八話 体を強くするために
ブクマ50件オーバー、ありがとうございます。
俺が腕を治し、銜えていたテーブルクロスを広げてテーブルにかけて立って歩く練習を始めた、窓際を行ったり来たりと時節転びそうになりながらよちよち歩きをする、こうすることで骨に小さな衝撃を与える、これは骨を折って治す以外で強くするためだ、事実、あまり衝撃が骨に伝わらないスポーツ、例えば自転車競技なんかの選手は骨の病気になりやすいそうだ。
そんな事をしていると、
「カタリナ、入るわよ」
そういう声が聞こえ、扉の方を見るとアグニスが部屋に入ってきていた。
「もう歩けるのね、流石カタリナだわ、でも大事な話があるの、とりあえず座って」
そう言ってアグニスはベットに座り、自分の膝の上をポンポンと叩いた、ここに座ってという意味だと瞬時に理解したが流石に恥ずかしいため俺はアグニスの横に座った。するとアグニスは頬を膨らませ俺を持ち上げ、自分の膝の上に俺を置いた、・・・解せぬ。
「カタリナ、あなたの体はね、とっっっっても脆いの」
うん、知ってる。
「それでね、あなたの体を強くする方法を私は知っている、でもそのためには、あなたは少し痛い思いをしなきゃいけないの」
え、まさか、
「あなたの体を強くするためには、あなたの体を壊して治してを繰り返さなきゃいけないの」
ええええええええええええ!なんでそれ知ってるんだよ!は!そうか!こいつあの儀式の開発のために人体に関して熟知してんだったわ。え、てことは昨日やった再生を繰り返すの?マジで?いやだよそんなん!
「あ、大丈夫、この睡眠薬で眠らせて、寝ている間にやるから、ただこの睡眠薬、飲んだ後、かなりの吐き気ががするのよ、それさえ耐えてくれればいいだけだから」
俺の驚いたような顔を見たのか、アグニスは水色の液体が入った小さな瓶を見せながらそう言った。
吐き気くらいならいいかな、と思い
「わかった、がまんする」
「よし、いい子ね、じゃあ早速始めちゃいましょうか、さあこれを飲んで」
そういいながら渡された睡眠薬入りの小さな瓶を持ち喉を鳴らしながら飲んだ。
・・・が、何も起こらない、意識もしっかりある。
「あれ?どういうことなの?・・・あぁなるほど、ねぇこれを強く“薬”と念じて飲んで」
そう言ってスペアであろう小さな瓶を俺に渡した。
これは“薬”これは“薬”これは“薬”これは“薬”これは“薬”これは“薬”これは“薬”
そう念じながら2本目の瓶の中身をグビッと飲み干した、直後視界が歪み、俺は意識を手放した。
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目覚めると俺は違う部屋にいた、そして今俺が寝ているベットと、その周辺にはたくさんの血がまき散らされていた。
うっわなにこのホラゲー展開!いやスプラッターなのは前世の海外製のゲームで耐性ついてるからいいけど、流石にリアルだとビビるな。
そんなことを考えながら辺りを見まわしていると闇の中から着けているエプロンが血で真っ赤に汚れた女性が来た、そうアグニスだ。
怖っ!何したらああなるんだよ!てか俺に何をした!完全にマッドサイエンティストのそれだよ!
「あごめんね、久しぶりの魔法の連続使用で疲れちゃって、こんな汚い部屋やだよね、すぐお風呂入るからね」
そう言って俺を抱え、この謎の部屋を後にして、階段を上り一階の風呂場に俺を置いて風呂の準備をした。
あれ掃除しなくていいのかな、てかこの家に地下室なんてあったんだ、たぶんアグニスの研究部屋だろうな。
そして俺は服を素早く剥ぎ取られ、浴槽にダイブさせられた。
この世界には魔道具という物があり、魔力(MP)を流し込むとその魔道具特有の効果が出るという物である、これがあるから、この世界で風呂はかなり庶民にも普及しているそうだ、ちなみにこれもアグニスから聞いた。
そして浴槽に入った俺の体や髪からはもう血が出るは出るはすぐに浴槽は真っ赤になった、マジでどんだけ壊して治してをくりかえしたんだよ。
浴槽のお湯を見て呆れていると、
「あ、今日だけだとまだ全然強くなってないから、これから毎日やるわよ」
そんな事を言い出した。
こうして俺は魔法の修行に続き、体の強化をアグニスと始めた。
前々回、主人公一人で体の強化をする的なことを言いましたが、アグニスさんとやることになりました。
次回、また時間が飛びます。