表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/115

ちょっとした一息

本日の投稿はここまでです。

「おおお…ココロって料理出来たんだ?」



 どうもパトラさんの歓迎の為に晩御飯を作っている僕です。


 何故か【直感】さんがかなり多めに、出来れば酒も用意した方がいいと伝えて来たのでココロに手伝ってもらっているんですが、料理をした事が無いはずなのにココロの手捌きは高速ながら正確無比に動き、僕以上の技量でテキパキと食材の下処理をしていってくれるので滅茶苦茶助かってます。


 ちなみに白雪はテーブルのメイキングとリビングの模様替えをしてくれてます。



「いや、データバンクに保存されている料理の項目にアクセスして最適な動きと処理方法をトレースしているだけだ」


「…もう何でもありだね?」


「そうか?データでは味のパラメーターが分かっても舌で感じる味は分からない。音だって実際の耳で聞くのとスピーカー越しで聞くのじゃ違いが出る。マスターが思う程何でもありという訳では無いと思うが?」


「人間は覚えたり技術を磨いたりする過程の時間があるからねー。見ただけでその過程の時間をすっ飛ばして技術を再現出来るのは凄い事だよ」


「そういうものか」


「そういうものだね」



 次々出来上がっていく下処理済みの食材を煮て、焼いて、炒めて、蒸してと味付けしながら完成に近づけながら問う。



「じゃあさ、そのデータバンクにお酒の作り方だったり僕が作れない料理のレシピとかあったりする?」


「マスターがどの料理が作れないか分からないから何とも言えないが、酒であれば……醸造酒、蒸留酒、混成酒、どれもレシピはあるな」


「マジか…そのデータバンクって僕じゃ閲覧出来ない?」


「私が権限を付与すればデバイスで見れる様になるが、権限付与はもう一つの家の方じゃないと出来ないな」


「じゃあそん時にしてもらっていい?白雪のも」


「ああ、分かった」



 神代の時代(ヒストリア)で培われた膨大な情報を閲覧出来る…これで作り方が分からない調味料や料理のレシピが分かる事はもちろん、電化製品の構造や科学技術の情報も分かる。



(その知識さえあれば魔法と科学を融合させる事も出来るし更なる発展も望めるけど…ちゃんと自重しないとね)



 発展し過ぎた科学が齎す影響は良くも悪くも絶大だ。


 誰もが何処にいても誰かとタイムラグ無しにやり取り出来てしまえば世界の在り方が変わるし、銃なんかがただの一般兵に支給されれば一騎当千や魔法を主体とした誰々が居るから手を出せないという抑止力と牽制の戦争ではなく、誰でもそれ相応の成果を出せる、簡単に戦争を仕掛けられる血みどろの時代になってしまう。


 だから科学技術を再現するにしても人死にを出さない物や環境を壊さない物に限定した方がいい。



「…あ、そういえば気になったんだけどさ」


「…?何だ?」


「ココロが居た第六戦略兵器格納庫以外にもまだ可動、もしくは休眠状態になっている施設とかはあるの?」



 何気なく気になった事を問うとココロは使い終わった調理器具を洗う手を止める。



「……データベースから検索してみたがこの周辺には一つもないな。何より私が作られた時代の地理情報と今の時代の地理情報が全く一致しないし、衛星情報から大陸を見ても形そのものが変わっているから詳細な位置が割り出せない」


「まぁ、四、五万年も経てば変わるか…もしココロみたいな子がまだ居るなら起こしてあげようかなーって思ったんだけどね」


「データベース上には私の様な個体の情報が見当たらないから他にも居るかは分からないが…まぁ、私自身もデータベースに登録されていない個体だからな、居るかも知れないな」


