最後のエンシェントドラゴン
二話目です。
異世界転生106日目の昼過ぎ。
「……ジン、ステータスを見せて。」
うん?ステータス。
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名前:ジン・アサイ
種族:神族
神力:
従属神:アン
ドゥ
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「ジン!貴方、何があったの?」
何かあったかな?
いや、知りたくない。
何も、思い出したくない!
……こんな質問は嫌だ!!
異世界転生106日目の昼過ぎ。
「……ジン、ステータスを見せて。」
あまり見せる気にならないんだが、何かあったのだろうか?
何かが、体から抜けたような気もするが。
それも今朝から、数回感じている違和感と同じ。
これが神力なのか?
「特に変わりないよ?」
「……?まただわ。
ジン、今なにかした?」
「特に何も?どうかした?」
何かって、なんのことだろうか。
動いてもいないし、魔法も使ってないよ?
いや、神力は使ったみたいだけど。
「そう。
……私には、分かったわ。」
そういってネプは、エンシェントドラゴンの姿へと戻っていく。
俺たちは闘技場にいたはずだが、ここはネプの巣の近くだ。
いつの間に。
いや、違和感を感じているから俺が原因か?
「ジン、私を見て!私を感じて!!」
「感じているよ。その強さ、俺でも認識できる。」
現にネプは、最強の生物だ。
人間なんて話にならない。
いや、今のイリンならなんとか戦えるか?
魔人とエンシェントドラゴンの身体的な差を埋めるほど、
イリンの能力値は高いかもしれない。
「私の事、好き?」
「なんだよ、突然。
さっきからどうかしたのか?」
「もう、どうでもいいじゃない。
私のことを好きかどうか聞いているの!」
好きかどうかなんて、初めて聞かれた気がする。
子作りしろって迫られる事はあったけど。
いや、最初からそればかり求められていた気が。
「それは、好きだけどさ。
性格的な意味でも、性的な意味でも。
……うん、性的な興味が大きいです。」
「素直でよろしい!
まぁ、今はそれでいいわ。
私と一緒にいたいでしょ?」
一緒にいたいか、いたくないか、
そんな二択に答えるのか?
「さっきから、何を言ってるんだ?」
「早く答えて!」
照れくさいだろ!?
俺は日本人だぞ?奥手って言われているんだぞ?
欧米人みたいにラブラブって連呼しないんだよ!!
「……そりゃ、一緒にいたいけど。」
「心の底から?嘘偽りなく?」
「あぁ、一緒にいたい!!」
ネプはどうしたんだ?
「よろしいのでしょうか?」
「よろしいのでしょうか?」
「しー姉ぇ、ちー姉ぇ。
私は怒っているのよ?
ジンの気持ちも確認したでしょ?」
「本当に?」
「本当に?」
「誰?」
なんか、頭の中に声がするんだが。
ネプの声は耳から聞こえるが、
直接頭に響くように他の二人の声がする。
お姉さん?って、あれ?
この声って、アンとドゥに似ている気がする。
「ジン!!私と過ごしてくれるんでしょ!?」
「っうん!」
ネプは何を聞いているんだ?
まるで……そう、いな。
「早くなさい!」
「分かったわよっ!」
「分かったわよっ!」
ありがとうございました。




