ヨツバ報道 諜報機関:インテリジェンス・エイジェンシー
【ヨツバ報道・諜報機関】
世界各地に拠点を置くヨツバ総合商会の情報を一手に集めて集約、精査、裏付け、そして確度が高くなった情報を扱う諜報機関がヨツバ報道の正体だ。
その情報を世界に流しているが機密性の高い報道などは極秘扱いされている情報もたくさんある。
その中に世界を滅ぼしかねない力などがある。
その一つに『大罪スキル』と呼ばれる禁忌とされる力が存在する。
人の歴史の中で伝説にされているスキルで現れては消えて、また現れて……を繰り返している。
発現状況など何も分かっていないスキルで……いつ、どこで、など一切分かっていないという事だ。
ただ、一つ言える事は大罪スキルが現れた時代は例外なく、平和ではなかったという歴史がある。
各地に拠点を置くヨツバ総合商会は当然各地の伝承なども情報が蓄積されていて、この大罪スキルが確認されたのは七つ。
ユリウスはこれを監視する魔道具を、二番隊隊長サミーと開発して有事に備えていた。
大罪スキルとは……憤怒・嫉妬・怠惰・色欲・暴食・傲慢・強欲の七つ。七つの大罪と呼ばれる禁忌スキル。
時代の変わり目に現れる大罪スキルが姿を現したという事は、さらなる混乱が予想された。
ただ、大罪スキルは同じ時代にそれも、同時に現れた事が無いというのが救いであった。
ただ、今回の大罪スキルが世に出た事は極秘事項になり、サウス領の首脳部のみに情報が回された。
情報をいち早く受け取ったのは、諜報機関のトップでもあるフローラだった。
「すぐにユリウス様や各隊長達へ通達を……またサウス領・アルブル王国首脳部による緊急会議を行います。領都ソラリスにいる関係者は全ての指令より、本案件優先を要請します。諜報機関インテリジェンス・エージェンシーとして、また不知火十一番隊隊長フローラとしての強権発令します。エマージェンシーナンバースリー発動です」
緊急自体においてフローラには、いくつかの権限が与えられていた。いわゆる国家非常事態宣言だ。情報統括するフローラは一番に危険を知らされる立場なので、ユリウスと結婚と同時に与えられた。
ユリウス達の結婚式から数日後には情報は伝わり、緊張感が蔓延している。
ただ、覚醒が確認されただけで……まだ存在自体が明確になったわけではないので、情報収集のみになっている。
ヨツバ総合商会の情報網にも大罪スキルが引っかかる事も無く、時間だけが過ぎていく。
その中で人々は生活を続け、営みを続けていく。
新領都ソラリスにも、続々と人がやってくる。ユリウスが新領主になりレギオンも育って来て、その活動も評価されて人口が増えて来た。
それにともない、領民強化計画も進んで来ている。
それぞれが基礎的な学問や武術を修めて、専門的な分野に分かれている段階にきている。
そして、人口が増えて来た事により子供達の扱いも変わった。
魔の森に新領都を置いてからも魔の森の討伐を続けていたが、新領都への襲撃は一度も無く子供にも新領都ソラリスに住める許可を出した。
これは領民と認められた者の子供だけ。
それでも増えた子供達に教育を施す為の教育機関を、地球都市アースに学園都市を建設できた。ここでは研究機関と隣同士になっているので、魔導ライセンスなどで身元が確かな子供のみが、世界最先端の教育が受けられるようになった。
レギオンの専門的な授業や冒険者クラン不知火などの武道など、世界の頂点を育てる学園都市になる予定だ。
古代エルフ族の血を引くエルフィンベル森林国、エルダードワーフ達が住むリサム連峰にあるゾルデ洞窟国。
世界に大罪スキルが現れた今、サウス領・アルブル王国連合は以前より交渉していたこの二ヶ国に同盟を求める為にユリウス自ら交渉に向かう事になった。
留守はフローラに任せてエルフィンベル森林国にはエルフである六番隊隊長エリア、ゾルデ洞窟国にはドワーフである二番隊隊長サミーを同行させる。ちなみに、ユキミは護衛兼妻だと譲らずついてくる。
交易自体は何度か行っている両国に、さらに突っ込んだ話し合いになるからだね。
隊長の二人もそれぞれエルフ・ドワーフの中でも特殊な環境で育ってきた境遇だから、嫌がるかと思ったけど……二人共に嫌がる素振りすらない。
……と、いう事で俺、ユキミ、サミー、エリアで最初にエルダードワーフ達が住むリサム連峰にあるゾルデ洞窟国へ向かう。まだ魔導列車の線路はなく交易路も整備中な為、魔の森を進む事になる。
冒険者時代を思い出すね……俺は奴隷にされていたユキミと最初に出会いしばらくは二人で冒険者をしていた。
そして、最初に出会ったのが九番隊隊長ハテナ。その後に出会ったのがサミーだった。
サミーも最初は、奴隷まではいかないが貧民みたいにこき使われていた。
今でこそサウス領の技術顧問だけど……ドワーフ特有の力の強さは有るが、手先が不器用でドワーフ一族を追い出され行く当てもなく彷徨っていた。
そこに現れた俺とユキミが冒険者に誘ったのが最初の出会い。結局は手先の器用さも俺の転職者の効果で、メキメキと伸びて『神造』と呼ばれる歴史的技術者として三番目に獲得者として称号を貰っていた。
まずは、これから起こりうる脅威の為に協力者を増やして備えて行こう。それがサウス領・アルブル王国に住む人々の為になるのだから。
俺達は新たな脅威に対抗する為に……魔の森へと足を踏み入れた。




