プロローグ「夢の始まりを」
『あーもしもし?蒼君?久しぶりねぇ』
「・・・・・その声は。もしかして叔母さん?」
『そうよぉ、元気してた?蒼君』
「はい、元気です。でもどうしたんですか?叔母さんが電話してきたの母さんが亡くなった時以来ですよね。珍しいです」
『そうね、あれ以来会ってもいないわね。蒼君大きくなってるだろうから会いたいわ』
「あんまり変わってないですよ。・・・・・・・で、父にご用ですか?生憎、今は出掛けていて・・・・」
『違うのよ。あなたに用があるの。それに、お義兄さんにはもう言ってあるわ』
「僕・・・・・・ですか?」
『旦那の海外出張が決まって、私もついていこうと思ってるんだけど。でも、ウチの子は学校あるから残らせようかなって。そしたら家に誰もいなくなるし、女の子一人って不安だし、他に長期で頼める宛もなくて。で、蒼君家に預けたいんだけどいいかしら?』
「いいかしら?って・・・・・・ウチ、父一人子一人なんですけど。男地帯ですよ」
『まあいいの、その点は。従兄妹だし。・・・・・ね?お願い』
「期間は?」
『えーと、一年半』
「・・・・・・・。どうせ父さんいいって言ってて、頼むと言いつつ半事後報告なんでしょ」
『・・・・・・てへ』
「はあ・・・・・・でもですね!それは・・・・・!」
『じゃ、よろしくねー』
「え!?ちょ、待ってくださ・・・・・・あー切られた」
ツーツーと音を立てる受話器を戻し、少年は頭を抱えた。