「ふーん…じゃあ、ココロの兄弟姉妹が居る可能性はゼロじゃないのか。だったら探しに行くのもいいかもね?」


「兄弟姉妹…か…」


「本当の兄弟姉妹って訳じゃ無いけど、僕とココロみたいな関係になるかも知れないしね」


「ふむ…」



 僕の言葉に深く考え込むココロ。


 料理も洗い物も終えて料理も終えた僕がそんなココロに笑みを向けていると部屋にベルの音が鳴り響く。



「マスター、来客です。私が出ますか?」


「ん、お願いしていい?」


「分かりました」



 リビングの模様替えを終えた白雪に対応を任せ、直立したまま考え事をするココロをソファーに座らせ食器を用意していると───



「マスター、パトラさんとリベーラ様がお見えになりました」


「ん?リベーラさんも?」



 リビングに戻って来た白雪の後ろには少し申し訳なさそうな表情を浮かべているパトラさんと、何だか考え事をしているリベーラさんが居た。



「パトラさんお帰りなさい。リベーラさんも誘ったんですか?」


「あー…リベーラは誘ったんだが…」



 そう言って髪を乱暴に混ぜるパトラさん。



「なんつーか…一応こっちに来たからジゼルんとこに顔出したわけよ。したらネロが偶々用事で来てよ…ネロが勝手にシオンの飯を食いてぇとかなんとか言ってジゼルとミミ、フォリアまで連れて来る事になっちまったんだが…」



 あー…だから【直感】さんが反応した訳ね。



「そうですか。なんかそんな事になりそうな気がしたのでたくさん作っときましたし、お酒とかも色々用意しておきましたよ」


「…マジかよ?」


「マジです」


「お前…未来でも見えてんのか?」


「【直感】の才能のおかげですね」



 ビックリを通り越してドン引きするパトラさん…本当に【直感】さん様様だ。



「…余り何でもかんでもいいと受け入れていたら後々大変な事になるぞ?」


「まぁ、流石に無理な事は無理って断るのでそこは心配しないでください。誰にでもこうするって訳じゃ無いですし、気を許してる相手だけですよ。それに…どう考えても礼儀を欠く様な人達じゃ無いですから」


「…そうか、ちゃんと考えてるならいいさ」



 ニッコリ笑みを浮かべてリベーラさんの心配に答えればリベーラさんも小さく溜息を吐くだけでそれ以上は何も言わない。



「結局ネロの言う通りになっちまったのは癪だが…それよりシオン、そいつは?」


「シオンの服を着ているみたいだが…?」



 僕の事が一段落すればパトラさんとリベーラさんの視線はソファーで考え事をしているココロに注がれる。


 避けては通れない問い…一応パトラさんが来る前に軽い自己紹介というか設定の様なものは考えてある。



「ああ、紹介しますね。彼女の名前はココロ・シノノメ。ココロは稀有な魔法を使う魔道具技師で僕の魔導義肢や魔道列車の構想に感銘を受けてくれて僕の構想を実現させる助手になってくれた人です。前々から話を進めていたんですが、僕の専属魔道具技師として魔道具の製作に専念する為に今日から住み込みで一緒に暮らす事になったんですよ」


「はっ?住み込み?」

「一緒に暮らす!?」



 考え事をしていたココロも自分の話をしていると気付いたのかソファーから立ち上がり驚いているパトラさんとリベーラさんの前に立つ。



「ココロ・シノノメだ。マスター、この人達は?」


「「マスター…?」」


「僕に武術を教えてくれてるパトラ・メイガスさんと僕の母親のリベーラ・ラザマンドさんだよ」


「…ん?確かマスターは孤児で親は居ないと言わなかったか?」



 ココロの問いに何故かリベーラさんがビクリと震える。


 …?何かあったのかな?



