↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/64

00044CJBTS「事情聴取(一)」

 月曜の学校。


 大月は休み。

 本当に死んだのか?

 金曜も休んでいたから、確定ではない。


 この日は津秋が俺のことをチラチラと見てきていた。

 目が合うというより、やたらに視線を感じた。


 授業中、俺は指を組んで考えごとをしていた。


 大月を殺したとして、

 ここまで手を染めてしまったんだ。

 一人殺ったら二人も変わらない。

 どうせなら、……最後まで殺りきろう。


 川辺も殺さないといけない。


 チラリと川辺を見てみる。

 川辺は頬づえをついて脳天気にも、うとうとしている。


 問題は、いつ、どう殺すか……。



 放課後、ジョーカーのもとに行こうと屋上への階段を登りかけ、

 その先から話し声が聞こえて立ち止まった。


「いやあ、参りましたねえ。

 フェンスも壊されていたし、

 鍵も空けっぱなしだったみたいで」


「生徒のイタズラでしょうね。

 でも何か問題が起こる前に気が付けて良かったです」


 施錠する音が聞こえて、男女の先生が屋上の階段から降りてくる。

 俺はそれをやり過ごした。


 屋上のことはバレてしまったらしい。

 これでは迂闊(うかつ)に影世に行けない。


 廊下を行ったり来たりして、教室に戻って、

 良い飛び降り場所がないかを探した。


 なかなか良い場所が見つからない。


 そこで、一箇所だけ良さそうな建物を見つけた。

 向こうは琥太朗の家のすぐ近くだった。


 緑の多い林の中に隠れている、コンクリート製の建物。

 あの建物なら高さもあるし、ちょうど良さそうだ。



 教室から飛び出て、急いで階段を降りた。

 その途中、踊り場の窓から男が二人、校舎に向かって歩いてきているのが見えた。


 あれは、……警察官だ。

 立ち止まり目を凝らして見ると、よく知った男たちだった。


 若い男と、年のいった男。

 俺がライフル銃を持って帰ってるときに職務質問してきた二人だった。


 何の用だろう。

 近づきたくない。


 いや、まさか……?

 ――大月の件か。



 俺は廊下を走って、

 二人がどこに向かってるのかを探った。


 職員室だ。

 二人は職員室の中に入って行く。


 俺は更に近づいて、

 しゃがみ、職員室に聞き耳を立てる。



 若い警察官の声が聞こえた。

「ええ、残念ですけど、お電話でお話した通りです。

 それで先生、こちらが津秋さんですか?」


 先生の声は小さく聞き取れないが、

 中には津秋もいるらしい。


「ごめんね、ショックだと思うんだけど、

 少しだけ話を聞かせてもらっても良いかな?」


 俺はごくりと唾を飲み込んだ。

 大月は本当に死んだのか。


「それでは先生、帰りにまた寄りますので。

 さ、津秋さん。応接室に」


 そのとき、ガラリと職員室の扉が開いた。

 俺は驚いて、尻餅をついた。


 おじさんの警察官の顔が真正面にある。


 若い警察官、おじさん、先生、津秋、

 全員が驚いて俺のことを見てきていた。


「木場、お前、何してるんだ?」

 と、先生。


「い、いや、警察が来てたから、……何だろうと思って」

 驚きのあまり、あやうく過呼吸になるところだった。


「さっさと帰りなさい。暗くなる前に」


「は、はい」

 と、すぐさま立ち去ろうとすると、

 若い警察官が引き止めてきた。


「君、たしか一度会ったことがあるよね」


 顔を覚えられていたらしい。


「名前はたしか……」


「木場純一です」


「うん。ここの学校の生徒だったんだね」


「何年だ?」

 おじさんの警察官が割って入った。


「二年です」


「組は?」


「Aです」


「じゃあ大月と同じクラスだな」


 おじさんはそう言うと、若い方を軽く見る。

 そして、

「大月は死んだ。殺されたんだ」


 じっと俺の目を見つめて言ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。