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豪華メロン付フルーツバスケット

「さあ皆さん、それでは参りましょう」

アイリスさんの号令で私達は、地下十階階層ボスモンスターの部屋に入る事になった。


「......アイリス、何か少し前に同じ様な号令を聞いた気がするの」

「......そうねリーナ、私もそう思うわ」

「早かったね」

「早かったですわね」


私とジーク様は、女神様が趣味で作った本気迷宮を踏破した事もあるので、

今更大根や玉葱のモンスターに手こずる訳も無い。


アイリスさんは、辺境伯令嬢と言う事で幼い頃から

剣の修行をしていたので学生レベルでは無かった。


意外だったのがレナード王子で、剣も魔法も体術も突出して強い訳では無かったけど、

どれも高レベルで纏まっている、特に指揮能力が高かった。

格下モンスター相手でも油断せずにキッチリと最適なフォーメーションを指示する。

なかなか出来る物ではない。

クラブ長は、アイリスさんだけど、パーティリーダーは王子に任せた。


別の意味で意外だったのがピンクちゃん、初級回復魔法しか使えなかった。

それは、聖女って呼べるのかしら。

ただ、無駄に魔力だけはあったので、初級ポーションポットさんになれそうだ。

ここまで来る間は、一切役に立たなかったけど。


「ジーク様、ここのボスはどんなモンスターですか?」

「階層ボスモンスターが固定されていない階層も結構あるんだけど、

ここの階層ボスモンスターは、ある程度ランダムかな。

レアボスなら確か、メロンのモンスターで魅力系の魔法を使うみたいだ」

「そうですか」


何となくボスモンスターが分かったかも知れない。


「レナード殿下、無いと思いますが戦況が悪かったら撤退指示をお願いします」

「ああ分かった、それでは行くとしよう」


王子が大きな門に手を触れると、ボス部屋の中に入った。


「あそこで光っている魔法陣に乗れば部屋から出れる、

部屋の中央に近づくまで、敵ボスは出て来ないので、

まず退路の確認をして欲しい。

例外があるかも知れないので注意だけは怠らないよう」


ジーク様の言葉に皆が頷いた。

パーティリーダーは王子様だけど、迷宮なんてジーク様と私くらいしか入った事がない。


私達は、退路の魔法陣の場所を確認するとジーク様を先頭に部屋の中央に近づいて行った。


部屋の中央が光ると、光の中から巨大なメロンっぽいモンスターが出現した。


「全員正面から、リーナ嬢中断で味方魅力解除優先、私は状況に応じて前中衛」


アイリスとジーク様とピンクちゃんは、基本的に位置が決まっているので、

王子様は、パーティ全体の隊列、私への指示、王子様の行動を宣言をした。


敵ボスが分かって入れば、事前に打ち合わせ出来るけど、

今回はランダムボスなので仕方がない。


ジーク様が敵を惹き付け、アイリスが左側のジーク様盾方向から攻撃、

王子は無難に火魔法で攻撃する。


私は味方が魅力にかかった場合の解除に備えつつ、雷矢で攻撃。

聖女は、後ろで声援をおくっている、運動部のマネージャーのようだ。


一分も経たずにメロンボスを倒した。


「魅力使って来なかったですわね」

「特殊な攻撃は、大抵ある程度モンスターの体力が減ってから使って来るからね、

今回は、一定の体力が減ってから倒すまでの時間が短すぎて、使う間も無かったんだろう」


アイリスの疑問にジーク様が応えてあげた。


「お楽しみタイムですね」


私がそう言うと光と共に消滅したメロンモンスターからドロップしたアイテムがあらわれた。

豪華メロンつきフルーツバスケットだった。


「私は遠慮する」

「私も王子と同じく、女性陣でどうぞ」


王子もメロン大好きそうなのに紳士である。

ジーク様もいつも通りに優しい。


「それでは、お言葉に甘えて女性陣で三等分しましょう、

私の分は殿下と半分ずつ食べます」

「私もジーク様と一緒に食べます」

私達二人はそう答えた。


「折角王子の私が譲ったんだから遠慮は不要だ」

「いいえ、部長命令ですわ、半分ずつ食べましょう」

「なんだその部長命令は、まあ初めての階層ボスの報酬だし、

二人で仲良く食べるとするか」


アイリスは、真っ赤になって頷いている。


「ジーク様は何がお好きですか」

「ありがとうリーナ、だけど果物類は母上と妹が好きだったので、

家では譲っていたので良く分からないんだ。

私の分を余計に用意しても結局妹達にあげてしまうからね」

「優しいんですね、それでは私が少しずつ食べさせてあげますから、

好みのがあったら教えて下さい」

「ありがとう、ではリーナの分は私が食べさせてあげよう」


王族と超上位貴族の仲良しカップル達がいた。

とても人前では見せられない......忘れてた。


「そのいっぱい食べれてお得ですね」

「そ、そうですわね、良かったですわね」


私の言葉にアイリスも気がついて一生懸命にピンクちゃんをフォローした。


「ちっとも良くないわよ!!」


どうやらフォローに失敗した様だ、むしろ死体蹴りだった。

ピンクちゃん、この先はいばらの道よ。







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