪が映っていることに気づく。
ゾワリと全身が粟立ち、優実は反射的にスマホを伏せていた。
呼吸が浅くなり、心臓がやけにうるさい。
怖いのに、頭から離れず、優実は震える手で布団を被る。
だが、その夜優実は初めて夢を見ることになる。
どこまでも暗い場所の奥で、女の子が座っていた。
長い黒髪に小さな背中、何かを必死に壁に描いている。
グチャ、グチャ、と嫌な音だけが響く中、女の子が、ゆっくりこちらを見る。
顔は見えない、でも泣いている気がした。
その時、小さな声で
「ごめんなさい」
と聞こえた途端、優実は大きく目を開いた。
「はぁっ!」
飛び起きた瞬間、全身が汗で濡れていることに気づく。
荒い呼吸のまま、優実は震える手でスマホを見る。
画面には
《あと三日》
そう表示されていた。
まず最初に改めて手に取り作品を読んでいただきありがとうございます!
大好きな某ホラーのキャラクターをもじらせてもらって、描いていくこの物語をどうか面白いと思ってもらえたら次も読み進めてみて欲しいです!!
これからもよろしくお願いします!




