序章.大乱の始まり
筑紫島に存在する倭国。
約30の地方都市からなる連合国家であり、人々は平和な暮らしをおくっていた。
ある日のこと、連合国家盟主国:高天原の国王である伊耶那岐と王妃である伊耶那美が……大喧嘩した。
壮絶なる喧嘩の後遺症により倭国は大いに乱れ、地方都市がそれぞれ独立を宣言。
世は戦国期に突入した。
数年が経過し、奴国が筑紫島の北部の大半を制圧、統一に向けて他国を大きくリードした。
調子にのってしまった奴国国王:帥升は、支配者である証として、黄金で出来た王である印:金印を作成するなど、筑紫島の支配者を気取っていた。
しかし「驕れるものは久しからず」とはよくいったもの。
他方で勢力を拡大していた邪馬台国の陰謀により、大きく戦力・国土を削られ、筑紫島北部にある小さな島へと追い込まれることとなってしまった。
そのショックから、病に倒れ、病床についた帥升は、最後の時を迎えていた。
「おのれ、邪馬台国女王天照よ!」
帥升は、目から血の涙を流しながら最後の力を振り絞り、集まった王太子を始めとする重臣達に告げた。
「必ず返り咲いて、邪馬台国の女王天照を討て。そしてその首を私の墓前に備え、その後は筑紫島の統一を果たすのだ。」
そうして、王太子の手を取り
「…頼んだ…ぞ…」
息を引き取った。
「ちっ、父上殿~ッ!!」
「うぉおおお~ッ!おのれ邪馬台国、おのれ天照!」
「いつか国力を回復させ、必ず返り咲いてみせるぞ。その時まで首を洗って待っているがいい!」
はたして奴国の逆襲はなるのか?