夢の無い冒険者
難なく冒険者として登録できた四人であるが、問題は別にあった。
クエストとして張り出されているものの多くは工事の日雇いや、小銭程度の手伝いが殆どだった。
「なんとまあ世知辛い」
「どういうことにゃ」
マオが強面の男もといギルドマスターにじとっとした視線を送ると、慌てて捲し立てた。
「そ、そこにある仕事の依頼は誰でも受けられるモノばかりなんだ。デカイ仕事になると名指しか前金が要るモノになる」
「うむ、何処の馬の骨とも判らぬ者には相応の仕事しか紹介できないと。至極真っ当であるな」
落ち着いたもの言いに感情の起伏は感じられない。
ギルドマスターはホッと胸を撫で下ろした。
「とは言え我らとて手っ取り早く金が必要でな。何か方法は無いか?」
「オススメはできないが、そこの貼り紙の奴等には賞金がかかっている。単純に危険であったり居場所が分からない奴も多いし割に合わないがな」
見ると様々な容姿の人や怪物が描かれ、下に金額が書いてある。主に犯罪者、次に怪物もとい魔物のようだ。
「魔王にも賞金がかかっているな」
「一、十、百、千……10億ですって」
「10億あれば…にゃふふ」
「おいこら、我を見るんじゃない! それよりも何だこのデカイ蜥蜴の化物は、似ても似つかないぞ」
蜥蜴と人を足して仄かに竜の翼を持つ化物が描かれている。まさしく人類の敵。諸悪の根源。
絵が上手いのも相成って禍禍しさも感じる。
「だから魔王様に出会ったら驚いた後に拍子抜けしていた輩が多いのですね」
「流石の我もこの迫力には及ばん」
実力は絵の迫力にひけをとらないが、見た目は少女と大差ない。
見た目のギャップも相まって油断してしまうのも無理はない。