「本当の親は居ないけどリベーラさんに養子として拾われたから僕の母親代わりなんだよ」


「なるほど、そう言う事か。パトラ・メイガス、リベーラ・ラザマンド、これから顔を合わせる事になると思うからよろしく頼む」


「お、おう…」


「あ、ああ…」



 簡単に自己紹介を終えるとココロは理解が追いついていない二人を無視してソファーに座り考えに耽る。



「…挨拶したらそれで終わりかよ?本当に技術者ってマイペースだな…」


「ど、どういう事だシオン…一緒に住むだと…?それにシオンの事をマスターと言っていたが…」


「…?何かマズいですか?」



 食らえ、満面の笑みアタック。



「マズいに決まってるだろう!?」



 チッ、ダメか…。



「どうマズいんです?」


「どうマズいって…シオンはまだ未成年だ。それに男と女が一つ屋根の下で過ごすんだぞ?何かあるかも知れないじゃないか」


「何かあるって…一応白雪も居ますよ?」


「いや、白雪はシオンの共存獣で家族だろう?」



 んー…意図的にそういう話題に持ってかない様にしてるんだけど、リベーラさんは僕の貞操観念を心配してるみたいだしなぁ…。



「…要するに僕とココロが性的な関係になる事、もしくはそれに類する様な事を危惧してるという事ですか?」


「…………まぁ……そうだな……」



 気まずそうに肯定するリベーラさん…チラリとパトラさんに視線を向ければ同じ心配をしてるのか眉間を寄せている。


 どちらかというとパトラさんとかネロさんの格好の方が僕の貞操観念に悪影響だと思うんだけどなぁ…。



「ふむ…私とマスターが繁殖行為をするとは考えた事も無かったな。一応行為自体は可能だろうが…」



 おいココロ!話をややこしくするな!!



「だが安心しろ、私にその様な繁殖行為への欲求は一切ない。マスターの白雪と同等に家族として考えてもらって何も問題ないぞ」


「何も問題ないって…それを信じろと言うのか?」


「なら何をすれば信じてもらえる?何をすればマスターの傍に居る事を許してもらえるのだ?」


「それは…」



 …お?これは…?



「結局は信用問題だ。まだ私とリベーラ・ラザマンドは知り合って3分41秒しか経っていない。そんな短時間なら私が何をしようが、どれだけの言葉を尽くして会話を交わそうがリベーラ・ラザマンドの信用は得られないだろう。であれば長い時間を共にしたマスターの言葉を信用し、時間を掛けて私を見て信用するか否かを判断するしか無いのではないか?」


「ぐっ…」



 おおお…!合理的だ…!!



「私はマスターの言葉を信じて短時間ながらもリベーラ・ラザマンドという人物を、その隣にいるパトラ・メイガスという人物を信じるが、リベーラ・ラザマンドはマスターの言葉が信用出来ないか?同じくパトラ・メイガスもマスターの言葉が信用出来ないか?」



 感情も無くただ淡々と言葉を話すココロに圧されたのか僕の前に居るリベーラさんもパトラさんも表情を歪める。



「…なかなか口が回るじゃねーの?」


「別に私は二人に口論で勝利したい訳じゃ無い、マスターと一緒に居る為にどうしたらいいかを考えているだけだ。…ただ、疑問がある」


「疑問…?」


「ああ。二人の懸念点であり話の焦点であるマスターの貞操観念を危惧するのであれば、パトラ・メイガスの衣服の露出は男であるマスターの情欲を掻き立て貞操観念に影響を与えると思うのだが、そこについてリベーラ・ラザマンドはどう思うのだ?」



 ココロの質問にパトラさんが顔を赤らめて急いでリベーラさんの背後に体を隠す。


 お、おお…僕が言いにくい事をズバズバ言ってくれる…。



「……パトラ、少し露出を抑えたらどうなんだ…?」


「あ、アタシの戦闘スタイルに合わせるとこうなるんだから仕方ねーだろ…それに獣人は動きやすい服じゃねーと邪魔くさくて仕方ねーんだよ……」



 完全にココロの優勢…これ以上続けてリベーラさんとパトラさんに余計な傷が出来ない様に僕はパチンと手を鳴らす。



「まぁ、こんな感じでココロは大丈夫ですし、僕としては白雪同様家族として迎え入れてます。僕の事を心配してくれるのはもちろん嬉しいですけど、余り本人の前で情欲だとか貞操観念とかの話はしないで欲しいです。僕が思春期なら顔真っ赤にして泣きながら暴言吐くか家出してましたよ?」


