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赤い星のリンカーネーション  作者: 鳥皿鳥助
7章 第一次侵攻戦
76/94

第72話 機械の向こう側にある現実






 妨害に失敗したデリート・エフェクターはたった一射でリンカー達に甚大な被害を与えた。

 その復旧には本来リンカーも駆り出される程の物であるのだが、現状はそうなっていない。


「……やっぱり俺の方じゃログイン出来ねぇ」

『僕達もです』

『どうやらマシントラブルの類じゃないっぽいな』

「事情を知ってそうなクレナは連絡つかねぇし、一体どうしたモンか……」

『無事だと良いが……っと、ホームページに情報来てるぞ』


 CAは戦闘終了後にログイン不能となった。

 ES社のホームページによればそれは不具合では無く意図したモノであり、事情は記者会見を行うそうだ。


『SNSじゃ他タイトルの内部でも映像が中継されるとかって噂になってるぞ』

「思ったより深刻になりそうだな……」


 盛り上がりを察知したまとめサイトやニュースサイトも既に動き出し、憶測が憶測を呼んで数時間。

 ジンはタイトやユウトと集合し、街中にあるカラオケボックスへと入っていた。


「ってかお前ら兄弟だったのか……」

「あれ、言ってなかったっけ?」

「言ってなかったかもですね。ちなみにタイトが兄で、僕が弟ですよ」

「ほ~……」

「いやもうちょっと興味持てよ!!」

「野郎の家族事情は別に。それより、中継始まるぞ」


 ジンはスマホを数度操作して机に置く。

 タイトは文句を言いたそうにしていたが何とか飲み込み、会見へとその意識を向けた。


『本日は会見にお越し頂きありがとうございます。そしてCAプレイヤーの皆様には不便をおかけし、誠に申し訳ありません』


 数名の社員がサポートしているものの、基本はES社の社長である星野影郎が一人で会見を進めている。


『さて……あまり時間も無いので単刀直入にお話させて頂きます。本日皆様にお伝えしたいのは、“ルブルム・テルースは実在の星である”と言うことです』


 影狼の言葉には誰も反応する事が出来ない。

 静かな会場の中、彼は一人話しを続ける。


『つまり、我々はCAプレイヤーを無断で現実の戦いへ加担させていた。真実を隠してプレイヤーを騙した事、誠に申し訳なく思う』

「何だと……?」

「マジか!?」

「リアルだとは思っていましたが……」


 改めて頭を下げる影狼に対し、会場の人間は未だ誰も何も言えずに居る。

 だが記者の一人は質問をすることが出来た。


『質問を、させて下さい……CAが現実の出来事だと言う証拠はあるのでしょうか?』

『そろそろ宇宙にアンテナを貼る機関が遠くの星に未知の発光を観測する頃だろう。それが証拠だ』

「デリート・エフェクターか……」

「見つかるモノなんですかね?」

「あんだけ派手にやりゃあ見つかるだろうさ。直前まで一切予兆も無かったしな」


 リンカーは事前情報のお陰である意味落ち着いて会見を聞いていられる。

 だが全て初見となる会場の人々にとっては驚愕の連続だろう。


『おそらく敵は地球とリンカーの関係性を理解している。そしてここにまで攻撃の届きうる兵器が彼の手に渡ってしまった以上、我々は形振り構っていられない』


 情報を秘匿していたのは混乱を避け人手を確保する為であり、今回こうして情報を開示したのは取れる手段を増やし士気増やす為である。

 影狼の説明は更に続く。


『ルブルム・テルースだけでなくこの地球も危機に晒されている以上、リンカー……すなわちCAプレイヤーが力を合わて世界を救うしか無い』

「リンカーが力を合わせるしか無い現状だけど、そう出来るのもリンカー達だけ……」

「難しい状況だな」


 ES社の取った行動は騙した相手を追い詰め、更に選択肢を奪う状態に等しい。

 非難されるべき行為であると理解した記者からは次々と心無い質問が飛び交った。


『勿論私も自ら戦闘を行う。私に強制する事は出来ないが、これまで戦ってくれたリンカー諸君にも協力を頼みたい』


 影狼は記者の無責任な質問には答えず、ただ頭を下げる。

 その対応がどのような影響を与えるのかは後にならなければ分からないだろう。


『この話を聞いて我が企業に反感を抱いた方はもうCAをプレイしないで欲しい。金銭的保証には応じる方針だ。……検討を祈る」






――――――――――――――――――――






【情報は】ES社の会見について Part6【正確に】


ここは先程行われたES社の会見に関する雑談を行う場所です

