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赤い星のリンカーネーション  作者: 鳥皿鳥助
第四章 青い海に白い砂浜、そして赤い空
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第31話 レベリングミッション4






 前回のワールドミッションから、早くも数週間が経過した。

 この頃には新たに出現した人形グルム……バロンの討伐報告が珍しく無くなり、ノーブルランクスの存在もメジャーな物となっている。


 そんな日々がしばらく続いたある日、ジンを初めとしたESFのメンバーはユニオンルームに集められた。

 勿論メンバーを招集したのはクレナであり、彼らの視線は大きなモニターへと向いている。


『――初めまして、リンカー諸君。私はメビウス総司令官のシルフだ。そして……』

『私がシルフ総司令官の優秀な秘書、リーゼンです。以後お見知りおきを~♪』

「……何これ?」

「次のイベント予告よ。まぁ大人しく見てなさい」


 モニターに映るのは華奢な見た目の青年シルフ、そして活発な印象を受ける女性リーゼンの二人。

 彼らはクレナの言う通り、新たなイベント……ワールドミッションの告知をする為に放送をしている。


『まずはルブルムの為に戦う全てのリンカーへ向け、感謝の言葉を送らせて貰う。……本当にありがとう。地球からのリンカーとは過去に何度か衝突した我々だが、これからも力を貸して貰えるとありがたい』


 シルフ総司令官の言う“衝突”、それは恐らくβテストでの事を指しているのだろう。

 ユニオン(ESF)の中で唯一事情を知っているクレナは、シルフ総司令官と同様に険しい顔をしていた。


『基本的には秘書のリーゼンが告知を担当している為、私の顔を見る機会は少ないかもしれないが……覚えておいて貰えると嬉しい』

『こんな綺麗な顔の人を忘れる訳がありませんよね? ね??』

『んっんん……リーゼン、後は任せたぞ』


 シルフ総司令官はカメラに近づくリーゼンを引き止め、エフェクトと共に姿を消した。

 どうやら生身の映像が映っていた訳では無く、立体映像での登場だったらしい。


『はいは~い♪ さて……今回の放送はワールドミッションの告知と概要、そして経緯を説明させて頂きますね――』






 ――――――――――――――――――――






 シルフ総司令官の秘書、リーゼンの告知した新たなワールドミッション。


 各地の調査が主な目的であった前回とは違い、今回は過酷なエリアでの戦闘がメイン目標として設定されている。

 それにより参加に必要な最低リンクレベルが、3から4に引き上げられる事となった。


 現状のジンはその条件からギリギリ外れる、リンクレベル3。次のワールドミッションに参加するには、リンクレベルを上げる必要があった。

 だがその為には多くの戦場で多くのカテゴリー3のグルムを倒さなければならず、ジンを初めとした多くの脱初心者レベルのリンカー(プレイヤー)はルブルムへと赴く必要がある。


 たがジンの仲間達であるE(Exceed)S(Star)F(Fighters)のリンカーは、各々が一時的に個人行動を取っていた。

 理由は機体の整備であったり機体の調整であったり、様々な理由だ。


「――よーし、コレで残りは何機だ?」

「残り十機です」

「オーケーオーケー」


 つまりジンは一人でルブルム各地を走り回り、グルムを殲滅して回っている。

 もっともいくつかの激戦を乗り越えた時にノルマの多くは達成されており、目標までの残りは僅かとなっているのだが。


「サクッとやっちゃうかぁ!!」


 ジンは比較的機動力の高い、パワードフェーズで戦場を駆け回っている。

 以前のような油断こそしていない……が、その行動は大胆で攻めた物になっていた。


「残り目標三機。次の目標をメインモニターに表示します」

「順調でよーし!」


 アルゴン(ジン)が走り回る各地の戦場では、ヘンリー博士の宣言していた通りに列車系のサポート兵器が活躍するようになっていた。


 現状はシディウムで構成された仮拠点である、インスタント(Instant)ベース(Bass)……通称IB。

 そしてリンカー(プレイヤー)の攻撃支援を担うヴァイパーしか運用されていないが、既にいくつかの車両が登場すると示唆されている。


 ちなみにシディウムとIBは、既に配置された場所であれば無償で利用可能。

 ヴァイパーに至っては一人一両無償で提供、以降は一人につき十両まで購入が可能なようだ。



 ジンは戦場を草原から森へと移し、尚も連戦を続けている。

 この辺りはカテゴリー2の機体が多くカテゴリー3の機体が少ない為、多少の深追いをしなければならないのだ。


 ジンは各地に配置されたIBで補給を受けつつ、グルムを殲滅して回る。

 だが――


「――あっ、やべ……レーザーライフル持ってくるの忘れたわ」

「少々割高にはなりますが、近くのIBから武装の転送が出来ますよ」

「マジで? 注文しちゃおうぜ」

「了解しました、通常型レーザーライフルの発送を注文します」


 アルがレーザーライフルを注文すると同時に、IB(シディウム)には赤く細い光が降り注いでいた。

 すぐに消えてしまった光はレーザーライフルを残して消え、そのレーザーライフルはコンテナに梱包されてカタパルトへ移送。


 アルゴンが戦闘を繰り広げている地域の上空へと射出された。


「まもなく到着します」

「おぉ、すげー! 爆速達便じゃん!!」


 少し前にジン達が巻き込まれた二つの実験。

 その時に試された技術は実用化され、直接的に彼ら……ひいてはリンカー(プレイヤー)全体を手助けする結果となっていた。






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