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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: 月鈴
第七章 幸せの形・不幸の形

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ジャパニーズ・スシ

【アルメリア視点】


 金星都市ビーナスで勇者パーティー女性で、お買い物中です。


 案内の方にお食事を取るために、連れてきて貰いました。

 ユリウスから話には聞いてました、フードコート? と呼ばれる形式の食事処。

 中央にたくさんのテーブルとイスがあり、それらを囲むように様々な店舗がある。

 それぞれが自分の好きなお店から、買ってきた物を中央にあるテーブルで食べられるようですね。

 お昼時だからでしょうか? テーブルはたくさんありますが人がいっぱいです。

 そこら中から美味しそうな香り漂います。

 お店もたくさんあり目移りしてしまいますね。


 あっ、あれはユリウスが前に言っていたラーメンっというものでは……

 あっちのはカレーと言ってたはず、凄い見た目ですね。

 こっちはステーキですね。いい匂い……何のお肉でしょうか?

 そっちは……まさか……ユリウスがあんなに必死に説明してくれてた……ジャパニーズ・スシと言うものでは?

 本当に生魚の切り身が上にのったライス? ユリウスが騒ぐほど美味しそうには見えませんね。

 しかし、周りを見るとジャパニーズ・スシを食べている人も多くいて……みんなが笑顔でした。


「そうですか……いいでしょう。私も話に聞くジャパニーズ・スシを頂きましょう。すいません、私にも一つ下さい」


 魔導ライセンスで買いすでに目当ての料理を持ち帰った、王女様とミリアン様がいたテーブルに座ります。

 王女様は私が持ってきたジャパニーズ・スシを『(ぎょ)!』という顔をしてコチラを見ていた。


 あー、私もサウス領生まれの女です。

 一度、お皿に取った物を残す事など出来ません。

 ちなみに王女様の前には湯気がたち、綺麗に盛り付けられたパスタがある。私もそっちの方が……おいしそ〜。

 ミリアン様は……料理が多すぎて分かりませんね。


「はぁ〜、ふぅ〜」よし、気合いが入りました。

 ジャパニーズ・スシを食べてる人を見ると……

 えっ、手づかみですか? あっちはユリウスも使っていたオハシという木の棒ですね。

 どちらが正しいのでしょうか?

 でも……女子的にはやはり手づかみは少し……

 オハシで頂きましょう。ユリウスのマネをして練習していたかいも、あるというものです。


 皆さんはお皿に黒い液体に浸してから、食べてますね。

 黒い液体はなんなのでしょうか?

 炭を溶かした水が近いでしょうか……

 あの色でどのような味がするのでしょうか……


「全く食欲が湧きませんね……ゲテモノ料理みたいで勇気が入りますね」


 一度気合いを入れましたのを、もう一度目をつぶり気合いを入れ直すと……


「……食べないの? 私が食べる……」


 横から自分の食事をすでに終えていたミリアンが『ヒョイ』と手づかみでジャパニーズ・スシを皿に入れてあった黒い液体に付けてから『パクリ』と食べた。


「あっ」私が気後れしているところに、ミリアン様は恐れる事もしないでジャパニーズ・スシを口に運んだ。

 そっとミリアン様の顔を覗くと……えっ、動きが止まってる?

 やっぱり生魚は……


「美味しい〜……」始めてかも、ミリアン様が目をカッと見開き目がハートになってる。

 口に付いた魚の脂でテカテカと光って少しエッチな感じです。

 ……って違います。美味しいのですか?

 それならば、いざ参らん……ですね。


『パクリ……』


 えっ? 美味しいです。食わず嫌いというものです。

 ユリウスがあんなに真剣に私に話してくれたのも、理解出来ます。

 生魚という事で勝手に生臭いのを想像してました。

 この黒い液体も、程よく塩気がありその奥にほのかな甘み。非常に複雑な味ですね。

 一つ一つの味を確認して次のジャパニーズ・スシを食べようと手を伸ばすと『スカッ』と何も掴めませんでした。


 お皿にあったはずのジャパニーズ・スシは全てミリアン様が食べてしまったみたいでした。

 ミリアン様の頬がハムスターみたいにプックリと膨らみモグモグしてます。カワイイ〜。


 あ〜、違います。私のジャパニーズ・スシが……

 仕方なく私はもう一度貰う為にジャパニーズ・スシの列に並びました。

 それを見ていた王女様とミリアン様も一緒に、列に並び順番を待ちました。


「貴方達があまりにも美味しそうに食べるものですから、(わたくし)も食べてみたくなりましたわ」


「……美味しい、久しぶりの衝撃……」


 私も二人に同調してニッコリと笑いました。戦いの日々に少し心が乱れていた気がしますね。

 やはり美味しい物を食べるのは良いものですね。

 生きる糧を得る……生き甲斐というものです。

 順番が進み、列が徐々に短くなり、ついに私達の番になりました。

 ミリアン様はワクワクした顔になり、王女様も顔をほころばせています。もちろん私も……

 私達は声を揃えて注文をしました。


「「「ジャパニーズ・スシを下さい」」」


 待ちきれなかった私達は大きな声で言いました。

 その声に反応したのかフードコート? の中の人達は先程の騒ぎとは違い『し〜〜〜〜ん』と静まり、その後『どっ〜〜か〜〜ん』と大爆笑が起こりました。


「ガッハハ。ネーチャン達、これは()寿()()って名前なんだぞ。確か大アニキがこじらせている外国人が()()()()()()()()()って言うと、言ってたはずだな」


 親切な顔面凶器な四番隊員が教えてくれた。その後味わったお寿司は涙で塩辛い味でした……恥ずかしい。

 ユリウス、なんで普通の名前を教えてくれなかったのよぉ〜……

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