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チート姫  作者: 木苺
     杖を使った魔法の稽古
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水面に立つ

(2/5)

「これから、川をわたって 旅に出ましょう。1か月分のしたくをしなさい。」

ある朝 マルレーン先生は言いました。

 まさか 私と一緒に空を飛ぶのに愛想がつきたの? ヒヤリとしましたが

 そんな 私の心中おかまいなしに 「早く支度を。出発は30分後!」とせかす師匠。


川を使った移動というのは、杖の上に立ってジェットスキーのように川面(かわも)を滑って行くのだとか。


先生は 川に 御自分の杖をポイと投げ込み すいすい進みながら「早くついてらっしゃい」だと。


 私はといえば、水の上に立つこともできず、川の中で腰まで水につかって棒立(ぼうだ)ちです。

  私の杖はどこにいった? あっ 流されて行ってる。

  川の中を走って杖を追いかけても 手が届かない

    つえ~ 待って~ もどってきて~


すると いつのまにか小船に乗り込んだ師匠が現れて、見えない釣り竿で私を吊り上げ、船の中にたぐりよせる。

そのまま船は川の真ん中へと進んでいき・・


「水の上と水の中の区別もつかないとは困りましたね。

 さあ ここからなら 川の上に足を踏み出せるでしょ」

マルレーンはいきなり私を川の真ん中に突き落とした。


ブクブクブクブク 不意を突かれ、そのまままっすぐ川底めがけて沈んでいく私。


「泳ぐのではなく 水の上を歩くのです!」

  マルレーンは 再び ローズを釣り上げて、今度は船の中に入れることなく、

 竿を一振りして早瀬にふりとばす。

  だれも手も触れないのに、タンミング良く釣り針が外れて ブイーンと飛んでいくローズ。


「あ~れ~」と悲鳴を上げつつ飛ばされながらも 必死で態勢をたてなおし、立ち飛び込みの要領で着水。


立ち泳ぎをしながら、私は懸命に尋ねました。

「師匠! 杖 杖 杖はどこですか? とってください」


「おや やっと杖のことを思い出しましたか。

 自分の杖は 自分で召喚しなさい。人にとらせてどうしますか?」マルレーン


「杖召喚!」

  とりあえず叫んでみた。


 すると 突然 水中から杖が飛び出してきた!しぶきを散らしながら。

   

私の頭に当りそうだったので 急いで杖をつかみ水の上にと念じたら、

私、水の上に立ってました。 


  え~~~~~~\(◎o◎)/!


杖を手に持つと 当たり前のように水の上を歩いて小船にもどることができました!!

 でも 水が足にまとわりついて すっごく すご~く歩きにくかった。


マルレーンはすまし顔で のたまいます。

 「魔法使いは 杖を手放してはいけません。

  いつも携帯すること!」


「はい」


「それから 水上での移動は 杖の上に立って行うのです。

 杖を握って のたのた歩くんじゃありません! みっともない」マルレーン


杖を川に浮かべ 素早く「水面の杖の上に立つ」とイメージしてみた。

 あ~やっと 立てました。 水の上の杖の上に。


 「すすめ!」

   キャッホー! モーターボート張りに波をけたてて速く進みます


   しかもエンジン音なし。


   聞こえるのは周囲の鳥の鳴き声。風になる草木の音。そして水音


   急ターンも カーブも自由自裁。


   楽し~


そして はたと気が付きました。

「あの お師匠様 私の荷物は?」

 

「あててみなさい」マルレーン


「岸においたまま?」


「ちがいます」マルレーン


「お師匠様が持っている」


「私が荷物を持っているのが見えますか?」マルレーン


「いいえ もしかして マジックバックか空間魔法を使っておられるのですか?」


「正解です ご褒美に荷物を返してあげましょう」

  マルレーンは 川の上に私の荷物をぶちまける


「収納!」川の中に落ちると困るので必死に叫ぶと・・ハイ収納されました。


「杖を持って念じなさい。さすれば道が開かれるでしょう」


  これが マルレーン先生の 本日のおことば でありました。


「ご指導 ありがとうございました!」

ローズは 全身ずぶぬれのまま一礼した。


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