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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: 月鈴
第六章 魔の森開拓

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湧いて出てくる小悪党達Ⅲ

 冒険者ギルドで冒険者との一騒動の後に、今度は悪魔退治の報告と換金で受付嬢と揉める……本当にどうなってるの!? 冒険者ギルドは……


「ふん!! 後悔させてやる〜!! アンタ、ギルドマスターを呼びなさい……」


 近くにいた受付嬢にギルドマスターを呼び出させる。

 冒険者ギルドの二階から大きな声と足音が聞こえてきた……


「誰だ!! ワシのギルドでバカをやる世間知らずは!?」


 ヒゲだな!! 大柄な男でもの凄いヒゲ。「海賊とかの映画であんな感じのがいたなぁ〜」っとか思っていたらそのヒゲ面が俺の目の前まで来た。


「お前だな!! 小僧……ウチのナンバーワン受付嬢を泣かしたヤツは!?」


「俺じゃないな!!」


 んじゃあ、と手を上げて去ろうとすると……


「マスター、ソイツです!! せっかく私が声をかけてあげたのに……」


「やっぱりお前じゃねーか!!!!」


 イヤイヤ、ムンムン受付嬢は泣いてないじゃん!!

 ヒゲ面マスターの後ろでふんぞり返ってますがぁ〜。


「あー、そうなの!? んで、ヒゲ面マスターは何の用なの!? 俺達は忙しいんだけど……クリスティさん頼むね!!」


「ギルドマスターであるこのワシが話してやってるのにその態度はなんだ!? 呼んだのはキサマだろうが!!」


 耳元でウルサイヒゲ面だな!! ツバ飛ばすなよ……

 それに俺は呼んでねーよ。ヒゲ面なんて。


「マスター、マスター!! 実は……なんです。この冒険者がデーモンハートをクリスティに……」


 あーぐちぐちとヒゲ面マスターにチクってるな……

 俺達はクリスティさんにお願いしたいのにな!!


「話しはロザリーから聞いた!! お前達が持ってきたデーモンハートをロザリーにだせ!! クリスティはこの件から外す、ギルドマスター命令だ!! 分かったな……」


 ヒゲ面マスターはそう言い二階に登ろうと歩き始める……

 別に冒険者ギルドに提出しなければいけない物でもないしな……帰るかな!!


「クリスティさん、ごめんね!! それじゃ帰るよ……他のギルドでいいや!!」


 デーモンハートを素早く仕舞うと出口に歩き出し……


「ちょっと、止まりなさい!! 誰が帰っていいと言いましたか!? マスター来て下さい!!」


 もう、諦めろよ……またまたヒゲ面マスターの登場!!


「お前達は分からないのか!? このワシを怒らせるな!! 底辺冒険者のくせに……どうせデーモンハートも運よく拾った最下級品だろう!? なんならワシの小遣いにしてやるから早く出せ!! お前達のギルド章を没収して冒険者ギルドから追い出すぞ!! いいのか!?」


「マスター、それはダメですよ!! ギルドはあくまで冒険者達の……」


 クリスティさんがヒゲ面マスターに意見するが、


「クリスティ、お前をクビにするぞ!? 大人しくしておけ……」


『グッ』と何かを言いかけてクリスティさんは悔しそうに下を向いた。

 ヒゲ面マスターとムンムン受付嬢ロザリーは勝ち誇った顔でコチラを見てニヤニヤしている。

 付き合ってらんねーな、帰るかな……

 帰ろうとした時に冒険者ギルドの入り口から一人の女性が入って来て周りをキョロキョロしていた。

 この女性にヒゲ面マスターは気づいて、頭を下げて……


「これはこれは、ヨツバ総合商会支店長のドーラ様。実は本日デーモンハートが手に入りまして……」


 ヒゲ面マスターは媚を売るような仕草(キモい)で話しかけていた女性が俺達の前にまで来ると……


「若様、コチラにいらっしゃったと連絡があり来てみたら……」


『キッ』とヒゲ面マスターを睨みつけると……


「いや、キミのせいじゃないよ。でも、このギルドはダメだね!! 弱い人につけ込むやり方は……」


「若様、このギルドを切りますか!? 業務に支障はありませんが……」


「マジメに活動する冒険者が損をしないようなら許可するよ……」


 ユリウスはそう言うとヒゲ面マスターの前に行きギルド章を手から離す。

『カラカラ~ン』とヤケに大きな金属音が冒険者ギルドに響く……


「はい、ギルド章!! 俺は要らないから……ギルドをクビでいいよ」


 ユリウスはそう言うと冒険者ギルドから去っていく。

 ユリウスに続きユキミもヒゲ面マスターの前にギルド章を落とし、ユリウスの後を追う。

 続いてサミー、エリアも……そして去り際にエリアが、


「それではごきげんよう!!」


 美しい礼をして、冒険者ギルドを去って行く。

 ヒゲ面マスターの前には四つのギルド章が束になり転がっている。アダマンタイト級のギルド章が……

『アダマンタイト級』……一人一人が英雄を名乗る事を許される人類の守り手。

 全世界でも持っている者は少なくその内の四枚が今目の前に……

 ヒゲ面マスターは瞬時に『ヤバい』と思った。それを見ていた受付嬢の一人は何処かに連絡する為に急いで席を外す。


『アダマンタイト級冒険者が四人冒険者ギルドを脱退した……二つ名【黒軍こくぐん】ユリウス、【銀華ぎんか】ユキミ、【破城はじょう】サミー、【旋風せんぷう】エリアの四名……冒険者クラン不知火所属です。原因は当ギルドマスターの不正……ヨツバ総合商会からもクレームが来ています』


 通信魔道具で早急に伝えられた情報に冒険者ギルド本部はかつてない程に荒れていた!!

 そして、ギルド本部に連絡を入れていたのは……クリスティさんだった!!



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