日光浴と乗馬
(楽しき日々 5/9)
ウィリアムは ローズをずっと塔の中に閉じ込めておきたかった。
その為に 当初は倉庫兼執務室その2であった3階をローズの遊び場として提供した。
しかしながら 欲深娘は遊び場が足りないとのたまい。「体育館」なるものを建ててしまった。
まあよいだろう。『ブレイクン』とやらいう珍妙な出し物に笑わせてもらったから。
しかも 影たちの隠れ鍛錬場としても利用できそうだから敷地を提供したかいがあったというものだ。
すると 今度は日光浴の必要性なるものを説いてきた。
曰く
『日光浴の効用の一つに肥満防止と骨の強化があるといったら言い過ぎかもしれませんが、
太陽光の中に含まれる紫外線
↓
皮下脂肪の中にある あるコレステロールが刺激されてビタミンDになる
↓
肝臓や腎臓で代謝され、活性型ビタミンDになって
食品からのカルシウムの吸収を助ける
カルシウム不足の時には尿中のカルシウムを再吸収する
↓
①骨が丈夫になる
②免疫力を高めてインフルエンザや風邪を予防したり、転倒予防、筋力の強化、がん予防、花粉症などのアレルギー疾患の予防
という効果がある。
そして 毎日1時間、夏の日差しのきつい時でも30分の日光浴(外出・日向ぼっこ等)で得られるビタミンDは 食事から得るよりもはるかに効率よく量も多い。
さらに 日光浴により 脳内物質セロトニンが分泌→ストレス解消・気持ちも明るくなり集中量UP!
ゆえに私の健康のためにも戸外活動は必要!』
なんだそうだ。
カゲによると、病弱だからと室内に引きこもっていた人が
日光浴をはじめてから元気なる例は珍しくないから、ローズの言っていることが間違いとは言い切れないとのこと。
仕方がないので 毎日1時間の散歩を認めることにした。
すると ローズは厩通いを始めた。
影の者達専用の厩に行って、厩番の指示に素直に従って
厩舎の掃除をしたり、水を汲んだり。
下働きの仕事を楽しそうにやっている。
そして とても馬に触りたそうな顔をしているので、
エドガーが自分の馬に触れることを許したら、嬉々として馬の世話をはじめたそうだ。
そういえば 乗馬を習いたいとか言っていたな。
仕方がない。教えてやるか。
・・
ローズの上達は早かった。
最初は 馬にまたがるためには、どこに手をかければいいのかわからずまごまごしていたのに、
今では 俺と一緒に 郊外を走り回っている。
以前も町中を視察するときに、よく調教された見栄えのする白馬に姿勢よくまたがっていたが、
今では乗り手を選ぶタイプの馬をものりこなしている。
馬を見る目も確かだ。
馬場でかけ比べの時はスピード重視で。
遠乗りの時は持久力のある馬を。
起伏の激しい所を走る時はスタミナ重視で、騎乗する馬を選んでいる。
一方的に 馬に話しかけているようだが、案外あいつは 馬のことばがわかるのかもしれん。
ローズと毎日でも遠乗りに出かけたいが そういうわけにもいかないので、
馬術競技の教師をつけてやった。
人馬一体となった優雅な動きを身に着けて置いて損はないからな。
(参考)
骨を元気にする習慣ー日光浴をしよう!
https://iihone.jp/topics/topics10.html
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