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after 24

リリーはやたらナイトガウンの裾を整えていた。

所在なさそうに、寝室の端から端まで行ったり来たりを繰り返し、かと思えば、寝室の中央にある大きなベッドの前で立ち止まっては、自身の頬を赤らめてみせた。

挙動不審と言われれば、その通りなのだが、これらの行動は全てリリーが緊張していたからに他ならない。

リリーは今日、ダレンと結婚した。

式の間はとにかく幸せで、目まぐるしく、あっという間だった。

ようやく人心地ついたのは式が終わってからだったが、使用人に寝る支度を整えてもらっている間、リリーの頭の中にあったのは初夜のことだった。

当然、リリーには既婚歴があり、全くの未経験という訳ではなかったけれど、それでも緊張するものは緊張するのだ。

リリーは自分がどう見えるだろうかと考えた。

もう十代の頃のような初々しさはない。

元々の体質で太ってはいないけれど、男性好きするような豊満な体型ではなかった。

経験豊富とは当然言い難く、夜の営みに関して、かなり久しぶりだったこともあり、リリーの不安感はただただ増していった。

が、それもダレンが寝室に入って来るまでのことだった。

愛するダレンの顔を見たら、リリーの抱く不安も緊張もすぐに霧散してしまった。


「リリー」


優しく呼ばれ、リリーは吸い寄せられるように、ダレンの腕の中に収まった。

彼に触れられると、もうそれだけで心も体も喜びに震えてしまう。

怖がっている訳ではないことを知って欲しくて、リリーが顔を上げると、目と鼻の先にダレンの笑顔があった。

自然、リリーも微笑み、どちらともなく唇を近付ける。

最初は労わるような優しいキス、そこから次第に熱い口付けへと変わっていくのを、リリーはただ感じていた。

それは、はっきり求められているとわかる情熱的な接吻だった。


「リリー、愛してる」


口付けの合間に囁かれ「私も愛してるわ」と息継ぎと共に伝える。

次の瞬間には、抱き抱えられ、そのままベッドまで運ばれていた。

ダレンに優しく押し倒され、リリーの視界いっぱいにダレンの顔が広がる。

小柄なリリーの身体を上から覆うような体勢だったが、全く恐れなど感じない。

早く結ばれたいと思うのは、淑女としてははしたないことなのかもしれなかったが、愛しいダレンを目の前にして、行儀良くなどしていられなかった。

リリーは手を伸ばして、ダレンの頬に触れた。

優しく撫でると、ダレンは嬉しそうに破顔した。


「今日の君は本当に美しかった。白銀の妖精のように輝いていて、式の間中、目が離せなかったよ。こんなに素敵な女性と結婚できて、私は世界一幸せな男だ。リリー、結婚してくれてありがとう」


リリーの頬を涙が伝った。

もちろん、悲しいからではない。

幸せ過ぎて流れる嬉し涙だった。


「私もあなたのおかげで世界一幸せな妻になれた。あなたがいれば、もう他に何もいらないわ」


言いながらも、涙はとめどなく溢れ、ダレンは優しくそれを拭ってくれた。

リリーは思わず自分から唇を重ねた。

普段のリリーからは想像できないくらい積極的な行動だったけれど、気にしなかった。

彼が欲しいと思った。

それは本能的なものだった。

次第に激しさを増す口付けに、リリーはただ集中した。

すると、ダレンは視線だけで「構わないか?」と問うてきた。

もちろん、断るべくもない。

リリーが頷くと、ダレンは本格的にリリーを求めてきた。

ダレンの情熱的な手付きを肌で感じながら、リリーはただ夢中でそれに応えるのだった。

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