第十話 吸血鬼の山
ここら辺かな。ノアが住んでいる山は……。
アメリアの目の前には大きな山があった。この山はゲームの中でノアが住んでいると言われる山だ。このままあの町にいてもノアがまた来る保証がないのでアメリア自身がノアに会いに行った。
だが山に来たものはいいものの…何処にいるかサッパリ検討がつかない。山が広すぎる。せめて、どの山にいるか教えてほしかった。ゲームの知識に出来るだけ頼りたくない自分と頼ってしまう自分がいるわ…。
さてと…とりあえず頂上付近で探すか。何か高い所が好きそうだし。でも策がなくて頂上を探す訳では無いのよ。だって下の方は人が通るわけだから吸血鬼が住んでいるわけないしね。
だから頂上付近で探すことにした。山は合計三つぐらいある。まずは今いる山に登った。運はありそうだしこの山にいるかと思った。そしたらーーやっぱり私は運を持っているのかもしれない。
ノアが木に持たれかけて座っていた。その姿はとても絵になっていた。これ、前世の世界だったら写真を取って女の子に売りさばけるわ。
「誰だ。………お前か」
「ノアが町に来るのがいつになるか分からないし。だから来ちゃった」
「来ちゃったでは済まないぞ」
目が本気だ。私はアハハ…と笑うことしか出来なかった。
「この山のことを何故知っている」
「そんなの簡単ですよ。ノアが帰った方向にはこの山しかないですし」
「……お前はそこまでして何故会いに来る」
「貴方に私を好きになってもらう為ですわ」
ノアがため息をついて頭を抱えた。そして「やれやれ」と呟いた。
そんなに来たら駄目だったのだろうか。前世の世界では「押してはダメなら引いていけ」という言葉があるが私は引くのは苦手だ。押して押して押しまくることが私にはあっている。
だがそれでレオナルドに引かれて好きになって貰えなかったが。
「ノアは何をしていたのですか」
「ただの日光浴だ」
「日光浴って…吸血鬼は日が嫌いではないのですか」
「俺はたまに日光浴をしたくなるのだ」
吸血鬼のくせに変な奴だな。日光浴がしたくなるって。
でも私はしたい事があった。その為に思い荷物を持ってわざわざこの山に出向いたのだ。
「ノアが吸血鬼が試してもいいですか!?」
「何故そんなに目がキラキラしているんだ…」
私は荷物の中から鏡を取り出した。吸血鬼は鏡に映らないと言う前世の知識がある。それを試したかったのだ。
そして私はノアに鏡を向けた。だがーー
「映っている……。ノアは吸血鬼では無いのですか」
「正確には半吸血鬼だ。人間と吸血鬼の子供だ」
ノアってそんな設定だったのね。だから名前も人間じみた名前なのか。納得した。
それに日光浴が平気なのは半分が人間だからだろうか。日中には町にお出かけをするレベルだし…。
「半吸血鬼ってことは吸血鬼が受けるダメージが半分になるのですか?」
「普通はそうだろうが俺は違う。吸血鬼としてのダメージを受けないし、吸血鬼のパワーや能力を持っている」
それ最強じゃね?ノアが吸血鬼の世界で一番強くなれるぞ。それだと。
「だが弱点もある」
何だ何だ!!めちゃくちゃ興味がある!
「やっぱり…教えるのはやめた。」
「えぇぇぇ!!それは無いですよ!」
「アメリアをついつい、いじりたくなってな。」
何かお父様と同じ事を言ってるぞ。コイツ。
そうするとノアは立ち上がり歩きはじめた。
「外で話すのは気が引ける。俺の屋敷に入れ」
意外と優しい面があるのね。感動するわ。優しい所があるのはやっぱり半分が人間だからなのかな。それだと嬉しい。吸血鬼は冷酷だと聞くからね。




