2-23ゲーム目 見える勝ち筋
頭を整理したところ、今のままでは倒せないということがわかった。
では、ここから逃げることが可能なのか?
まあ、これまでのことを考えると無理だろう。
こういう初見殺しは本当を言ってしまえばやめてほしいことだし、これがゲームであるのであれば笑い話だが、今回に限っていえば、かなりの悪質性がある。
どうせ都市へ入ろうとすれば、あのときあったような壁が存在していることになるというのは、想像できた。
とはいえ、このままとなれば違う意味で殺されるなんてこともあり得そうだ。
まずは攻撃してみるか?
いや、結局コカトリスに石化させられれば、意味がないか……
やっぱり詰んでいるよな。
「亜紀なら、あの体なんとかできるか?」
「体?岩ってこと?」
「岩だな」
「できるわけないでしょ、普通に弾かれて終わるだけじゃないの?」
「だよな」
予想通りの言葉を返されて、俺はさらに悩む。
岩の体を破壊するために必要なことなどと言われても思いつくことはないからだ。
魔法を使うという手もあるだろうが、かなりの威力がなければ倒すことは難しいということは、ロックキメラの原型を作ったのは俺なので、わかっている。
手持ちの魔石を使ったところで、そこまで強い魔法が使えるとは考えられない。
考えているうちにわからなくなってきた俺は、どうするべきかわからなくなる。
亜紀は、俺が何か答えにつまっているということがわかったのだろう、声をかけてくる。
「いい方法あった?」
「いや、思いつかない」
嘘をついても仕方ない。
それをわかっていた俺は、そう答える。
亜紀はやれやれといった感じで肩をすくめると、かぎ爪を装備すると、向かっていく。
攻撃を仕掛けるから、どうなるのか見ておけということだろう。
俺が武器などを作っている間に、作っていたスキル。
”クロウエア”高速でかぎ爪を振るうことによって、斬撃のようなものを飛ばせるものだ。
前のよりも強力であり、さらには自分次第で連続で繰り出すことができるこの技は、前に使っていたスキルよりも強化されている。
見えないが、空を切り裂くようにして向かっていく斬撃は、ロックキメラに当たる。
予想はしていたことだが、斬撃は岩によって、弾かれてしまう。
そして、それと同時にこの戦闘が始まる。
一応はこれまでよりもNPCは戦闘を積極的に手伝ってくれるようで、盾を構えて近くにいてくれたりするし、弓矢などの飛び道具で攻撃もしてくれる。
弓矢に関してはダメージが通っているようには感じないが……
ガンガンという音が聞こえるほどに攻撃を繰り返しているが、岩は壊れる気がしない。
やはり普通の方法では壊れないということだろう。
攻撃を防いでいるというかダメージが通ることがないロックキメラは、コカトリスの頭を亜紀へと向ける。
亜紀も反応して、斬撃をコカトリスの頭に向けて放つが、ロックキメラは怯むこともなく石化の息を亜紀へめがけて放ってくる。
広範囲攻撃であり、あれを少しでも体に浴びてしまうと、体が石化してしまうというものだ。
「ちょっと、遊夜!」
「わかってる」
悩んでいる暇はない。
あの息をなんとかしないことには、攻略することもできない。
やれることといえば、風魔法くらいだろうが、作っている時間もない。
となれば……
「貸してくれ!」
「あ、ああ……」
驚いているNPCから盾をひったくり、その盾をコカトリスの頭に向けて投げる
ロックキメラの攻撃を防いだことからわかる通り、盾はかなり大きい。
初めてやったことにはなるが、コカトリスにはうまく飛んでいったようで、勢いよく飛んでいき空を切る。
それによって、コカトリスの息に関してはなんとか弾くような形になる。
弾いたタイミングで、NPCたちの攻撃が繰り出される。
「火矢を放て!」
そんな言葉によって、飛んでいく火矢。
なんとなくゲームでも見たことがあるなあ……
しみじみとそう考えていたときに、それは起こる。
火矢がコカトリスが放った息に触れたとき、大きな爆発をおこした。
「なんだと!」
「これって!」
俺たちは慌てて離れながらも、その熱気を感じたような気がする。
どう考えてこれはコカトリスの放った息による、粉塵爆発だろう。
かなりの威力のこれは、予想外ではあったが、かなりの威力だ。
これで、ロックキメラはかなりのダメージが入っただろう。
俺はたちはそう思った。
だけど、爆発の煙が収まったときにそれはわかる。
「嘘だろ……」
ダメージが通っていないのか、岩は確かに黒くなってはいたが、それだけだった。
どうすればいいんだ?
そんなときに、どこからか何かが飛んできたと同時に黒くなった岩に当たる。
ジュッと音がなったことから、水か何かなのかはわかるが、それが当たることによって、岩はバキッと音が鳴り割れたのだ。
そこで気づく。
もしかして、高温で焼かれた後に水か何かで冷やされたことで、もろくなったということなのだろうか?
だとすれば……
「亜紀!」
「しょうがないわね」
何かを思いついたということをわかってくれたのだろう。
亜紀はそう言って、さらに攻撃をしてくれる。
先ほどの息をさらに広範囲で、まかれてしまえばこちらは終わりだ。
わかっているからこそ、俺は急ぐのだった。
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