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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: ルナリン


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ジメッツ王の野望

【ジメッツ王目線】


 計画は完璧だった

 なんの落ち度もなかったはずだ

 わが国が大陸の覇者に成るために辺境を完全に領地として取り込むのに辺境伯家は邪魔な存在だ

 王家である時期から継承している辺境伯家を縛り付ける呪いを代々受け継いでいる

 これは当時スタンピードで弱っていた隣国王家に服従の呪いを掛ける事が出来た

 そして代々我が国で継承して辺境を良いように使って数世代前に我が国に併合する事が出来たが辺境伯家に従う貴族家の忠誠心までは手に入らなかった

 辺境は常に魔の森からの魔物の進行で兵士が鍛えられ精強で結束も固い

 だから他国からも恐れられ魔石や魔物素材の売却益も凄く経済も潤っていた

 代々タイタニ国王も辺境を欲していたが結束が強く辺境の利権を徐々に取り上げて力を弱めていく事しか出来なかった

 そしてワシの代では服従の呪いの維持で娘エリザベスを婚約させねば呪いの維持が出来なくなるので苦痛の婚約締結だった


 ただ、蓋を開けてみれば婚約させた辺境伯家嫡男はお世辞にも出来た男ではなくどこか間の抜けた少年だった


「まぁ、この少年ならばエリザベスも扱い易かろう」


 と思っておったが10才を迎えた年にわが国に《勇者》を授かった者が現れた

 しかも昔から王家に仕える名家のハーメツ侯爵家嫡男ワルツだ

 一方で辺境伯家嫡男ユリウスは《転職者》という訳のわからないモノだった

 勇者ワルツは昔からエリザベスに好意があり何度も婚約の打診が来ておったな

 伝説にも残る勇者の力があれば最早辺境に遠慮しなくても良いのではないか?

 じっくりと見極めようと観察を続けると勇者は伝説にも残るだけはあり剣術に魔法にとメキメキと頭角を現す

 一方のユリウスは覚えは良いがそれでも常識の範囲、むしろ剣術や魔法は下級職と並ぶくらいだ

 そう考えると勇者と間抜け(ユリウス)の差が激しい後悔に変わりワシに間抜け(ユリウス)の排除を決意させた


 エリザベスも始めの頃はユリウスと仲睦まじい姿が城内でも見かけられたが職業が判明してからはユリウスは周りから避けられ嫌われて無視されていた

 それに伴いエリザベスとの仲も急に冷え込み逆に勇者ワルツと急接近した

 これには「よしっ」と拳を握った


 それと同時に息子で王太子のエラソンにガルフ公爵の娘を籠絡するように指示をした

 そして、ユリウスから辺境の動向を聞き出せるように聖女も手に入れさせた

 全てが順調に事を運んでいた


 そして周りの貴族家から婚約破棄の非難を浴びないように勇者一行に服従の呪いでユリウス自身の能力に制限をかけた状態で勇者パーティーへ加えて遠征を度々行い勇者一行の成果とユリウスの失態を吹聴してさらに煽った

 ユリウスは毎回参加していたが満足な成果がなく仕舞いに罵倒されるようになっていたが

 特に反論もせずに言われるがままだったので諦めているものと思っておった


 今回の遠征で勇者一行の有用性と各ギルドの協力そして2つの巨大組織からの援助と協力を受けてあわよくば王国へ取り込む為に仕組んだが最初から全てが無駄だった



「ワシは史上初の大陸の覇者になる」


 そう宣言したのは何歳くらいだったか?

 子どもながらに大陸統一の夢を見てここまで来た

 ワシの通った道は輝かしく煌めく黄金の道でそれをワシの後をワシの息子が通るそんな夢をずっと見ていたし現実に成ると思っていた

 この王冠と赤いマントが王者の証になるはずだったのにまさか夢半ばで挫折するとはな

 ワシが切り捨てた縁が唯一の大陸統一への切符になり得たのだ


 王太子の治世はさぞかし大変なものになるかも知れないが今を踏ん張らなとタイタニ王国はワシの代で幕を下ろさねばならない。

 まずは辺境との和解から賠償金の精算からだ

 これが片づかねば王国は辺境伯家のある南側以外の3方向から我が国に進軍してくる隣国を勇者一行が頑張っても1方向しか対処出来ないだろう…それでも南側の辺境との和解は絶対だ

 後は何処までの条件でユリウスが引いてくれるかだな


 辺境と仮に和解出来たとして多額の賠償金や捕虜達の保釈金などを払った王国は戦費も更に多くなる

 それにヨツバ総合商会からの物資の援助も期待出来ない

 運送に関しても同じだ

 最低ラインを決めてそこからどのくらい巻き返せるかを考えないとな


 あー、なんでワシはこんな所で躓いた?

 本当ならユリウスを追放してエリザベスと勇者が一緒になりそれを王太子と仲間達が支え合い他国からも賞賛を貰いいずれは全てワシの領土にするはずが

 ユリウスに関しての情報収集もわが国の影と聖女アルメリアから常に集めていたはずだ

 流石に2大組織に本気で隠蔽されれば太刀打ちできなかったか。

 婚約者達にも正体を隠しきるとはな

 隠さねばならない何かがあるのか?

 何か秘密があるはずだが今はそれよりも王国が生き残る道を探さねば


 この黒髪の少年1人に負けた。ワシが間抜けと侮っていたこの少年に

 これが、ここがワシの覇道の終着点なのか?

 辺境伯家と共生(きょうせい)の道を歩めば違った未来があったのか?


 誰かワシに教えてくれ

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