閑話 穴埋め
ワールドミッションでグルム研究所……現在のカウス01へ向かった大部隊の中には、以前ジンと共に戦ったジェムズに所属するエイジの姿もあった。
そしてその戦場でマキシマムウェポンを使用したのは彼である。
エイジはその穴埋めとして、ルナクスから新たな機体を譲渡……そしてファントム・エクス盟主、ルナクスから直々の手解きを受けていた。
「――クッ……!」
「大丈夫かね? エイジ君。そのマントは出来れば付けていて欲しいが……邪魔であれば外しても構わないのだぞ?」
「大丈夫です、機体の特性は大分掴めてきましたから! それにこのマントも、絶対に使いこなして見せます!!」
エイジの与えられた機体、その名はアダマント。
白をベースとして、金のラインを入れた軽量二脚の機体だ。
この機体はルナクスが乗るルクシオンのダウングレード品であり、近距離~中距離での戦闘が得意という特性を持っている。
そうした特性は機体と共に渡された専用兵装にも現れており、エイジの受け取った兵装は全て中距離以下で使用する物であった。
更にアダマントの背では銀に光り輝くマントが装備されている。
これは元々ルクシオンに搭載予定だった物らしいのだが、実際には使用されずこうしてアダマントに装備されたようだ。
ルナクス曰く性能は無駄に良く、まともな攻撃では汚れ一つ付かないそうだ。
そうした機体の性質を大まかに把握したエイジだが、現在の彼は“それ以外”の部分で苦戦していた。
エイジはルナクスの度重なる連撃に対抗し、必死に喰らいついて反撃を狙っていた。
だが素早い連撃の一つ一つに気を取られ、エイジの集中力は大きく削がれていた。
「ふむ、どうやら君は娘と同じく“見えすぎる”タイプのようだな。少し休憩としよう」
「はぁ……はぁ……僕はどうしたら良いんでしょうか……」
「何、キミが最初では無い。君は恐らくカウンター戦法を取るのが良いだろう」
「カウンター……ですか?」
「あぁ、カウンターだ。あまり得意では無いが……私が手本を見せてやろう」
「ありがとうございます、よろしくお願いしますっ!!」
「さぁ、来いエイジ君……」
太刀を構えるルクシオンへ、アダマントは素直に斬りかかる。
ルクシオンは手に持つ太刀でアダマントの剣を受け止めると、その勢いを横へ流し跳ね上げた。
「――ッ!」
そして仕上げとして、刃をアダマントの首元へ向ける。
「……これがカウンターだ。理解出来たか?」
「はい!」
「よろしい、ではもう少し練習を手伝ってやろう」
「ありがとうございます、よろしくお願いしますっ!!」
こうしてエイジの修行は始まった。
「甘い! ただ素早く動くだけが回避にあらず、相手の攻撃をしっかりと読んで避けてこその回避だッ!!」
「貴様のそれはただ左右に動いているだけだ……相手の攻撃を読まぬ回避に、意味など無いぞ!!」
「まだまだ……! お願いしますっ!!」
新たな機体を駆り、新たな技術を会得しつつあるエイジ。
彼がジン達と肩を並べるのは、もう少し先の出来事である――




