水面に立つ
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「これから、川をわたって 旅に出ましょう。1か月分のしたくをしなさい。」
ある朝 マルレーン先生は言いました。
まさか 私と一緒に空を飛ぶのに愛想がつきたの? ヒヤリとしましたが
そんな 私の心中おかまいなしに 「早く支度を。出発は30分後!」とせかす師匠。
川を使った移動というのは、杖の上に立ってジェットスキーのように川面を滑って行くのだとか。
先生は 川に 御自分の杖をポイと投げ込み すいすい進みながら「早くついてらっしゃい」だと。
私はといえば、水の上に立つこともできず、川の中で腰まで水につかって棒立ちです。
私の杖はどこにいった? あっ 流されて行ってる。
川の中を走って杖を追いかけても 手が届かない
つえ~ 待って~ もどってきて~
すると いつのまにか小船に乗り込んだ師匠が現れて、見えない釣り竿で私を吊り上げ、船の中にたぐりよせる。
そのまま船は川の真ん中へと進んでいき・・
「水の上と水の中の区別もつかないとは困りましたね。
さあ ここからなら 川の上に足を踏み出せるでしょ」
マルレーンはいきなり私を川の真ん中に突き落とした。
ブクブクブクブク 不意を突かれ、そのまままっすぐ川底めがけて沈んでいく私。
「泳ぐのではなく 水の上を歩くのです!」
マルレーンは 再び ローズを釣り上げて、今度は船の中に入れることなく、
竿を一振りして早瀬にふりとばす。
だれも手も触れないのに、タンミング良く釣り針が外れて ブイーンと飛んでいくローズ。
「あ~れ~」と悲鳴を上げつつ飛ばされながらも 必死で態勢をたてなおし、立ち飛び込みの要領で着水。
立ち泳ぎをしながら、私は懸命に尋ねました。
「師匠! 杖 杖 杖はどこですか? とってください」
「おや やっと杖のことを思い出しましたか。
自分の杖は 自分で召喚しなさい。人にとらせてどうしますか?」マルレーン
「杖召喚!」
とりあえず叫んでみた。
すると 突然 水中から杖が飛び出してきた!しぶきを散らしながら。
私の頭に当りそうだったので 急いで杖をつかみ水の上にと念じたら、
私、水の上に立ってました。
え~~~~~~\(◎o◎)/!
杖を手に持つと 当たり前のように水の上を歩いて小船にもどることができました!!
でも 水が足にまとわりついて すっごく すご~く歩きにくかった。
マルレーンはすまし顔で のたまいます。
「魔法使いは 杖を手放してはいけません。
いつも携帯すること!」
「はい」
「それから 水上での移動は 杖の上に立って行うのです。
杖を握って のたのた歩くんじゃありません! みっともない」マルレーン
杖を川に浮かべ 素早く「水面の杖の上に立つ」とイメージしてみた。
あ~やっと 立てました。 水の上の杖の上に。
「すすめ!」
キャッホー! モーターボート張りに波をけたてて速く進みます
しかもエンジン音なし。
聞こえるのは周囲の鳥の鳴き声。風になる草木の音。そして水音
急ターンも カーブも自由自裁。
楽し~
そして はたと気が付きました。
「あの お師匠様 私の荷物は?」
「あててみなさい」マルレーン
「岸においたまま?」
「ちがいます」マルレーン
「お師匠様が持っている」
「私が荷物を持っているのが見えますか?」マルレーン
「いいえ もしかして マジックバックか空間魔法を使っておられるのですか?」
「正解です ご褒美に荷物を返してあげましょう」
マルレーンは 川の上に私の荷物をぶちまける
「収納!」川の中に落ちると困るので必死に叫ぶと・・ハイ収納されました。
「杖を持って念じなさい。さすれば道が開かれるでしょう」
これが マルレーン先生の 本日のおことば でありました。
「ご指導 ありがとうございました!」
ローズは 全身ずぶぬれのまま一礼した。




