目次 次へ 1/11 タイムマシンの副作用 ついに完成したタイムマシン。意気揚々と一時間前へ飛んだ。 目の前には、さっきまで作業していた「自分」がいた。驚かせてやろうと肩を叩く。 だが、指先は空を斬り、自分の体は透き通っていた。 「忘れていた」 過去へ行けるのは意識だけ。肉体は現在に残されたままだ。 一時間後の未来で、抜け殻となった自分を誰が見つけるだろうか。 致命的なミス。「自分」はそんなミスに気付かず作業を続けている。 カチリ。時計の針が静かに、たった絶望へのカウントダウンを始めた。