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さん
「ーおい、飲み過ぎだ。」
彼の声が聴こえると同時に、
まだ半分と残ってるグラスを奪われる。
どれくらい呑んで居たのだろうか。
ぼーとする頭を動かし、目の前の彼をみつめる。
今年就任されたばかりの上司、蓮。
いつもビシッと決めているスーツを崩してネクタイを緩める仕草をするのは、イケメンだからか。
ワイルドイケメンに変わったのか。
蓮が片付けたのか、座卓には2つのグラスだけ。
私は座卓の上から奪われたグラスに口をつけ、蓮の手ごと持ち最後の雫まで飲み干した。
「それでいつからいらしたんですかぁ」
「…さぁ。」
座卓に上半身をのせたまま、続ける。
蓮さん…
呟きに似た声を出すと
彼は眉間にしわを寄せ、溜息を吐き云う。
「ダメだ。」
「けち」
「…喰うぞ」
「喰えば」
私も彼も見つめあったまま動かない。近い距離。間近にある蓮の顔は美しくて綺麗だとも思う。けれど今欲しいのは、それじゃない。
「…お さ け」
「残念だが時間切れだ。」
切なく頬張るように、縋るように訴えれば
彼は冷たくあっさりと告げる。と思えば、ゆっくり彼の手が伸びて
ーーあぁ。ほら。帰るよ?
と言わんばかりに、わたしを優しくそっと 触れるから
いつもの、ように
まいかい、おなじように
かわらない、あたりまえになるしゅうかんを
かんじるようにふわふわと かれにだきついた。




