39話
ここまでで学園編は終わりです。
「気分はどうだ?」
水をかけられた事で目が覚めた。
両手は拘束されているし、目の前の鉄格子がここが牢獄である事を教えてくれる。
すでに1週間は投獄されている。
「簡単に気絶してんじゃねぇーぞ!」
「はっ、こいつ王女殺しのくせに生意気な目でみやがる」
「そういや、今頃王女の遺体が運ばれてる最中だろ?」
「噂じゃ聖王国で解剖でもされるんじゃって聞いたがなぁ?
何せ、聖女様だ。聖遺物にでもなって魔道具にでも加工されんじゃねーの?
まぁコイツの首で戦争は無くなるみたいだけどよぉ」
黙って、看守をにらみつける。
尋問など一切されていない。
事情や事件について全く聴かれない。
衛兵達も牢獄の看守すらも最初から仕組まれていたのだろう。
「侯爵様の命令だ。死なない程度に痛めつけておけ!」
看守の上役がそういうと二人の看守に棒で叩かれる。
既に上半身はあざだらけだ。
魔力を込めてみるも手枷が魔道具らしく魔力が霧散してまともに使えない。
「グッ・・・」
口元が切れたらしくたらりと口元から液体が流れる感じがする。
両腕を吊られた体制で地面に座りこまされている。
睡眠や食事すら最低限だ。
「はははっみろよ!こいつ泣いてやがるぞ?」
「よっぽど悔しんだろうぜ?」
そう言いながら棒を振るう。
ストレス解消に獲物をいたぶる様に。
「おい、お前。王女殺しの罪人には公開処刑がまってるらしいぜ?」
そう言うと頭を棒で殴られ血が流れ落ちてくる。
「おい、あんまりやりすぎるなよ?」
「大丈夫だって。一応ポーションかけとくからよ」
看守2人は楽しそうに僕を殴る蹴るの暴行を繰り返す。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
もう疲れた。もう疲れたもう疲れたもう疲れたもう疲れたもう疲れた
いっそ殺せよ。殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ
今のうちに殺しておけよ・・・
大事な者を失う事で空いてしまった心の穴。
しかしそこには復讐心が埋め尽くされている。
この国は終わってるのかな?
貴族が終わってるのか?
父が居る。兄が居る。そんな事はないんだ。
ただ、悪人が権力を持っているだけだ。
だから・・・まだ・・・この感情を押さえつけなくてはいけない。
それから一日が経った。
復讐心を押さえつけるように食いしばり看守をにらみつける。
「まだまだ元気そうじゃねーか?」
「またっく、まともに喋れねーようにぶち壊しとけってのは難しいぜ」
「しかたねーだろうが、公開処刑で騒がれてもまずいんだろうさ」
交代で別の看守がやってきた。
「いいから、ぶちのめしとけ!」
頭からポーションが掛けられる。
それにより体の治癒力が活性化し傷だけがすこしだけ回復していく。
そのまま、髪を掴まれて顔をあげさせられた。
「いい事を教えてやるよ。
お前の親父の男爵様は昨日お亡くなりになりましたぜぇ?」
「なん、だと・・・なんで・・・」
なんで父が死んだ?意味が解らない。
「お前の罪を取り消すように言ったらしくてなぁ。
その後、一家が賊に襲われて皆あの世行きだ」
「よかったなぁ。お前が次期当主様だ。ぎゃはははは」
「だがよ~生きてりゃの話だろう?ぎゃははは」
心の中が憎悪で満たされる。
父や兄が殺された。家族と呼べるものが居なくなった。
大切な人を誰一人守れやしない。
強くなったつもりで上には上が居る事を考えなかった。
あの剣士すら瞬殺できる強さがあればよかったのに。
家族を裏切るこの国を許せそうにない。
ああ、もういっそのことこの国なんて滅べばいい。
アクシアが居ない世界に意味なんてない。
もう俺の存在する意味がなかった。
いや、もう無いんだ・・・。
そして辺りが急に静かになって行く・・・
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次章考え中で・・・このあたりで毎日更新が厳しいかなぁと。




