あらすじ的な…
作者は歴史に弱いです。
「 知識は無いけど書いてみたいな~ 」って思う事ありますよね?
舞台が平安時代なだけで、現代風の設定が普通に入っていたります。
「 大目にみれるよ~ 」という心の寛大な方。
「 適当に暇潰しを~ 」という方は、どうぞ暇潰しに、お読みください。
作中のルビは、正しくないかも知れませんが、敢えて使っています。
そのまま読んでください。
現代(20××年)を遡る事、千年以上前の時代────。
西暦932年の平安京────。
≪ 京の都 ≫にある《 嵩原家 》の末姫に、嵩原衛姫という名前の少女が居た。
衛姫は、強い〈 霊能力 〉を持って生まれた。
然れど、衛姫は、身体が弱く、頻繁に寝込んでしまう程に病弱だった。
衛姫の元々の容姿,可愛らしさ,雰囲気を儚さが引き立て、何時しか、衛姫を想う異性達からは〝 憂姫 〟と呼ばれる様になっていた。
実兄,実姉以外の異性も同性も衛姫にとっては、ひ弱な自分と遊んでくれる〝 大切な友達 〟であり、彼 等や彼女 等を、とても慕っていた。
異性達から向けられている邪な想いや抱かれている想いなど、知る由もなく……。
然し、衛姫に対して秘めた想いを抱いていたとしても、誰 一人として、衛姫へ自分の想いを伝え様とする者は居なかった。
皆、衛姫の傍には居られるのだが、衛姫に触れる事は許されなかったからだ。
衛姫に触れても許されているのは、身内と同性と元服を迎えていない子供のみだった。
間違って異性が衛姫に触れてしまうと、触れた者は瞬時に被害を受けた。
被害は様々で、遠くへ吹っ飛ばされる者も居れば、全身に重傷を負う者も居り、着衣が切り裂かれ、公衆の面前で辱しめを受ける者も居れば、一命を取り止めれたものの、一ヶ月は寝たきりとなり、養生しなければならなくなる者も居た。
その様な不思議な現象が起こる為、身内以外の子供を除く異性は、衛姫に触れる事すら出来ないのである。
異性から衛姫を遠ざけているのは、衛姫にしか見えない存在だった。
衛姫の〈 霊能力 〉を〈 霊能力 〉へ変換し、衛姫に危害を加える邪な心を抱く者から守護っているのだ。
その〈 守護り手 〉は、自らを〝 衛姫を守護る〈 式神 〉〟と名乗っていた。
衛姫が、この世に生を受けた瞬間に出現し、それからずっと衛姫を守護り続けているのだ。
〈 式神 〉の名は〈 玄武 〉という。
衛姫の家族(実父,実母,実兄,実姉)は、『 我等の可愛い衛姫は〝 得体の知れないに何か 〟に憑かれている 』と思っていた。
その〝 得体の知れない何か 〟から、両目に入れても痛くはない可愛い可愛い末姫を何とかして助けたいと思った家族は、衛姫には詳しい事情を話さずに、様々な手を尽くした。
然れど、衛姫に憑いている〝 得体の知れない何か 〟は、衛姫から離れるには至らなかった。
思い付く限りの あらゆる手段を試し、形而下的な最善は尽くしたにも関わらず、何の効果も得られず、期待する様な結果が出る事は無かった。
家族は次第に〝 得体の知れない何か 〟の存在を恐れ出したが、衛姫から〝 玄武 〟という名前を聞いた途端に〝 得体の知れない何か 〟の存在に対して、態度を改めた。
衛姫は〈 四神 〉の 一神である〈 玄武 〉に〝 守護られている 〟と解釈したのだ。
病弱で身を護る術を持たない無防備な嫁入り前の娘が〈 四神 〉の 一神である〈 玄武 〉から〝 守護られている 〟──否〝 守護って戴いている 〟のだと考え方を善意に解した。
この噂は、瞬く間に≪ 京の都 ≫へ弘まった。
≪ 京の都 ≫では〈 四神 〉の 一神である〈 玄武 〉が〝 守護っている高貴な生まれの姫 〟の話で持ちきりとなった。
大して高貴な生まれでは無いのであるが……、一目、衛姫に肖りたいと、ひっきりなしに《 嵩原家 》に人が訪ねて来る様になった。
然し、衛姫は病弱な為、人と会う事は極力 避けていた。
一四歳を迎えた衛姫の元へ、幾つもの縁談が舞い込んで来た。
≪ 京の都 ≫で裕福な暮らしをしている異性達からだ。
毎日の様に届く恋文や品物の数々に、衛姫は困り果てていた。
そんなある日、衛姫は〈 玄武 〉へ ある事を尋ねたのだった────。




