00037CISBJDT「完全犯罪(一)」
そして日曜日。
大月を殺害する日がやって来た。
朝早く、予定通りに学生服に着替える。
カバンの中に月曜の準備をしておいた。
あまり、よく眠れなかった。
手が少し震えている。
テストの直前にいつも感じるように、胸が冷たい。
心臓が握られてるような。嫌な感覚だ。
ドキドキする。
妹の部屋を覗いてみた。
まだ、すやすやと眠っていた。
黙って家を出て、学校に向かった。
周りの人に顔を覚えられないように行動した。
交番のある道は、遠回りして避ける。
あの日みたいに、警察に出くわしたくなかったから。
電車を降りて学校に向かう途中、
チラリと琥太朗の家がある方を見た。
約束は17時にしてる。
朝早くからだから、きっと間に合う。
体が強張るから、
他のことを考えようと、津秋のことを思い出した。
エロ本は影世に隠してる。
鮮明に思い出せた。
津秋の顔と、体の曲線。
姿見鏡を見たとき、忘れないよう目に焼き付けていた。
途中、コンビニで朝ご飯を買って食べ、
学校に着くと、屋上にのぼる。
人に見つからないよう特に注意した。
引っかき傷のように、大きく穴の開いたフェンス。
まだ誰も気づいてない。修理されていなかった。
屋上自体、そもそも誰も来ないのだろう。
だが念のため、屋上以外の場所も探しといたほうがいい。
何かでここから飛び降りられなくなった時のために。
大月の件が終われば場所だけでも探そう。
緊張する。
――そして、……影世に渡った。
既にジョーカーとデュースが待機していた。
ジョーカーの狐の面。
いつもと違う。素材が違った。
骨で作られてるみたい。
まるでこれから狩りに行くような面だった。
「緊張してるか?」
と、ジョーカーは言う。
「少しな」
本当は、少しじゃない。
風呂場に連れてかれて、津秋の姿にしてもらった。
凄くエロいんだけど、それどころではなかった。
女物の服を着て変装を完了させる。
スカートで足のあたりがすーすーする。
変な感じだった。
小屋に戻り、ライフル銃とナイフを取りだした。
どちらも沢山作ってる。
ライフルは一丁。
ナイフは二種類手に取る。
一番切れ味の良い大きなのと、小型のナイフ。
弾は装填済み。
一人殺すだけだから、沢山持ってっても仕方がない。
小型のナイフはスカートのポケットに。
大型の方はスカートの後ろに差し込んだ。
ライフルは手に。
一見してわからないよう、布に包んでおく。
使うときに取り出して撃てばいい。
戦闘準備、……完了だ。
ジョーカーに頷いて、影世の大月のもとへと向かった。
いよいよだ。




