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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: ルナリン
第四章 勇者パーティー強化

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不知火のルーツ

 魔闘技(まとうぎ)……ユリウスとユキミが冒険の中で、あるアンデッドの討伐を受けた。

 そのアンデッドは数多(あまた)の上位冒険者達を退(しりぞ)け、その依頼はユリウスとユキミに回ってきた。

 当時のユリウスとユキミは、依頼の達成率がよく難関依頼もよく話しが来るようになっていた。

 ユリウスとユキミはアンデッドに効果があると言われている、銀の武器を手に住み家になっている古城跡地に向かった。


 そこに居たのは聖剣のような輝きのある剣を(たずさ)えていたスケルトンでその堂々とした(たたず)まいに全身を霧状の魔力をまとっていた。

 普通ではあり得ない力と速さに二人がかりでようやく互角の勝負だった


 三日三晩戦いを続けてようやく討伐を出来た強敵だった。そのアンデッドが使っていたのが魔闘技の原型と呼べるものだった。

 そして、世界最強冒険者クラン不知火(しらぬい)のルーツになった技になる

 これを勇者パーティーが全員使えるようにしてこの強化合宿を終わらせねば。

 この技は身体強化のスキルを魔力でさらに一段階上へブーストする。この時にまるで陽炎のようにユラユラしたものが身体から立ち上る。

 この不知火(しらぬい)という名のルーツである、誰が(とも)したか分からない火を。


 勇者パーティーは全員が最低限の職業を取得をしたが前回のオークキング、ジェネラル戦で感じたようにここ一番の火力が問題だった。

 これを魔闘技(まとうぎ)でカバーしようと思っていた。

 身体強化は前衛職業には必要なスキルでありまた後衛でも持っておきたいスキルになる

 勇者パーティーは職業訓練で全員が取得していて、これに魔力を流して維持させているが、魔力の高いミリアンとアルメリアでさえ三分維持するのがやっとだった。

 それ程この技の燃費が悪いが、効果はものすごく今まで出来なかった動きに戸惑いがある


「慣れるまで、回復と使用を繰り返して。だんだん効果時間を増やしていくよ。目標は一時間かな」


 ユリウスが言い終わると同時に全員が魔力切れで倒れた。


「先は長そうだな。まぁ、今は休んで明日からボチボチやっていくかな。サウス領に来るときの地獄のサーキットがなけれぱこの技を教える事も無かったかもな。勇者パーティーを利用する計画だけど少しは俺にも(じょう)が残ってるのかもな。」


 そう呟くとギリ、エリア、ネメシアに後は任せてユキミと共に歩き出す。




 今は勇者パーティーを連れてサウス領にある武器屋に来ている。魔の森にいる魔物と戦う為に独自に進化した武器の数々に勇者パーティーが驚き、目を輝かせる。

 そこには、炎を出す剣や矢がないのに魔力で矢を作る特別な弓や魔法の補助をしてくれる杖など戦いに身を置くものなら是が非でも欲しがる品のオンパレードだった。


「あの剣すげーな、欲しい」「矢を魔力で作れれば……」「……この杖、欲しい……」

「盾はないのか?」「皆さん落ち着いて下さい。」


 勇者パーティーでさえもこのような感じだ。彼等は貴族の、しかも上位の貴族であってもその武器類に目を輝かせた。

 これはサウス領もヨツバ総合商会も武器や防具に対して自領以外に販売していないから彼等は上位貴族であっても知らなかった。この世界での武器や防具だけで簡単に国一つを相手に出来る存在もいるので直接武力になる武器や防具の扱いも慎重にしている。


「もし、魔闘技(まとうぎ)を使えるようになれば俺が武器や防具を勇者パーティー全員にプレゼントしてあげるさ。俺の刀なんかも二番隊隊長の《破城(はじょう)》のサミーと俺が作ったからな。勇者君も昔から聖剣を欲しがっていただろう。用意してやるさ。」


「!?……本当か!?聖剣ってあの物語なんかで出てくる聖剣なんだぞ?こんな辺境にあるのか?しかも人の手で作れる物なのか?」


 勇者君、興奮し過ぎて鼻の穴が膨らみすぎ。しかも、やたらとツバ飛ばすし。チャック開いてるし。


「分かった、分かったから。ちゃんと用意するから魔闘技(まとうぎ)の練習頑張れよな」


 あの魔闘技(まとうぎ)の原型を使っていたスケルトンが持っていた剣なんだけどやはり聖剣だったんだけど、長年の間に力が失われた聖剣でそれをサミーと一緒に打ち直した。よりパワーアップさせてな。


「ワルツ君だけじゃ無くて全員分、聖剣に匹敵するものを用意するから最後までやりきれよ。あと、ワルツ君はチャック全開で中身がこんにちわ……しそうだから。そっちの聖剣はいらないよ」


 全員が勇者ワルツ君の下の方を見た。

 そこには堂々と天高く伸びる聖剣が燦々(さんさん)とそびえ立ち、その存在感を主張している。

 エリザベス王女は呆れた顔をして、アルメリアはすぐに顔を背け、ミリアンはよく分かってないのかアクビをしていた。

 そのなかに過剰反応する人がいた。

 そう、我が祖国の王太子殿下その人である。

 あまりの自分との違いに愕然(がくぜん)として、リアルに地面に頭を着けて涙を堪えていた。


 王太子殿下、人はモノの大きさだけでは無くて、他にも大事なことがあるはずさ。

 だから俺はそっと王太子殿下の肩に手を置き、右手で親指だけを上げて


「ドンマイ!」


 と、ここ一番の笑顔で笑ってみせた。

 それにしてもさすが勇者ワルツ君。この場面で元気になる要素などなかったはずだが、何がキミの中でおきたんだ?謎である。


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