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異世界で【天職:プレイヤー】やってます!  作者: フユルト
第六章〜:機械と悪夢と暗闇
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プロローグ:妄執者はその輝きを知らず

今回は少し趣きを変えてプロローグにしてみました!!

ちょっぴり暗い要素がありますけど、きっと二人なら何とかしてくれますッ!!





では…どうぞッ!!




………



………どれだけ死から遠ざかろうとも、それからは決して逃れる事は出来ない。それが顕著に証明されるのが人だ。




人の肉体はどれだけ鍛えようとも、どれだけ技を極めようとも、いつかは老い、衰え、そして死んでゆく。




そして、それは技術者が最も当てはまるのであろう。




技術者はその技術力があってこそ技術者足り得るのだ。故に私は、もうとっくに体力がなくなり指先が震えて機械の部品交換すらままならなくなったあの老人共が何故まだその地位にのさばって居るのか理解出来なかった。




大したことも出来ない癖に指示だけ飛ばす老害共に、私は怒り狂いそうだった。勿論、そいつらとの口論が絶えることはなかった。




そうして月日が流れて、私が一人前となる頃には老害共は寿命で全員いなくなっていた。




過去、最後の一人に何故隠居せずにその地位に居るのかと疑問をぶつけた事があった。だが…




『お前もいつか分かるさ。この恐怖と絶望と…虚しさが…』




私は当初、あの“老害共”は自分が築いた地位を手放すのが嫌であそこに居座っているのだとばかり思っていた。









だから…………














“その言葉の真の意味に気付けなかった”














…それから長い年月が経ち、私もあの老人達と同じくらいの年齢になった頃、不意に手元が狂って部品を落とした。




大事な部品を落とすなんてこと、機械いじりを始めたこと以来でほんの少しだけ懐かしいと思うと同時に、私は僅かな違和感を覚えた。




その日、私は早々に仕事を切り上げて帰宅して眠りに落ちた。











きっと、疲れているに違いないと思った…………















………だが、違った………



















朝に目を覚ましてふと自身の手を見る。すると…




「何だ…これ…」




私の右手の指が、小刻みに震えているではないか。普通の者であれば何故そんなに怖気づいているのか理解できないだろう。だが、指とは技術者にとって命のようなものだ。それが…震えていては繊細な作業など出来る筈もない。





「どうなっているんだッ!?私は…ッ!?」







エルフである私は、見た目はまだ二十代後半辺りにしか見えないだろう。だが………私の肉体はとうに限界を迎えていてガタがきていた。




その時、私はあの老害共…いや、先人達の真意が分かってしまった。




先人達は自身の地位などに大して執着していない。現にこうなった私がそうなのだ。だから、恐れているのは地位を失う事ではなく…




「嫌だ…私の、今までの…」




崩れていく、今まで築き上げてきた日々の研鑽に、血の滲むような努力と、願わくば生涯未来への技術に携わっていたいという想いが、歳を取るという事象だけに呆気なく打ち砕かれた。




どれだけ若返りの薬を飲んだとして、服用すればするほど効果は薄まるし、それはただの延命処置でしかない。




だから、私は………




「行くよッ!!“ヴェスタちゃん”ッ!!」




「はいっ、マスターッ!!」




紺色のローブを纏った最低限の防具を着た白髪の猫獣人の少女と、まるで硝子のような青い鎧と、同じように青い硝子のような剣と美しい純白の剣を装備した金髪の少女が同時に駆け出す。



『無駄なことを…私は完璧だッ!!完全だッ!!たかが人の身の分際で私に敵うわけがないだろうッ!!!』




「私達はッ、今を生きて…ッ、未来を見るッ!!過去は今と未来の私達を後押ししてくれる為にあるッ!!追い縋る為にあるんじゃないッ!!」




「過去の後悔は、もう十分悔やみましたッ!!私はもう間違えないッ!!だから、過去に縋っているだけの貴方に…………そんな人に、私達は…」




「「絶対に負けないッ!!!」」




そして、過去に生きる妄執者と、今を生きる転生者と勇者が対峙する。





さ〜て…“その輝き”って、何でしょうかね?

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