依頼争奪戦
入れるタイミングを逃したり説明多すぎにならないようにカットしたりした物をここに書いておきます。途中で話にいれるかも。
あと前話に入れるかもしれません。編集で。
「魔法」
一般的に『神様』によって齎される奇跡の力……と、教会が言っているが、信じていない人は多い。(ソラは信じていない)
※2021/09/06 本文に追加しました
「遺跡」
過去の文明の遺産。高度な技術があった形跡や遺物があるが、魔物に占拠されていたり壊されていたりと様々。
考古学の学者達が研究しており、過去には人と人に近い別種族が共存していたと言う説も……。
※2021/10/09 本文に追加しました
「魔物(魔獣)」
一般的には、魔力に当てられ過ぎた動物が暴走や魔力によって変化した姿だと言われている。
……が、詳しい発生方法は不明。一部では、人工的に魔物化させる実験があるとか……。
「秘境」
所謂、人のほとんど訪れたことの無い土地。
強い魔物や天然のトラップ等に阻まれ、生存する事も難しい場所の総称。
冒険者の朝は早い。
依頼は基本6時、9時、12時、15時に更新されるからだ。
家族がいたりする場合や、単純に夜は視界が悪かったりと、日帰り出来ない依頼や帰りが夜遅くなる依頼は避ける冒険者も多い。
依頼は早い者勝ちの方式な為、早起きしないと割のいい依頼や条件にあった依頼を取り逃がすのだ。
「おはよう、レア。そっちが見つけてきた人?」
そう言って、既にギルドに着いていたレアに声を掛ける。
その横には、150後半くらいの身長に、黒髪緑目の少年がいた。
黒い外套を着ており、肌の露出が少ない。
「ソラ、おはよう。早起きするのも久しぶりね……この人が同じパーティーメンバーのソラ。自己紹介をお願い出来る?」
Bランク以上は一気に人が減るため、急がなくとも依頼がなくなるなんてことはほぼ無い。
つまり、早起きなんてする必要がないのだ。実は起きれるか少し心配だったが、しっかりと起きることが出来て安心している。
「あ、はい。俺の名前はリュークと言います。歳は14で、弓と剣、槍、炎と風の魔法が使えます。Dランク冒険者です。……あと、あのぉ……ここだと見せられないんですけど、もう一つあって……」
「あぁ、見せられる時でいいよ。僕の名前はソラ。16歳で、補助メインだけど雑用前衛後衛色々出来ます。一応Bランク冒険者です。よろしくね……レアはもう自己紹介済ませてるよね?」
「えぇ。……じゃ、そろそろ時間だし、依頼と登録しに行きましょ」
レアはそう言って、席を立つ。
リュークもそれに続き、僕らの後をついてきた。
「じゃ、右の方行くから」
「中央付近は任せなさいっ!」
「え?あ、じゃあ左見ます……」
朝のラッシュに限り、依頼が張り出される場所——通称、依頼板の周りには〈戦場〉に近い魔法で近付けない様になっており、6時きっかりにその魔法が解かれる。
(5……4……3……2……1……今ッ)
職員の人が3人、張り出しを始める。
(これはEランク、これは遠い、これはD!……これだ!)
Cランクの、討伐依頼。
人の波に揉まれつつ、しっかりと回収する。
回収した後は、邪魔になる為即座に離れるのがマナーだ。
「んー、駄目ね、いいのがなかったわ」
「良さそうなのあったんですが……取られちゃいました」
少し待っていると、二人も戻ってきたようだ。
「まぁ仕方ないよ。じゃあこれ受けようか」
そう言いつつ、持ってきた依頼を見せる。
場所は、エント村を更に奥に行った所にある、嵐の霊峰。
依頼者はエント村の村長で、霊峰の麓に普段は姿を表さないような魔物が住み着いてしまったらしい。
「なになに……?あぁ、虹魔狼。懐かしいわね……」
虹魔狼とは、その名の通り狼型の魔物。
虹は見た目が虹色なのではなく、7種の魔法を使ってくることからつけられた名前だ。
過去に僕、ノベク、レアの3人で討伐したこともあり、遠距離攻撃を使える者がいないとかなり厳しいが、レアは魔法使いだし、僕も魔法が使える。
リュークも弓が使えると言っていたし、僕らにうってつけの依頼だと言えると思う。
場所もエント村。僕とレアは数回行ったことがある場所だ。
……それでも、準備は手を抜かずにしていくけどね。
「じゃ、パーティー登録もさっさと済ませて行きましょ」
「はい!」
「うん」