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チート姫  作者: 木苺
     エドガーとローズ
63/70

ローズの故郷

(3/5)


3日間の休養中に交わされたジェット達の話し合いも エドガー達のうわさ話も知らず、ローズは4日目の朝、元気はつらつ起きだした。


久しぶりに ゆっくりと風呂に入り、モリモリと朝ごはんを食べ、保存食を作った。


燻製・煮豚・煮卵・豚肉の塩漬けなどの保存食は、フクフクが作ってくれると言ったが、自分好みの味付けにしたいから自分で作ると言ったら、フクフクがその味付けを知りたいから一緒に作りたいと言う。

魔法併用で作るので調味液のレシピを渡すので勘弁してとお願いした。

 しかし 「砂糖・しょうゆ・しょうが」として書いてないレシピではと叱られてしまった。


「だって そういうのって その時の気分とか 食材を見ての判断だから・・

 ようするに 生姜・八角・オールスパイス・その他スパイスをお好みで組みあわせるだけだもの」ローズ


「ようは 塩ブタ以外は塩を使わないってだけのことなんです」ローズ


「でも保存性を高めるには 塩は必要ですよ」フクフク


「もちろん梅干など 塩漬けを作る時の塩はたっぷりと使います

 でも 調味料としての塩はあまり使わないですね。

 あと 脂肪分はそぎ落として赤身肉を使います。

 油分は 必要な時に必要な分だけ足すけど、それ以上はいらない」ローズ


「ローズ様は けっこう贅沢な舌をお持ちですね」ウマイヤ


「すみません。わがまま言って」ローズ


「高価な食材ではなく、一般的な食材のおいしい所だけを食べたがる

 こういうのをグルメというのでしょう。」ウマイヤ


「でも 脂身を捨てたりせずに、ちゃんとラードをとったり油粕のお菓子に利用はしてます」ローズ


「私なら、そこまで手間をかけずに お肉と一緒に食べちゃいますね」エドガー


「だ~か~ら、食材でくだされば こっちで適当に調理しますって。

 人を煩わせたくもないし、贅沢だとかわがままだとかも言われたくない」ローズ


「その辺が不思議なんですよ。

 贅沢に慣れておられるようなのに、下働きも平気だという感覚が」エドガー


「それは 育った環境の相違です。

 自分のことは自分でやる。

 そのために社会的分業をする。

 職業に貴賎をつけない。

 そう言う社会で育った、それだけのことです」ローズ


「それと肉とがどういうかかわりがあるのですか?」エドガー


「肉は 赤身ブロック 脂肪だけの角切りと分けて購入可能です

 だから 自分の好みで調理ができる。

 肉の部位別についてる値段もちがう。

 だから 予算と好みに合わせて 肉質も選んで購入できる。

 それが当たり前の世の中で育ったというだけのことです。

 スパイスだって 私は20種類ぐらいの香辛料を家に常備して、毎日使い分けていました。

 そこまでの種類のスパイスを店頭で気軽に買えなかったときは、自宅で15種類くらいのハーブを自分で育てて使ってました。

 それが 可能だったのは 私がそれだけ稼いでいたこともあるし

 庶民でも 己の才覚次第でそれだけ稼げて、そういう生活ができるだけのインフラが整った社会だからです」ローズ


「そんな子供が・・」エドガー


「だから ここでは私 子供の体になってますが、

 そして 以前の暮らしの細かいことは思い出せませんが

 断片的に残っている記憶では もう少し年齢が上だったと思うと言っているでしょう、前から」ローズ


「確かに 以前からそうおっしゃってましたね」カゲ&エドガー


「でも ここでは ローズ様は 12歳のお子様ですから」カゲ&エドガー


「なんか 話すたびに私の年齢設定が下がってませんか?」ローズ


「ヒロポン国では 女性の婚約・結婚年齢が低いのでご了承ください」カゲ・エドガー


「それなら 私 永遠の12歳でも構いませんよ」ローズ


「そもそも神の愛し子様に 年齢を問うこと自体が誤りだと思うのです。

 そにれ女性に対してだけ、決まった年齢になれば結婚しなければいけないとか

 きわめて早くに婚約させて、それ以外の男に目を向けてはいけない・婚約相手に仕えるための勉強鹿してはいけないと縛るのも不公平だと思います」フクフク


「食材の好みについて 教えていただきありがとうございました」フクフク


「こちらこそ 勝手言ってすみません。

 私が 気づかず無理な注文をしていたら、無理は無理とはっきり言ってくださいね。」ローズ


「大丈夫です。

 その点に関しては私もフクフクも心得ています。

 私がローズ様のことをグルメだと言ったのも 批判ではなく、素朴に感心したからなんです。」ウマイイ


「そうなんですか。ごめんなさい」ローズ


「いえいえ どうかお気になさらず。」フクフク&ウマイイ


・・

このあと エドガーは、またもやカゲから叱られた。

「自分の感覚で、ローズ様を批評するな」と。


「そんなこと言っても 不思議なことは不思議なんです」エドガー


「だからお前は ローズ様からどんどん嫌われて行くんだ。

 一緒にいるときに お前がかなり気を使っていても

 いつも批判的な口調で ローズ様と我々との感覚の相違を指摘するから。」カゲ


「いいんです、それは。

 どっちみち あるじがローズ様に懸想なさっているから、

 俺は ローズ様から嫌われているくらいでちょうどいいです。」エドガー


「それとこれとは 話が違うだろうが。

 主の為にも 神の愛し子様に 気持ちよくここでお過ごしいただけるように尽くすのが我らの務めだぞ。

 おまえが勝手に懸想して その思いが通らぬ不満を、

どうでもいい話題の時に、あえて嫌味な口調で、相手が常々不快だと言っている形で彼女を批評することによって お前の価値観を押し付けて、相手の反論を誘うのは、

 彼女がだれであっても その女性に対して失礼な行為だ」カゲ


「独身のあなたに言われたくないですね」エドガー


「年長者として 己の反省も踏まえてせっかく忠告したのに、お前ってやつは」カゲ


「好きな人から まったく恋愛対象として見られてない苦痛、つらいです」エドガー


「だったら 転属願いを出せばいいだろう」カゲ


「今の仕事が気に入っているんです。

 今より良い職もないですしね」エドガー


「おまえ 男としてかなり恥ずかしいことを言っている自覚を持った方がいい」カゲ


※ 本日 夜8時に2回目の投稿をします


※ 土日休日は 朝8時 夜8時の2回投稿

  月~金は  朝7時の1回投稿です


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