皆、驚いていたな
セラには実は……
散策をしていると、向こうから1人の少女が俺達に駆け寄り言った。
「助けてください!」
「「「「「「……!?」」」」」」
とりあえず、適当な喫茶店に入り個室で話を聞く事にした。
「何故、私達を選んだの?」
「目が合ったから!」
「……まあ、俺達を選んだ理由は、この際置いといて、何が有ったかを話してくれるか」
「うん。 実は……」
内容は、姉がチンピラ達に絡まれて連れて行かれたらしい。
「皆、どうする?」
「直ぐに行こう!」
「そうね、マイ」
「行くのじゃ!」
「私も賛成です」
「私も!」
「分かった。 行こう!」
移動中にお互いの自己紹介を済ませ、姉のレミを探す為に妹のニアの後を俺達は付いていった。
「……此処です」
レミの足跡を追うのは簡単だった。
理由は、レミが街の美女として有名だったから。
……さて、悲鳴か嬌声が聞こえる前に乗り込むか。
「行くぞ」
「うん!」
到着した場所が商会だったから裏口から侵入した。
「レミ! 救けに来た!」
「レミお姉ちゃん!」
「「「「「「「「「……え!?」」」」」」」」」
俺達の眼前で広がっていたのは、レミさんだと思われる美女とチンピラとしか思えない野郎が5人に、良い服を着た男性と良い服を着た女性2人が、仲良く食事をしていた。
「……だから、私は言ったでしょう。 知り合いだから大丈夫だって」
「……うん」
どうやら、ニアの勘違いで、レミさんは拐われた訳ではなく、チンピラはレミさんを迎えに来ただけだった。
因みに、この商会は宝飾品を扱っていて、レミさんはデザイナーとして働いていて、チンピラの迎えも護衛を兼ねていたらしい。
この騒動の代償はニアが払う事になり、頭にたんこぶが出来てニアは涙目だ。
「……う~」
「改めて、私達の為にご迷惑をお掛けしました」
「無事だったから構わないよ」
「そうよね。 代償はきちんと払っているしね」
「……痛いよぉ、レミお姉ちゃん」
「我慢しなさい!」
こうして、喜劇の舞台となった商会を後にして俺達は散策を再開した。
「大変だー!」
何か、西門の方で騒いでいる奴が居た。
「どうした?」
「どうやら王都へ繋がる街道で、途中にある山道で崖崩れがあったみたいで、街道が塞がっているらしいぞ」
具体的な場所を聞いたら、俺達に与えられた領地に繋がる街道も崖崩れで塞がっているみたいだ。
「予定変更で、俺達の領地でも良いか?」
「勿論だよ!」
「構わないわ」
「否はありません」
「良いのじゃ!」
「賛成です」
そんな訳で、予定を変更して俺達は領地に向かう事にしたが、思っていた以上に崖崩れは大規模だった。
「……うわぁ」
「……酷いわね」
「……酷いですね」
「……埋まっているのじゃ!」
「……埋まっていますね」
国や領地からの申請で来ている土木作業員が意欲的に土砂の撤去をしているが、開通の見通しは出来そうにない。
「どうしようか?」
「「「「「……」」」」」
方法なら幾らでもある。
例えばだが、派手な方法なら広範囲魔法で、一気に土砂をぶっ飛ばす……とか。
「……わ、私がやります」
珍しくセラが挙手した。
「どうやって?」
「私の精霊魔法で、です!」
「でも、今やると目立つわよ」
「それなら夜にやればいい」
「はい!」
「意見が有る者は?」
「「「「……」」」」
「居ないな。 ではセラ、頑張れよ」
「はい、頑張ります!」
そして、夜中。
「セラ、頑張れ」
「は、はい! 頑張ります!」
「頑張ってね」
「気楽にやりなさい」
「失敗しても構いませんから」
「頑張るのじゃ!」
セラは目を閉じて集中して、少し時間を掛けて目を見開いた。
「お願い! アースクリエイト!」
……翌日の昼食
「しかし、セラにあんな才能が有ったとはな」
「そうよね」
「……あぅ」
「意外な才能」
「そうですね」
「セラは凄いのじゃ!」
「……はぅ」
セラの精霊魔法に因って、大量の土砂は変質して形を変えて、神殿みたいな感じになった。
屋根付きで、高さは3階建て家屋が楽に入るし、渋谷とかのスクランブル交差点みたいな感じになった。
更に、天井の6割を変質させて、アクリル板みたいになっているから明るさも問題無い。
そして、セラは「仕上げ!」と言わんばかりに内外の壁とかに装飾を施した。
これが、神殿みたいと思った理由だ。
「皆、驚いていたな」
「そうだね」
「……あははは」
「職人セラに、乾杯!」
「「「「乾杯!」」」」
「……うぅ、か、乾杯」
昼食も終わり移動を再開したのだが、テンプレでも古典に入る部類のイベントが発生していた。
「……あれ、エルフだよな?」
「確かに、アレはエルフだと思うよ」
「確かに、エルフだわ」
「エルフで間違いないかと」
「エルフなのじゃ!」
「エルフです!」
林の中の街道を移動中に、顔と両手だけ見えているエルフを発見した。
「とりあえず、救けるか」
舞達が頷いたから救ける事にした。
「……う」
「気が付いたか」
「……誰?」
「俺は冒険者のルカ。 周りに居るのは仲間達だ」
「冒険者のマイよ」
「冒険者のリナ」
「冒険者のリンです」
「冒険者のロゼなのじゃ!」
「冒険者のセラです」
救けたエルフは、最後のセラの首を見て叫んだ。
「……奴隷紋!?」
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