「あ、ああ…済まない…」


「それに僕自身、パートナーと決めた人以外とはそういう事をするつもりは一切ありませんからそこは信じてください」



 見た目は人間でも半神人っていう種族な以上どんな事になるか分からないし、パートナーを作るつもりはもっと無いしね…。



「…そうか、シオンがそう言うのなら信じよう…」


「という事は私がマスターと一緒に居るのを認めてくれたという事だな?」


「…こっちの信用を裏切るなよ?」


「すぐに私がマスターの専属魔道具技師になった理由を知る事になる。その時にもう一度判断すればいい」



 唯一の難所を潜り抜けたと実感した僕は小さく笑みを浮かべて白雪に目線を送る。



「分かりました、連れて来ます」



 それだけで意図を理解してくれた白雪がリビングを出て行き、しばらくするとユアを連れて来てくれる。



「連れて来ました」


「ありがとう。ユア、この人はレトワールっていうお店を経営してるラザマンド商会の会頭で僕の母親のリベーラ・ラザマンドさんだよ」


「れ、レトワール…!?は、初めましてユアです…!冒険者でサポーターをしてました…!レトワールの商品はいつもよく購入させてもらってます…!………え!?母親!?」


「ああ、シオンの母親だが……まさかこの子か?」



 リベーラさんの視線は黒いアームカバーに包まれたユアの左腕に視線が注がれている。


 やっぱりパトラさんが喋ってたか。



「本当は然るべきタイミングで紹介したかったんですけど、パトラさんが先に伝えてると思うので紹介します。彼女はユア、仕事中に不運に見舞われ左腕を失いサポーターを辞めざる負えなかったんですが、僕が偶々見つけて当てが無いなら僕に協力して欲しいと誘い、魔導義肢の被験者として協力してもらってます」


「ふむ…済まないが左腕を見せてもらえないか?」


「は、はい…」



 ユアがアームカバーを外せば普通の腕と変わらず動く木製の左腕が露わになる。



「凄いな…動かすのに違和感は無いのか?」


「流石に最初は違和感がありましたが…数日経てば元の腕と変わりません」


「本当に新たな腕を作り出してしまうとは…」


「まぁ、まだ動作に不具合が無いかのチェック、使用感を踏まえての改良改善をしている段階なので本当に完成したという訳じゃないんですけどね」


「いや、それでもこれは偉業と呼べる事だ。ただ…ここまで自由自在に動いて不便を感じないとなるとリテュアリス神聖国の動きが気になる所だな…」



 やっぱりそうなるよね…でも大丈夫、その辺は既に手を打ってあるんだよね。



「それに関しては問題ありません。実は今王都にリテュアリス神聖国の教皇がお忍びで来てるんですよ」


「「はっ!?」」

「え…!?」



 僕の言葉に驚くリベーラさん達…もちろんココロは興味も無ければ知りもしないから反応しないし、白雪も無表情。



「だからこの前密会のお誘いをしたのでその時に魔導義肢の事を伝え、協力関係を築けるかどうか打診するつもりなんです」


「おまっ…はぁ…?教皇相手に密会の申し込みだぁ…?流石にイカレてんじゃねえか…?」



 おおう…流石にパトラさんも難色を示してる…。



「そうだぞシオン!シオンの行い次第では国家間に問題が生じるんだぞ!?」



 リベーラさんもカンカンだ…どうしたもの───



「…よろしいですか?パトラさん、リベーラ様」



 お…?今度は白雪…?



「何だしら…アリア」


「もしリテュアリス神聖国に何も伝えずにマスターが魔導義肢を完成させた場合、魔導義肢の安価な価格の所為で神聖魔法による欠損修復を目玉商品にしているリテュアリス神聖国は経済的大打撃を受けます。その場合は確実に国家間に問題どころか亀裂が生じると思います。であればマスターが現段階で魔導義肢の周知及び競合してしまう互いの商品の擦り合わせを行い、国家間に問題や亀裂を生じさせない様に協力関係を築こうとするのは間違いなのでしょうか?」


「…!?それは…そう…だな…」



 おおおおお!!白雪が滅茶苦茶賢くなってる!!!



「それに教皇という地位は我が国で言う国王。正式な手順を踏めば他国の国王にマスターの謁見が叶うとは考え辛いです。万が一叶ったとしても正式な国家間のやり取りになってしまえば他国の知る所となり妨害等も発生するかも知れません」


「あ、ああ」


「ですが、リテュアリス神聖国の教皇は我が国の他種族との共存の在り方を見学したいと現在非公式でのお忍びでこの王都に滞在しています。このタイミングなら他国の妨害も無く純粋な交渉と綿密な打ち合わせが出来ると思うのですが、それでもマスターの判断は間違いでしょうか?」



 僕が考えていた事をこうも察して言えるなんて…あれだけ何も分からなかった白雪が…頼もし過ぎて泣きそうだ…。



「…あまりの突拍子もない事に驚いてしまったが確かにアリアの言う通りだ。だが、非公式と言えど教皇が地位も無い一個人と密会するというのは誰かに知られてしまうと体裁が悪くなってしまうんだ。だから一概にシオンの判断が間違いじゃないと言えないな」