共有する情報はなるべく公式発表の物にして下さい



78:名無しのリンカー

で、俺ら裏切られてたらしいけどお前らはどう思うのよ


79:名無しのリンカー

楽しかったのでOK


80:名無しのリンカー

それよりも早くもう一度やらせてくれ


81:名無しのリンカー

悪いと思うならログイン制限撤回早くしろ


82:名無しのリンカー

制限解除は数時間後だってよ


83:名無しのリンカー

>>72

社長はプレイヤーの8割が離反して暴徒化すると予想してたらしいから、待ち時間はそいつらどうにかする為の時間だったんじゃね


84:名無しのリンカー

どうにか(強制鎮圧)


85:名無しのリンカー

ES社もファントム・エクスみたいな動きは出来んやろ……出来んよね?


86:名無しのリンカー

>>83

あとは考えをまとめさせる為とか?


87:名無しのリンカー

地球にCAは無くとも千景さんは居る可能性があるし、そっちの面から鎮圧って方法だったのかね


88:名無しのリンカー

いつぞやにハッカー共がそんな話をしてたな


89:名無しのリンカー

>>78

悩みはするが……

今更見捨てられんだろ


90:名無しのリンカー

わかる


91:名無しのリンカー

白状云々じゃなくてキリが悪いよな


92:名無しのリンカー

そういえばES社は元々農業器具も作っていたんだよな

んで第七世代CAがリコイルスターター式だったらしいけど、これって見る人が見れば分かるヒントだったろ


93:名無しのリンカー

んなの数少なかったし言われても分からんて


94:名無しのリンカー

一般人には触れねぇんだよ第七世代ィ!!


95:名無しのリンカー

A-KEとか一部のメカニックが研究用に保管してるって話だったな


96:名無しのリンカー

最近だとESFってユニオンの奴が乗り回してたような気がするが……

ありゃ何だったんだろうな?


97:名無しのリンカー

つーか俺達がまたルブルムに行くのは良いよ

だが星を超えた交流ってなると、一体どう動くべきなのかねぇ


98:名無しのリンカー

>>96

使える機体無かったから緊急的に借りたらしいという噂を聞いた


99:名無しのリンカー

今まで通りで良いんじゃね


100:名無しのリンカー

たしかに


101:名無しのリンカー

今更何を変えろってんだろうな?


102:名無しのリンカー

変わるには変わったもんな、最初の段階で


103:名無しのリンカー

あの時も今も良い働きするよなファントム・エクス


104:名無しのリンカー

A-KEとファントム・エクスの一部は最初から全て知っていたらしいけど、それならあの特権具合と動きにも納得が行くわ


105:名無しのリンカー

あ、そういやファントム・エクスの所属人数って今どうなってるんだ?


106:名無しのリンカー

と言うと


107:名無しのリンカー

一番貢献したけど一番騙してたのアイツらで、騙されてたの一般リンカーじゃん

何か離散したりしてそうじゃない?


108:名無しのリンカー

罵倒も全て受け入れた上で、去るも留まるも全て本人次第……ってルナクスさんとクレイ爺さんが発表してたぞ


109:名無しのリンカー

社員の居場所も全て公開されたが、やっぱファントム・エクスに集中してるんだな


110:名無しのリンカー

正確には遊撃隊のエクリプスか


111:名無しのリンカー

そりゃまぁそうだろうな


112:名無しのリンカー

つーかおい、ルナクスさんお前さん星野影狼だったのかよ!?


113:名無しのリンカー

社長何やってんすかww


114:名無しのリンカー

えぇ……


115:名無しのリンカー

会社のトップがトップレベルのユニオンリーダーでトップレベルの腕を持ったリンカーって何なんだよ……


116:名無しのリンカー

意外だけどある意味納得


117:名無しのリンカー

そりゃ頑張るわな


118:名無しのリンカー

でもA-KEの盟主が一般人ってのは結構意外だな


119:名無しのリンカー

装備開発を本気でやって貰う為にどうしても情報開示しなきゃならんかったらしい


120:名無しのリンカー

こんな話をされてもあの人は変な装備開発し続けてたのか……()


121:名無しのリンカー

>>96

ESF繋がりで思い出したがあそこのサブマスが副社長らしいな


122:名無しのリンカー

あっちもこっちも、一体どう動くのやら






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