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うっかり短編と連載間違えたからもういっそここを怪文書製造室とする  作者: あらまき


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2/2

バスケ部員が「明日ホームラン打ったら付き合ってくれ」って言ってきた


 何それ?

 遠回しな嫌味?


 当然だけど、野球もベースボールもソフトボールもないし、何ならキックベースの予定もない。

 というか、バスケの大会の予定もない。


 何あいつ。

 私に恨みでもあるの?


 そりゃあ、たまに人体実験に使ってるよ?

 恥ずかしながら裸の付き合いで、あいつの身体なら、骨のズレから頭蓋骨の形まで知ってるつもりだとも。


 それでも、そんな嫌味を言うのは無礼ではないだろうか。

 親しき仲にも礼儀ありというものだ。


 確かに非道な実験かもしれないけど、ちゃんと全身改造してあげてるわけだし。

 むしろあいつは改造されたことをもっと喜ぶべきなんだ。

 これでも私はミスターダイジョ〇ブ博士と呼ばれたこともあるのだから。


 それに、私はそんじょそこらのマッドサイエンティストと違い、ちゃんと相手のことを考えて改造しているとも。


 腕は、どこからでもスリーポイントが入る精密動作可能な機械腕を。

 代わりに手がCの形になってるけど、些細な問題だろう。


 スピードとシュートの能力を高めるため、足にブーストを仕込み、高速ダッシュと大ジャンプを可能に。

 ぶつかったら相手が粉々になるという優れものだ。


 そう……ちゃんと彼が好きだったバスケ漫画を元に改造してあげたのだ。

 なんて私は彼想いなのだろうか。


 脳を改造し瞬発力を得て、同時に背骨を伸ばし、ゴール下を支配。


 カメラアイと機械補助脳を追加し、未来予知。


 更にカメラアイの撮影機能を使い、相手の動きを完全模倣まで可能。


 五つすべてを再現。

 良いインスピレーションを得られた。

 大天才の我ながら会心の出来だったという自負に溢れるよ。


 本当はちゃんと六人目の能力まで用意しようと思ったのだが……私の力不足だ。


 不思議なことに、全身可変サイボーグというだけで、皆、彼へ異常なほど注目するからね。

 ちょっと機械音とガソリン臭いのとチェレンコフ光に溢れているだけだというのに。


 まったく……この国は未熟だ。

 こんなに差別主義者が蔓延っているのだから。

 やれやれ……。


 やはり、愚かなサル共を私が導かねばならないようだ。


 完全なるAIを用い、規律と規則を徹底。

 違反者には感情を捨てた機械人間兵にて制圧。


 きっと美しい秩序の国が出来上がるだろう。

 想像するだけでニューロンが焼ききれてしまいそうだ。


 ……まあ、そんな夢のある未来の話はあとにしよう。


 今は無礼な彼の話なのだから。


 そもそも、〇〇(まるまる)したら付き合ってくれなんて言葉自体が失礼なんだ。

 何故、余計な荷物を付ける。


 Loaded Questionのつもりなのかい?

 まったくもって馬鹿馬鹿しい。


 きちんと彼が誠意を持って「どんな実験でも受けさせてください」というのなら、私だって喜んで受けたというのに……。

 え? そうじゃない?


 ……すべてを使い相手を改造するのは、究極の愛の行為ではないだろうか?

 私だって、彼のことを憎からず思っているからこその改造を施したわけだしな。


 誰だって改造するようなふしだらではないぞ私は。


 ふむ?

 私の性別が男?

 それは……この話に、何か関係あるのか?


 それとも同性愛は不純などという妄言を吐くのかい?

 それこそナンセンスだ。

 そもそも、恋愛行為そのものが不純であろう?


 真に純愛ならば、他者へ自らを差し出すことこそが最終到達点!

 やはり人体実験と改造こそが、究極の愛のテーマではないだろうか?


 え? 何か忘れている?


 いや、私のような天才が忘れ物など……言動ロック?


 ああ、確かに施したつもりだが……別にそんなこと関係ないだろう。

 確かに、私に対し敵対する言葉を吐けば、スポーツ用語に変換されるようになっているが……それがどうかしたのかい?


 彼が私に敵対的な言葉を吐くなんて、ありえないことだから気にしたこともないな。

 ふむ? そうだな……もし君の言う通り、違う愛があるのだとしたら、それは素敵なことだろう。

 

 まあ、私にはそれを理解することなど出来ないだろうがね。




 そして、一発の銃弾が放たれる。

 宣言通り、その銃弾の意味を理解することはなかった。



『』

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