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さぁさぁみんな、聞いてくれ。時は過ぎ、もうすぐ私は高校三年生。今は春休みだ。え?飛ばし過ぎだって?世界は残酷なんです。


あの痴漢事件から私と花音はとっても仲良くなった。クラスも同じだったから常に一緒に行動し、登下校も常に一緒だ。羨ましかろう羨ましかろう。こんな美少女と毎日一緒にいられるなんて…。


おい今気持ち悪いとか思った奴、後でゲーム機持って私の家に来なさい。通信しようぜ。一人は寂しいんだ。

でもまぁ仕方ないか。何を隠そう、私は百合願望の持ち主だ。汗臭い乱暴な男なんかより、おしとやかでいい匂いな女の子の方が好きだ。大好きだ。愛してる。勿論、それを親やご近所さんに「私はレズです」と言う事はない。

私が中学校の友達が誰も行かない、春妃已女子高校に進学したのはこの百合願望のためである。流石にこの私でも、将来は男と結婚する。うぇー。だから高校生活、たった三年間だけでいいから、私は女の子に囲まれた生活をしたかったんだ。


あの痴漢事件はその日の内に学校のみんなに知れ渡った。どうやらあの場に何人か春妃已女子が何人かいたそうで、女子の噂のスピードは恐ろしいぞ。

その日から私は全生徒に「零様」と呼ばれるようになる。

春妃已女子高校は誰もが認めるお嬢様学校だ。挨拶はまず「ごきげんよう」。どんなに親しくても相手には「さん」を付ける。なにか素晴らしい功績を残した人には「様」を付ける。この三点が学校内でのルールだ。流石に先輩にも様付けで呼ばれるのは恥ずかしかった。が、慣れた。

そしてお嬢様学校というぐらいだ、授業料は高い。因みに花音は本当にどこかのお嬢様らしい。いいなぁ。で、あの馬鹿高い授業料、私の場合成績優秀特待生制度で免除されている。ドヤァ!こう見えて、勉強はできるんです。


話変わって春妃已は女子校なので、皆男に飢えている。私は女子に飢えている。春妃已女子の恐ろしいところ、それはファンクラブだ。他校のかっこいい男子を見つけては、ファンクラブを作って盛り上がる。たまにプレゼントを渡したり、ちらっと顔を見に行ったり、活動はそんなもんだ。

実は私のファンクラブもあったりする。その名も「零様を祀る会」。メンバーはなんとどこのファンクラブよりも多い。ある男のファンクラブだった人が、私に移ったりが多いな。かっこいいか?私。


私の髪は黒く、後ろで一本に結んでいる。瞳も黒く、中学の友人からはジト目と言われた。中学の先生にはよく、眠いか?と聞かれたものだ。決して眠いわけじゃない。眠そうな目をしているんだ。身長は女子の中でも高い170cm。勿論背の順は一番後ろ。これをコンプレックスとは思わない。なぜなら、私の業界では長身の方が有利だからだ。


私の家は道場を営んでいる。空手、柔道、剣道、薙刀、弓道と日本代々の武道を扱う、かなり大きな道場だ。家もそこにある。私は幼い頃から全てを父から叩き込まれた。今もだが。おかげで筋肉はついたし、体力もついた。春妃已の体育の成績は5。まぁどれもオール5だけどね。

日本武道の中で私が最も得意とするのは、柔道だ。理由はないがな。

そして道場生には「零様」と呼ばれる。ここでもか!まぁ初めて来る生徒は「零様?なにそれプッ」という感じだ。そこで私が父に言われ、相手の好きな種目で勝負をする。そして私が勝つ。そこから憧れを込めて、生徒の零様呼びが始まるのだ。憧れてくれてありがとう。しかし女子に限る。



そんなこんなで、私の高校三年ライフが始まろうとしているのだが、なにやら嫌な予感しかしないのは私だけだろうか。いやいや、今年も楽しく過ごせるよ、きっとね。

この小説、冬休みが終わる前に完結する予定です。

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