↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死を回避したい悪役令嬢は、ヒロインを破滅へと導く  作者: miniko


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/100

14 薔薇園散策

 その数日後。

 私は再びヘーゼルダイン公爵邸に招待された。


『庭の薔薇が美しく咲いたから、君にも見せたい』と、アイザックから手紙を貰ったのだ。



「ヘーゼルダイン様、本日はお招き頂きありがとうございます」


 丁寧なカーテシーで挨拶をすると、アイザックはムッと眉根を寄せた。


「堅苦しいのはやめてよ。

 友達になったんだから無礼講でしょ?」


 前回会った時よりも砕けた口調で話すアイザック。


「ふふっ。分かりました」


「それから、アイザックって呼んでくれない?

 僕もオフィーリアって呼びたいしさ」


 良いのかな? と少し迷ったけど、それは私にとって好都合でもあった。


 だってさぁ、欧米風の名前って、文字数多過ぎない?

 実は『ヘーゼルダイン様』って呼ぶ度に舌を噛みそうになっていた。

 元日本人の私にとっては苦行みたいな物よ。


 でも、それがこの世界の貴族社会のルール。

 郷に入っては郷に従うつもりでいたのだが、本人が良いって言うなら良いんじゃ無いかな?

 ゲームの影響で心の中では既に『アイザック』って呼んじゃってたし。


「では、そうしますね。アイザック様」


「二人の時だけなら、敬称も要らないよ」


 お互いに護衛や侍女は連れているのだが、この場合、彼等は人数には入らないのだろう。


 しかし、呼び捨ては流石にマズい気がする。

 二人の時だけって言ったって、絶対呼び間違える事あるよね?


「いえ……」


「友達なんだから気にする事は無いよ。

 オフィーリアは『ヘーゼルダイン様』って呼びにくそうだったよね。

 本当は『アイザック様』でもまだちょっと長いって思ってるんじゃない?」


 何故バレた?


 上手く誤魔化せていると思っていたのに、アイザックって、周囲の人間を良く観察しているんだな。


「……では、お言葉に甘えて」


「なんならアイクでも良いけど」


「あ、それはやめておきます」


 今度こそ食い気味に拒絶しておく。

 愛称呼びとかは、恋人か婚約者が出来た時の為に取っておいた方が良いと思うよ。


「そう? 残念」


 上手く誘導されてしまった感もあるが、敬称抜きの名前呼びに落ち着いた。

 他の人に聞かれなければ問題無いって事にしておこう。



「ところで、色々と贈り物をありがとうございました。

 お花は部屋に飾ってありますし、クッキーは弟と一緒に美味しく頂きました」


 アイザックにエスコートされ、広い庭園を散策しながら会話を続ける。

 公爵夫人ご自慢の薔薇園は、『王宮庭園に負けずとも劣らない』と、社交界でも度々話題にのぼっていたが、実際に来てみると想像以上だ。


「弟か……。

 僕等の五歳年下だっけ? 可愛い?」


「そりゃあもう、超絶可愛いですよ」


「そっか。仲が良いんだな。

 僕は、最近、妹とどう関われば良いのか分からないんだ。

 普段は何をして一緒に過ごすの?」


「お庭でお茶を飲んだりとか、勉強を見てあげたりとか。お出掛けもしますね。

 あと、最近は良く一緒に寝るのですが……」


「は? 一緒に寝るの? 弟と? 同じベッドで?」


 途端にアイザックの眼差しが鋭くなる。


「え? ええ、一緒に。おかしいですか?」


「五歳年下なら、七歳か……。

 まあ、実の姉弟だし、ギリギリセーフ……なのか? いやいや、アウトだろ?」


 ブツブツと何かを呟きながら、真剣な顔で考え込むアイザック。


「どうかしました?」


「ん? いや、何でもない」


「そうですか?

 で……、あれ? 何のお話でしたっけ?」


「君の弟くんの話」


「ああ、そうでした。

 弟のジョエルは、少し生意気な所もありますが、とっても優しい子なんです。

 実は、最近夢見が悪くて魘されてしまう事が多いので、弟にも心配させてしまっていて……。

 それで、弟が添い寝してくれる日は、不思議と良く眠れるのですよ。

 幼い子は体温が高いからですかね」


 湯たんぽを抱いて眠るみたいに、気持ち良く寝られるのだ。


「そうかもな。

 ……それよりも、悪夢を頻繁に見るって、大丈夫なのか?

 もしかして、魔獣に襲われた時の事がトラウマになっているのか?」


「いえ、それは全く違いますので、お気遣いなく。

 少し寝不足になってしまう時もありますが、今日は大丈夫ですよ」


「今度会う時までに、僕も安眠できる方法を調べてみるよ」


「ありがとうござ……」


 アイザックの気遣いにお礼を言おうとした時、何処かから強い視線を感じた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。