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黒の英雄譚 ~漆黒の女帝~  作者: 涙目 ホクロ
職人の街 ファージ
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第47話 作戦会議

ファージの街に着くころにはもう日が沈んでいた。

ファージの街の状況は変わらず最悪だ。

街を囲う感じに生き残っていた魔物たちが円陣を組んでいる。だが生き残った魔物たちに動きはなかった。

何でもこの魔物たちは昼行性の為、夜には活動しないのだとか。

仮にオレがこの魔物たちを殲滅させてもいいが、バチョフ曰く休んでいる時こそ攻撃してはならないらしい。

理由一は、は休みを邪魔された魔物たちは普段より凶暴性が増すからだ。

理由二は、アトラスは先程の大雨を降らせたせいで魔力がなくなったらしい。

そして理由三は、ティターニアの扱う炎を使い殲滅しようと考えたが、街を覆うゲンブの結界に燃え移る可能性があったため却下された。

勿論、オレが直接魔物の軍団に殴り込んで討伐戦をしてもいいが時間がかかるし、そのことが他の魔物への刺激となって街へ影響があると考えたため自重した。



「見張りの方曰く、今のところ魔物たちは動く気配がないとのことです。ですのでこの時間を使って今現状のことと皆様が体験したことを報告し、今後の対策を練る時間にしましょう。」


キツナの凛とした声が部屋に響く。

結局この時間を使い冒険者ギルドにて会議が行われる形となった。

出席してるのは軍の方からはバチョフとカガトそれに護衛の兵二人、冒険者ギルドのオキナさんと四名の冒険者、そしてオレとキツナ、ヒョウの計十二名だ。

ちなみにこの会議を提案したのはキツナだ。


「ではまず、バチョフ様から現状の報告及びにこれからの動きをご報告お願いします。」

「承知した。オレ達第八部隊は現在は街の中に侵入してきた魔物を捜索及びに見つけ次第殲滅中といったところだ。それと先程帝国に早馬を出した、帝国の他の軍が来ればこの状況を打破できるだろう。何せオレの部隊は守りの部隊だから打って出るということはできない。」

「ご報告感謝いたします。」


どうやらバチョフは防衛戦をするつもりらしい。

確かに来る途中バチョフの隊が、魔物を討伐する光景を見たが防御以外の個々の戦闘能力は低く集団で一体を相手にする感じだった。バチョフとカガトは別だろうが。


「次にオキナさん、冒険者ギルドの動きをお願いします。」

「うむ。冒険者ギルドは継続して街の住人の避難指示と救出活動に当たっている。また配給を行ったり、ゴーレムを使い魔物の残骸を処理をしている感じかのぉ。」


ゴーレムを動かす権利は冒険者ギルドにあるのか。

ここの冒険者ギルドが持つ権力は意外とでかいとみていいな。


「ゴーレムは最大で何体まで出せますか?」

「すでに全て出している状態じゃ。」


キツナの質問に対して、オキナさんが答える。

街全体を索敵スキルの範囲とし、今出現しているゴーレムの数を確認する。

十、二十、三十、いやもっといる!?

捜索する範囲を広げていくにつれ反応の数も増えてくる。

いくらなんでも住人を救助するにはいくらなんでも多すぎないか?


「どうやら嬢ちゃんは気づいたようだな。住人を助ける為とはいえ幾らなんでも多過ぎるんじゃないかってことだろう?」


オキナさんがこちらを向いて告げる。

勘づかれた、亀の甲より年の功という奴だろうか。


「えぇ、確かに疑問に思います。何故こんなにもゴーレムがいるのか。」

「忘れてはいかんぞ、ファージの街は職人の街。しかも街を作ったのは陽炎のクレナ様、またの名を『発明の父』。そしてクレナ様が最も得意としておった発明がゴーレムの発明。故にこの街にはゴーレムは自然と湧いてくるのじゃ。」


オレの質問に対してオキナさんが答えてくれたがここはあえてはっきり言おう。


何を言っているのか理解できない。


ゴーレムが湧く? そんな主婦の天敵のGみたいな感じでか?

全くイメージが付かない。


「それはどうゆうことですかオキナ殿? 出来ればもう少しかみ砕いて説明していただきたい。」


バチョフが声を荒らげてオキナさんに質問する。

バチョフの様子を見る限り、この事は帝国も知らないことなのだろう。


「この街の地中には一定数のゴーレムを生み出すクレナ様の発明品が埋まっている。どこに埋まっているかはワシら住人は知らないがこの街のどこかに埋まっている発明品のお陰で、祭りの時に起きた魔族の襲来も迅速に解決することができたのじゃ。」


クレナの発明か。

ん、だとしたらゴーレムたちは何故オキナさんのゆうことを聞くんだ?


「しかし、それではなぜオキナさんの言う事をゴーレムが聞くのですか?」


キツナもオレと同じ事を疑問に思ったようだ。


「簡単じゃよ。作られたゴーレムたちはクレナ様の血を受け継ぐ者の言う事を聞くようにされているからな。」

「えっと……それはつまり、貴方はクレナの」

「様をつけないと罰が当たるぞい黒い嬢ちゃん。そうだ、ワシはクレナ様の末裔じゃ」


どうしたらこうなるのだろう?

クレナは女の子と思ってしまうくらい可憐な男の子だったはず。

だったらどうしてッ!? どこで遺伝子を間違えたら、こんな筋骨隆々なジジイになるんだ!!


「認めないし認めたくない――」

「――あの雪様?」

「はい?」

「ですからその雪様が体験したことをお話させて頂けたらなと」

「あ、ああ。分かった。」


気づかないうちにオレの番が回ってきていたようだ。

周りが変にこちらに注目しているが、気にしたら負けだ。

うん、絶対に。


「迷宮の攻略は至って簡単だった。そう最後のエリアまでは……」


オレは迷宮で起こったことを話した。

ジヤが魔族落ちしていて魔族に連れていかれたことこと、伯爵クラスの魔族が現れたこと。

そして魔物を一掃するために大雨を降らせたこと。


「そうか、ジヤはやはり魔族になっていたか。」


オキナさんがポツリ悲しげな瞳でそう言う。

無理もないだろう。ジヤを鍛冶師の道に導いた張本人として、それで彼が苦しんでいたなんて……。

多分オレの予想をはるかに上回るくらいのショックだろうに。

みんながオキナさんの気持ちを察し、どことなく話し合いの場に哀愁の空気が漂っていた。

ただ一人を除いては……。


「皆さん、これからいうことをお願いできますか?」


キツナが妖艶に微笑んで言った。

作者は、クレナさんを男としてみていません。

男の娘として見ております。

※作者は末期

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