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赤い星のリンカーネーション  作者: 鳥皿鳥助
二章 その名は星を越える戦士たち
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第13話 加入の条件






 ジンと合流したクレナはネイト達の工房とは違う方向、プレイベートルーム寄りのエリアへと向かった。

 メビウス内に設置された景観用オブジェクトの前には誰かが立っており、クレナはその人物へと声をかける。


「こんにちは、タイトさんで合ってるかしら?」

「ん? あぁ、アンタがクレナさんか。そっちはジンさん……で合ってるか? 」

「どーも、俺がジンだ。よろしくな」


 その人物とは全身工具まみれの繋ぎを着た青年、タイトだ。


 クレナとタイトは初対面同士らしいが、ジンはその顔に見覚えがある。

 しばらく考え込むジンだったが、やがてエアスト防衛戦の出撃前に見かけた胡散臭い奴だ……という事を思い出した。


「おう、よろしく。で今日はユニオンの誘い……で合ってたか?」

「えぇ、合ってるわ」

「単刀直入に言わせて貰うと、加入にはいくつかの条件を付けさせてくれ」






 ――――――――――――――――――――






 タイトに提示された条件を達成する為、ジンとクレナはカテゴリー2のグルム討伐へ赴いていた。


 その対象は動物系グルムの一種であるドゥーズカニス。

 エアストから少し遠くのパルウム(小さな都市)にてその姿が確認されている。


 データ収集も兼ねて出撃したアルゴンだが、ジンの操縦と機体の成長により完璧な着地を見せた。


「――っし、上手く行った!」

「嬉しいのは結構だけど、前みたいに油断しないでよ?」

「分かってるっての。……んじゃあ、いっちょお仕事と行きますかね」


 二人の並びは事前に決められており、フェンサー(クレナ)が前衛でアルゴン(ジン)が後衛となっている。


 VFの時であれば二人で前衛を担っていたが、今のジンにはメインで使用出来る遠距離攻撃手段が存在する。

 そして索敵センサーはフェンサーの方が優秀な為、こうした陣形へと落ち着いたのだ。


「敵機確認、数は十……目標のチェイスドックは一番奥だよ」

コチラ(アルゴン)の画面にも敵機マーカーを反映します」

「サンキュー」


 早速クレナ機(ミドリ)が敵機を発見し、いくつかの付随する情報がメインモニターへと映し出された。


「足が速いのはそっちに任せるわ」

「相性悪い方を押し付けんのかよ……。りょーかいりょーかい、まぁ何とかなるだろ!」

「……そうしたマスターの軽率な行動に付き合わされる私の苦労も考えて下さい」

「悪い悪い、でもそこはお互い様だ」


 軽口を叩いていたジンだが、敵機が近づくとその顔は真面目な物へと変化していった。

 ジンは左右のレバーをしっかり握り込み、前を見据える。


 しばらくするとミドリの報告通り、混合編成のクルスとドゥーズカニスが飛び出してきた。

 ビルの隙間からバッタリ……という現状になっているが、まずは遠距離攻撃による牽制合戦が始まった。


 そうすると土埃が巻き上がり、群れの中から一機や二機が消えていても気付きにくい物である。


「――右です」

「ま、そう来るわな」


 いつの間にか居なくなっていたドゥーズカニスはアルゴンの横へ回り、飛びかかっていた。

 同時に前からはクルス達のミサイルが飛んできている。


 クルスの持つミサイルはCA基準で見ると非常にショボい威力であり、大抵は無視する事が出来る。

 だがジンはレーザーライフルを捨て、ドゥーズカニスを掴んだ。


 そして普通であればそこで始末する相手を、彼は前方へ向けて盾とした。

 これには流石のクルスも戸惑い、『あっ、やべ……』といった声が聞こえそうな動作をしている。


 だがそうした怯みを見せた瞬間、他のグルムを始末したクレナが背後から斬り伏せ爆発四散した。

 中には強襲に対応する個体も存在したが、クレナはその全てを簡単に始末していく。


 一方のジン(アルゴン)と言えば、ドゥーズカニスを掴んだまま観察していた。


「結構頑丈なんだな、コイツ」

「と言うより、クルスが弱いだけです。カテゴリー1は所詮、旧世代兵器の集まりですから」

「なるほどな……っと」


 しばらくするとそれも飽きたらしく、ジンはバスターソードでドゥーズカニスの首を刎ねて始末した。


「ふー、こんな感じでどうかねクレナさんや」

「大分やれるようになったんじゃない? 正直この段階でここまで来れるとは思ってなかったわ」

「そりゃどーも。……んじゃ帰るか」

「えぇ」


 タイトを仲間にする最初の条件、それを達成した二人はメビウスへ帰還した。






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