「そうなのですね。体裁…一つ賢くなりました、覚えておきます」



 僕に無表情で親指を立てる白雪。


 僕も笑顔で親指を立てておこう。



「シオン、この事はルクス陛下やシルヴィ王妃も知っているのか?」


「いえ、本当はリテュアリス神聖国に大打撃を与える為に黙り、何かして来るのであれば以前のと合わせて戦争を仕掛けるという手筈だったので何も。ただ、今回はルクス陛下もシルヴィ王妃もリテュアリス神聖国の嘆願を聞き入れ手を取り合う事になったので、リテュアリス神聖国に何も知らせず魔導義肢を世に出すのは流石に不義理どころかローゼン王国に泥を塗る行為になると思ったので先にお伺いを立てる意味もありますね」


「リテュアリス神聖国にお伺いを立てるんだったら何故先にルクス陛下やシルヴィ王妃に共有しないんだ?順番が逆じゃないか?」



 確かにそこはリベーラさんの言う通りで何も反論出来ないんだよな…。



「そこに関してはまだ魔導義肢が完成の図すら見えて無かった机上の空論だったので変に期待を持たせてそれを勘定に入れられて不特定多数の人が動くというのを無くしたい思いと…自分で考えて自分で作った物だからサプライズとか驚かしたいなっていう子供っぽい自分の感情を優先した所為です」



 そう言うとまたリベーラさんがビクリと体を震わせる。


 結局ここでリベーラさんが知る事になったのもサプライズしたいなって自分の気持ちを優先した所為だし…やっぱ、こういう人間っぽい事は向いて無いんだろうな。


 というか…何かさっきからリベーラさんの様子がおかしいけど何かあったのかな?



「シオン…それは───」



 リベーラさんが何かを言おうとした時、リビングに来客を知らせるベルの音が響く。



「あ、ネロさん達が来たみたいですね。話は後でいいですか?」


「……ああ」


「じゃあ…ユア、アリアと一緒にテーブルに料理並べてくれる?」


「わ、分かりました!」


「アリア、お願いね?」


「分かりました」



 様子のおかしいリベーラさんに疑問を持ちつつも一階に降りれば既にカウンターにネロさん達の姿があった。



「あ、皆さん待ってましたよ」


「へー!ここがシオンの家かー!いい家じゃーん!」



 テンションが上がったのか僕の断りなしに扉を開けるネロさん。



「ほんまにええ家やなぁ…」



 谷間から抜き出した扇子を口に当てながらカウンターをジロジロ見るフォリアさん。



「本当にごめんねシオン君…急に押し掛けちゃって」



 申し訳なさそうに苦笑するジゼルさん。



「あ、あの…お土産持って来たので…!」



 何度も頭を下げてあたふたするミミさん。



「いえいえ、料理自体は好きなので問題無いですよ。あ、食べれない物だったり逆にこれは食べたい!っていうのあります?」


「私は何でも食べれるよー!」


「うちも何でも食べれるけど…欲を言うたら魚やなぁ…無理ならええわ」


「魚ありますよ?」


「ほんまに用意がええなぁ。ほな魚でなんか一品お願いするわ」


「分かりました。…ジゼルさんとミミさんは?」


「私は辛いのがあるといいんだけど…」


「辛いのですね。ミミさんは?」


「えっと…サラダがあると嬉しいです…」


「サラダですね。一応お酒も用意してあって眠くなったら泊まれる用意もあるので遠慮なく」



 それぞれお邪魔しますとカウンター裏に入り、ネロさんは鍛冶場や薬剤室を眺め、フォリアさんは靴を脱ぐ形式に驚きと懐かしさを感じながらリビングに誘導する。



「うっわ!何この部屋オシャレー!いいじゃんいいじゃん!!」


「この家は全部僕がデザインしたんですよ?」


「マジ!?すごいじゃん!!」


「多彩なんはええんやけど…見た事あらへん人三人おるなぁ」


「じゃあ、軽く自己紹介してご飯にしましょうか」



 そして僕達は軽い自己紹介を交わして突発的な食事会を始める…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